勤続6年目で転職を考えています。同僚に「退職金を考えると10年は働いた方がよい」と言われたのですが、6年で退職した場合とどのくらい差があるのでしょうか?
配信日: 2024.11.01
事実、厚生労働省の「令和5年若年者雇用実態調査」によれば、22歳で大学を卒業した人の5、6年後にあたる、「25~29歳」の正社員のうち、転職経験者は27.6%です。理由はさまざまでしょうが、4人に1人以上が転職を経験していることになります。
しかし退職となると、気になることが退職金です。退職金は勤続年数に比例するケースもあるため、「せっかくここまで働いたなら、10年くらいは続けるべきだろうか」と悩んでいる方もいるでしょう。
そこで今回は、勤続10年で退職した場合の退職金や、退職時期別のメリット、退職スケジュールの注意点を解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
10年まで働くことで、退職金額はどれくらい増える?
厚生労働省の「令和5年賃金事情等総合調査」によると、大学卒業者の事務・技術労働者(総合職相当)が、勤続5年と10年で自己都合退職した場合のモデル退職金は、次の通りです。
●勤続5年:63万1000円
●勤続10年:182万8000円
5年間長く働くことで、金額が約3倍に増えることが分かります。「退職金のために10年は働くべき」という意見は、こうした事実に基づいていると考えられるでしょう。
ただし、厳密な金額は企業によって異なります。退職金の計算に勤続年数を参照しないケースもあるため、就業規定などで自社の退職金の仕組みを確認するといいです。
勤続10年目を待つメリット
転職を遅らせるメリットには、受け取れる退職金が増える可能性があることに加え、経験を武器にしやすいことが挙げられます。「営業で売り上げ〇円を達成した」などの具体的な実績やエピソードが多いほど、自己PRが充実し、採用担当者から評価される可能性が高まるでしょう。
特にチームリーダーなどのマネジメント経験者は、転職市場で重宝されやすい傾向があります。
早く転職するメリット
モデル退職金は勤続年数に応じて増えますが、早く退職することが、その後のキャリアにいい影響を与える場合もあります。
例えば、20代は30代に比べてポテンシャルを評価されやすいともいわれており、とくに未経験の職種に転職する際は、年齢が有利に働くかもしれません。
また、会社にとどまってもスキルアップが見込めない場合、退職を早めた分だけ成長の機会を得られる可能性もあります。
退職日などによって、受け取る金額が異なる場合がある
退職時に受け取る金額を増やしたいなら、退職までのスケジュールにも気をつけましょう。なぜなら、退職の意向を伝えるタイミングや、退職日をいつにするかによって、受け取れる金額が異なる場合があるためです。
例えば、退職の希望を賞与の査定前に伝えると、賞与が減額されるおそれがあるでしょう。また、賞与支給日が7月1日の企業を6月30日に退職すると、1日のズレで賞与を受け取れない可能性があります。
ただし、退職までのスケジュールを自分の都合だけで決めると、同僚や転職先に迷惑をかけるかもしれません。退職日を検討する際は、以下の点なども考慮するといいでしょう。
●就業規定
●引き継ぎに必要な時間
●転職先の希望
●引っ越しにかかる期間(引っ越しが必要な場合のみ)
勤続5年と10年では、退職金に約3倍の差がある
厚生労働省のモデル退職金は、勤続5年で63万1000円、勤続10年で182万8000円です。5年間長く働くことで、金額が約3倍に増加することが分かります。また、現在の職場で実績を積めば、転職活動を有利に進められる可能性もあるでしょう。
一方、早く退職することで、年齢が転職市場で有利に働いたり、スキルアップの機会を開拓できたりする場合も考えられます。退職のタイミングを検討する際は、金銭面だけでなく、退職後への影響に目を向けることも大切です。
出典
総務省統計局 政府統計の総合窓口(e-Stat)
雇用の構造に関する実態調査/令和5年若年者雇用実態調査/結果原表 第17表
令和5年賃金事情等総合調査 令和5年退職金、年金及び定年制事情調査 第13表
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー