お金がない時の引っ越し方法を解説！ 初期費用を抑えるコツや資金調達方法はどうすればいい？

引っ越しをするとなると、さまざまなお金がかかります。新しい物件に支払う初期費用や、引っ越し代、家具の購入やその他予想外な出費も多いでしょう。自力で何とかできるなら問題ありませんが、そうはいかない場合もあるかもしれません。
 
そこで本記事では、「お金がなくても無理なく引っ越しをする方法」を解説します。

お金がない時でも無理なく引っ越しをする方法！ 初期費用を抑えるコツ

お金がないけど事情があって引っ越しをしなくてはいけない場合、工夫を凝らすことで上手に節約しながら引っ越しをすることが可能です。ここでは、具体的に取り入れてほしい方法を解説します。
 

物件探しを工夫する

地域によっても差がありますが、賃貸マンション、アパートに引っ越しをする場合、「敷金」は家賃の1～2ヶ月分、「礼金」は家賃の1～2ヶ月分程度が必要になります。
 
加えて、初月の家賃や火災保険料も契約時に支払いをしなくてはいけません。そのため、引っ越し先になる部屋を借りるための初期費用として、だいたい家賃の半年分くらいを不動産会社に払うと考えておきましょう。仮に、家賃が8万円だった場合、48万円程度が必要になります。
 
これをできるだけ節約するためには、物件の探し方を工夫する必要があります。
 
まず、立地ですが急行や特急など停車する電車の種類が多い駅よりも、各駅停車しか停車しない駅のほうが賃料の相場は低めになります。特にこだわりがないなら、各駅停車しか停車しない駅の近くの物件を探してみると、家賃の節約には役立つはずです。
 
また、不動産会社との交渉も、家賃を節約するためには重要になります。家賃を値切りたいなら、7月～9月の閑散期を狙って引っ越しをするとよいでしょう。逆に、新生活や新年度が近づく1～3月の場合、部屋を借りたい人も多くなるため、値切り交渉をするのは難しそうです。
 

不用品は思い切って処分する

引っ越す際に持っていく荷物が多いと、その分作業の負担は増えます。
 
引っ越し業者に依頼する場合、一般論として荷物の量が多ければ多いほど料金がかさむため、注意が必要です。節約ができ、かつ、作業の負担を減らすという意味でも、不用品は思い切って処分しましょう。品質的にはまだ使えそうなものなら、リサイクルショップに持ち込んだり、家族や友人にあげたりしても構いません。フリマアプリやネットオークションを使ってもよいでしょう。
 

自分で引っ越し作業をする

荷物の量が少なく、車の運転ができるなら、思い切って自分で引っ越し作業をすると節約になります。地域や時期、レンタカー会社によっても差はありますが、軽トラックなら1日1万円もあればレンタル可能です。
 
同じ市内もしくは近隣エリアでの引っ越しなら、数往復すれば荷物も運び終わるので、節約する方法として検討するのをおすすめします。
 

家族や友人に手伝ってもらう

荷物の量は少ないものの、自分だけで引っ越し作業ができないなら、家族や友人に手伝ってもらいましょう。同じ市内もしくは近隣エリアでの引っ越しなら、それほど負担はかからないはずです。
 
ただし、家族や友人であっても物事を頼む以上、無料でやってもらうのは避けましょう。「謝礼としていくらか払わせてほしい」とはっきり伝えるべきです。相手が好意から「無料でかまわない」と言ってくれた場合でも、食事に連れていくなど何らかの形でお礼は伝えましょう。
 

閑散期に引っ越しをする

引っ越しをする時期にこだわりがないなら、閑散期に引っ越しをしましょう。引っ越し業者にとって繁忙期となるのが、新生活を控えた人が多く引っ越しする2月と3月です。繁忙期はそれ以外の月（閑散期）に比べ、引っ越し料金が高めに設定されています。2月もしくは3月に引っ越しをする事情がない場合は、それ以外の月での引っ越しも検討しましょう。
 

土日祝日は避ける

どうしても繁忙期である2月もしくは3月に引っ越ししなくてはいけない場合は、引っ越し業者に依頼する日を平日にしましょう。土日祝日は会社や学校が休みの人が引っ越しを希望することが多く、費用も高くなりがちです。依頼するタイミングを逸してしまうと、予約自体が取れなくなることもあります。
 
逆に、平日であれば比較的枠が空いている場合もあるので、余裕を持ったスケジューリングが可能です。値引き交渉をする場合も、平日なら応じてもらえるかもしれません。
 

単身パックを活用する

1人暮らしの人（単身者）なら、引っ越し会社の単身パックを使うと節約になります。
 
所定のボックスに載せきれる程度の荷物であれば一定の料金で引き受けるという仕組みを採用した料金プランです。おおよその目安ですが、ワンルームの部屋から生活に最低限必要な家具と家電、家財を持ち出す形での引っ越しが想定されています。
 

混載便を使う

学生など、引っ越し日に厳密な制約がなく、荷物が少ない場合は引っ越し会社の混載プランを使うと節約ができます。
 
「混載プラン」とは、同じ方面に引っ越しする依頼者複数人の荷物を1台のトラックに載せて運ぶプランのことです。1台のトラックを何人かで借りていっしょに運んでもらうと考えるとわかりやすいでしょう。
 
費用の安さが魅力ですが、荷物を運び出してから引っ越し先に到着するまで時間がかかることもあります。荷物が届くまでの間は実家に戻ったり、友人の家に泊まらせてもらったりすることができる人におすすめの方法です。
 

複数の業者から見積もりを取る

引っ越し業者に依頼する場合、重要なのは複数の業者から見積もりを取ることです。ひとつの業者から見積もりを取っただけでは、それが相場に比べて安いのか高いのかもわかりません。複数の見積もりを比較することで、だいたいの相場が見えてきます。
 
あまりに相場より高い場合は頼むのを避けたほうがよいでしょう。本来は必要のないオプションが見積もりに含まれていることもあるからです。
 
一方、安すぎる場合もやめておきましょう。契約を取るためにわざと安い価格を提示していることもあるため、後々トラブルが起きる可能性もあります。
 
また、複数の引っ越し業者から見積もりを取れば、値引き交渉をするときの材料にも使えます。「A社さんではもうちょっと安かったみたいですが」と言った場合、見積もりがあるのとないのとでは説得力がまったく違うからです。
 

退去前にしっかり掃除する

借りていた家を引き払う際は、しっかりと掃除しておきましょう。賃貸住宅の場合、退去時に原状回復費用を請求されることがあります。引き払う際に部屋が汚いと判断された場合、原状回復費用も高くなりがちです。
 
なお、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」によれば、原状回復とは「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」とされています。
 
通常の使い方で家に住んでいたことで生じた劣化に関しては費用を負担する必要はありません。部屋に目立った汚れがない状態にしたのに原状回復費用として多額の費用を請求された場合は、早急に消費生活センターに相談しましょう。

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引っ越しのお金が足りない場合の資金調達方法

引っ越しのお金が足りない場合、不足額をどうやって調達するか考えてみました。状況によっては、複数の方法を組み合わせて使いましょう。
 

不用品を売ってお金に換える

引っ越しにあたって不用品を処分する場合、ただ捨てるのではなく、売ってお金に換えることも検討しましょう。
 
例えば、保有しているが使用してないブランドものやスマートフォンなどのデジタル製品は、引っ越しに伴い出て来ることもありそうですので、リサイクルショップに持ち込むと高く売れることがあります。また、本やCD、ゲームソフトなどは古本屋で買い取ってもらいやすい商品なので、どうしても手元に置いておきたいもの以外は持ち込みましょう。
 
出品や購入希望者とのやり取りが苦にならないなら、フリマアプリやネットオークションを使うのも方法のひとつです。
 

カードローンやキャッシングを使う

「転職などで一時的に出費が増えた」など、お金がない理由があくまで一時的なものなら、カードローンやキャッシングを使って不足分を補いましょう。
 
「カードローン」とは、銀行や消費者金融などが提供する個人向けの小口融資商品です。ローンカードといって、専用のカードを使って借り入れをすることが多かったことからこの名前がついています。一方、「キャッシング」とは一般的にはクレジットカードを使ってATMからお金を借りることです。
 
これらの方法を使う場合は「本当に必要な額だけを借りて、早めに完済する」のが重要になります。利息は時間の経過とともに生じるので、早めに返済すればするほど、利息負担も減らせるからです。
 
たとえば、20万円を年18.0％の金利で借りた場合でも、1年で完済するのと2年で完済するのとでは、総返済額が以下のように異なります。
 
図表1

項目	毎月返済額	総返済額	うち利息額
1年で完済した場合	1万8335円	22万0020円	2万0020 円
2年で完済した場合	9984円	23万9616円	3万9616 円

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※返済方式は元利均等返済で計算
 
ただし、早めに返済しようとすると毎月の返済額はどうしても増えてしまいます。他の支出とのバランスも考え、しっかりと返済が可能な額で無理のないようスケジュールを立てましょう。
 

家族や親族、友人から借りる

事情があってカードローンやキャッシングが使えない場合は、家族や親族、友人から借りることを検討しましょう。ただしこの方法は、頼み方やその人との関係性によっては人間関係のトラブルを引き起こしかねないため注意が必要です。
 
まず、借りることを頼む前に、自分の貯金や不用品を売ったお金などで用立てられる部分がないかを確かめましょう。そのうえで、いくら借りたいのかを説明するとよいでしょう。
 
また、借りる際も、借り入れ・返済の条件を盛り込んだ借用書を作り、相手と自分とで一通ずつ保存しておくのが望ましいです。万が一、当初の予定どおり返済できない事情ができた場合は、早急に相談しましょう。
 

 

お金がない時の引っ越し方法まとめ

お金がなくても、工夫ひとつで引っ越しの費用を節約することは可能です。その分自分でやらなくてはいけないことも増えますが、決して難しいことではないので早い段階からコツコツと取り組みましょう。また、どうしてもお金が足りない場合は、一時的に借りるのも手段のひとつです。ただし、本当に必要な額だけを借り、早めに返済するつもりで借りましょう。
 

 

 

出典

国土交通省 「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」について
国民生活センター 賃貸住宅の退去トラブルを防ぐには
知るぽると（金融広報中央委員会） しっかりシミュレーション
 

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