更新日: 2020.07.15 NISA

メリットにこそ注意したい。つみたてNISAの見逃せない注意点とは?

メリットにこそ注意したい。つみたてNISAの見逃せない注意点とは?
つみたてNISAは、将来に備える資産形成の優れた手段の一つとして人気を博しています。
 
一方で「え!? そうなの?」と驚かれる方もいらっしゃいます。
 
その理由には、つみたてNISAのメリットがデメリットとして作用してしまうことにあるのです。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

つみたてNISAとは

つみたてNISAとは、年間40万円までの投資信託の購入を最長で20年間行えるという制度です。
 
分配金や売却益は非課税となり、国の後押しもあることから、資産形成術として話題を集めています。
 
つみたてNISAにはメリットが多く、うまく利用することで資産を無理なく形成することができます。
 
しかしながら、そのメリットはときに、デメリットとして作用することもあります。
 
特に下記3点のメリットがデメリットとにもなりうるといえます。具体的に見てみましょう。
 
(1)長期間安定して続けることができる
 
(2)毎月決まった日に一定額購入できる
 
(3)預金するよりも効率よく資産形成できることがある
 

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長期間安定して続けることができる

つみたてNISAは、少額からでも続けられ、積み立てる金額も自由に変動させることができることから、長期間安定して続けられるといわれています。
 
ただし、裏を返せば、短期間で止めてしまった場合は見込んだ利益を得ることができず、それどころか、手数料や積み立て購入した金融商品の値下がりによって赤字になってしまう可能性も充分にあるのです。
 
また、積み立ての途中で、購入した金融商品を売却して現金に変えることもできますが、一定の手続きが必要となるため、預貯金のようにその場ですぐに現金を手元に……というわけにはいきません。
 
仮にそのタイミングで積み立てていた金融商品の価値が下がっていれば、その分損失も生じてしまいます。
 

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おすすめポイント

【NISA】
・投資できる商品が多い
・NISA口座での国内株式 売買手数料0円
【つみたてNISA】
・幅広い投資信託ラインナップ
・100円から積立がスタートできる

毎月決まった日に一定額購入できる

つみたてNISAは、一定の頻度と金額で金融商品を自動購入することができます。
 
その頻度は、毎日、毎週、毎月と決めることができ、積み立てる金額も最低100円からと自由度が高くなっています。
 
しかし、自動で積み立てられるということは、自分で止めない限り積み立てが続くということです。
 
積み立ては任意に休止できるとはいえ、休止の場合もそこから再開する場合も手続きをする必要があります。
 
積み立てを中止したいと考えていても、手続きを忘れたり手続きが遅れたりして、自動で積み立てされてしまうことが起こりうるのです。
 

預金するよりも効率よく資産形成できることがある

よく勘違いされることですが、つみたてNISAは必ずしも利益が約束されているわけではありません。
 
税制上優遇されているものの、つみたてNISAはあくまでも投資です。
 
積み立てが終わった後の社会経済の状況によっては、元本割れしてしまったり、想定していた資産金額に及ばなかったりすることもありえます。
 
確かに、長期間積み立てていくことで投資リスクを限りなく低く抑えられるのですが、それでもリスクを完全にゼロに抑えることはできないということを覚えておいてください。
 
また、効率よく資産形成するために20年間の非課税枠を使い切ろうとした結果、経済の変動に巻き込まれ、損をしてしまうことも想定されます。
 

つみたてNISAは正しく理解できれば最高の資産形成術となります

つみたてNISAは、その仕組みを正しく理解し、そのうえでコツコツと長期間継続することができれば、他の追随を許さないほど効率的に資産を形成できる制度になります。
 
仮に毎月1万円の積み立てを3%の利率で20年続ければ、最終的な資産は約330万円もの金額になります。
 
さらに、最大20年間は非課税となります。
 
こう考えると、つみたてNISAがどれほど優れた制度か実感することができるでしょう。
 
つみたてNISAを始めてみたものの、「こんなはずでは…」とならないよう、つみたてNISAを始めたり、今後も積み立てを続けるのであれば、メリットがときとしてデメリットにもなりうるということを覚えておいてください。
 
[出典]
金融庁「NISA特設ウェブサイト」
 
執筆者:柘植輝
行政書士


 

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