更新日: 2022.05.26 キャリア

利用しやすくなった求職者支援制度…どこが変わった? 特例措置やメリットを解説

執筆者 : 荒木和音

利用しやすくなった求職者支援制度…どこが変わった? 特例措置やメリットを解説
「求職者支援制度」は求職者の早期就職を促す支援制度です。
 
令和5年3月末までの特例措置により、利用対象者の拡大が見込まれています。どのような変更点があったのか、また、制度を利用するときの注意点について解説します。
荒木和音

執筆者:荒木和音(あらき かずね)

2級ファイナンシャルプランニング技能士

求職者支援制度とは?

求職者支援制度は、収入が一定額以下の在職者や、失業手当の給付が受けられない離職者に向けた制度です。無料の職業訓練が受けられるほか、生活支援のための給付金を受け取れる仕組みになっています。
 
ハローワークで求職活動をしていることも、利用するための条件です。給付金を受け取れない場合でも職業訓練のみ無料で受講できることもあります。
 
給付金が支給されることにより、経済面での不安を和らげながら、より安定した就職を目指せるのがメリットです。受講できる講座にはさまざまな種類があり、受講者の半数以上が就職に成功しています。
 

給付金の支給額

訓練を受講する期間に合わせて「訓練受講手当」が月10万円受け取れます。例えば受講期間6ヶ月の講座の場合、10万円×6ヶ月=60万円が支給される金額です。
 
そのほかに訓練施設に通う場合の交通費として「通所手当」が上限4万2500円、同居する家族と別居して、訓練施設に付属する宿泊施設やアパートなどに入居する場合は、「寄宿手当」が月1万700円、支給されます。
 

制度の利用条件が緩和された「特例措置」の内容は?

2023年3月31日まで特例措置として、求職者支援制度を利用するための要件が緩和されています。主な内容は図表1の通りです。
 
【図表1】

図表1

 
本人の収入要件や職業訓練に関連する要件が緩和されたことにより、働きながら制度を利用しやすくなりました。世帯収入の要件も緩和されているため、親や配偶者と同居されている場合でも利用しやすくなっています。
 

求職者支援制度の注意点

職業訓練については、必ず希望の講座を受講できるわけではないため注意しましょう。受講するためには面接や筆記試験など、訓練実施期間による選考が行われます。
 
また、給付金を受け取っても生活費が不足する可能性もあるでしょう。そんなときは「求職者支援資金融資」を受けることもできます。貸付可能な金額は世帯の家族構成によっても異なり、月額5万円または10万円です。融資を受けられるのは訓練受講中の期間に限られます。
 

出典

厚生労働省 求職者支援制度のご案内
厚生労働省 求職者支援制度の特例措置について
厚生労働省 求職者支援制度があります!
厚生労働省 職業訓練コース設定の柔軟化(特例措置)
厚生労働省 求職者支援資金融資のご案内
 
執筆者:荒木和音
2級ファイナンシャルプランニング技能士

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