更新日: 2023.07.25 キャリア
27歳、大学を出ても「手取り16万」です…これって少ないですか? 転職したほうが良いでしょうか?
今回は、大学卒の27歳で月の手取りが16万円は少ないのか、統計データをもとにみていきます。また、転職の必要性についても考えてみましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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手取り16万円の額面は?
会社員は、給与から税金や社会保険料を引かれ、残った金額を勤める会社から受け取ります。実際に支払われたお金を手取りと表現しますが、手取り16万円の場合、月の額面は20~22万円程度となるでしょう。単純に計算すると、年収は240~260万円程度となります。もちろん、ボーナスなどにより上下する可能性があります。
ただ、重要なのは毎月の手取りが16万円であり、額面が20~22万円程度である点です。収入を左右する月の給与に着目し、転職等を考える必要があるでしょう。
4年制大学卒業者の平均賃金
厚生労働省は、「令和4年賃金構造基本統計調査」の結果の概況で、学歴別の平均賃金を公表しています。それによると、4年制大学卒業者の月の平均賃金は36万2800円となっています。
それを年齢別でみてみると、25~29歳の平均賃金は26万5200円です。27歳で月給が20~22万円であれば、同年代の平均と比べて5万円前後少ないことになります。1年では60万円前後の差が出てきてしまうでしょう。
性別でみると、4年制大学卒業者のうち25~29歳男性の月の平均賃金は27万2800円、女性は25万5900円という結果でした。月給20~22万円は、どちらの性別でも少ないといえます。
転職のポイントはタイミングと戦略! 収入を増やすことが目的なら副業も視野に
大学を卒業しているにもかかわらず、同様の学歴かつ同年代の平均給与よりも少ないとなれば、転職を検討したくなるのも当然です。しかし、安易に転職を決める前によく考えましょう。ときに勢いは必要ですが、勢いだけで転職を成功させられるほど甘くないことが多いです。
転職は、タイミングと戦略が重要です。もし、まだ何も実績を残していないのであれば、現在の職場での実績づくりから始めましょう。実績は転職の際の大きな武器となります。
また、転職活動は在職中に少しずつ行うことで、収入を得ながら次の働き先を見つけられます。若い年齢の方が転職市場価値は高い傾向があるものの、働いていないブランク期間は、むしろ市場価値を下げる恐れがあるため注意が必要です。実績を積み上げながら、価値を下げずに機を待つのも、転職の戦略の1つとなりえます。
収入を増やす方法は、転職だけではありません。副業も、収入を増やす手段となりえます。知識や技術が必要な副業であれば、やがて本業としての独立も可能です。27歳であれば、新しいことへの挑戦も比較的躊躇(ちゅうちょ)なくでき、多少のリスクは負えるでしょう。
残業が少なく労働環境がさほど厳しくない状況が16万円という手取りにつながっているのであれば、より副業を始めるメリットが生じます。十分な時間や労力を副業に向けられ、早くに副収入が本業の収入を超える可能性も出てくるでしょう。
平均より給与が少なくても転職は慎重に決断する必要あり
27歳の大卒者で16万円の手取り額は、同様の学歴や年齢の人の平均と比べても多いとはいえません。同年代の大卒者よりも、月給でみれば5万円前後少ない状況です。転職を検討したくなるのも無理はありませんが、実績がない状態ではうまくはいかない可能性があります。
まずは現在の職場で実績をつくることに取り組んだり、副業で収入を増やしたりといった方法も検討してみましょう。自身に合った仕事が見つけられれば、本業以上の収入を得られる可能性があります。
出典
厚生労働省 令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況 学歴別
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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