更新日: 2024.06.16 キャリア
33歳「年収500万円」です。ただ勤続10年で昇給が「5万円」、ボーナスが「年140万円」なので将来が不安です。転職すべきでしょうか…?
しかし、転職をしても今よりも年収が上がる保証はありません。転職を考える際には年収以外の観点にも目を向けることも重要です。
執筆者:御手洗康之(みたらい やすゆき)
CFP、行政書士
33歳年収500万円は同年代の平均以上
まずは、自分の状況を客観的に把握しておきましょう。国税庁が公表している「民間給与実態統計調査(令和4年分)」によれば、平均給与は約457万円となっています。
この数字は全年齢を対象にしていますので、年齢階層別の平均給与を見てみましょう。30~34歳男性の平均年収は425万円です。つまり、33歳年収500万円であれば、平均を上回っていることが分かります。
図表1 年齢階層別の平均給与
国税庁 民間給与実態統計調査(令和4年分)
次に、ボーナスについて考えてみましょう。厚生労働省が公表している「毎月勤労統計調査(全国調査・地方調査)」のデータによると、2023年末賞与の平均支給額は約39万5000円でした。夏季賞与の平均もほぼ同水準の39万7000円でしたので、年間のボーナス支給平均は約80万円となります。
今回のケースでは、年収500万円のうち、ボーナスが140万円ということですので、通常の給与分は360万円です。ボーナスが安定して支給されるのであれば問題ありませんが、業績に応じてボーナスがカットされる可能性があれば、収入の安定性や将来的な年収の増加にはやや不安を感じるかもしれません。
転職を考える上での3つのポイント
実際に転職を考える上では以下のポイントを検討してみてください。
1. 現会社でのキャリアの成長
現在の会社での今後のキャリア形成の可能性を考えましょう。これまでの10年間で昇給が少なかったということは、今後の昇進なども限られるのかもしれません。一方で、大幅な昇給の見込みが少なくても着実に年収が上がる、あるいは定年がないか、もしくは定年後の再雇用が期待される場合などは現在の会社に残るメリットとも考えられます。
2. ライフスタイルと満足度
ライフスタイルのような仕事以外の要素も考慮しましょう。転職によって年収が上がっても、職場環境が悪化したり、ストレスが増大したりすることがあれば、全体的な生活の満足度は下がる可能性があります。
3. 市場の需要と自身のスキル
そもそも転職が可能なのかを見極めることも重要です。それには現在の市場の需要と自身のスキルや経験が大きく影響します。タイミングや交渉次第で今後の年収やキャリア形成にも影響を与えることもあります。
将来の展望や転職のリスクをよく検討することが重要
若い段階での転職は、将来的なキャリアの柔軟性や成長の機会が広がるというメリットがあります。また、仮に失敗しても再チャレンジする時間が豊富にあります。
ただし、転職にはリスクも伴います。転職を検討する際には、将来の展望やリスクをしっかりと把握し、十分に計画を立てて行動することが重要です。
出典
国税庁 標本調査結果
厚生労働省 毎月勤労統計調査(全国調査・地方調査):結果の概要
執筆者:御手洗康之
CFP