40~50代の転職でも「4人に1人」が年収10%以上アップ! 若者だけでなく中高年で「年収増の転職」が増えている理由とは?
配信日: 2025.01.15
また転職入職者において、「転職により賃金が増加した」と回答した割合は37.2%となっており、2009年以降では最も多くなっています。逆に転職により賃金が低下したと回答した割合は32.4%となっており、転職により賃金が増加した人のほうが多い結果となっています。
本記事では転職により賃金が増加した割合を年齢別に紹介し、40代や50代でも賃金増の転職が増えている理由について解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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40代や50代でも転職で年収アップできる時代に
転職により賃金が増加したと回答した割合は全体で37.2%でしたが、20代前半では50%以上、20代後半~30代前半も約45%となっており、若い世代の転職者の約半数は転職により賃金が増加していることになります。
30代後半~40代後半で約40%が転職により賃金が増加したと回答しており、50代前半で約35%、50代後半でも約28%となっています。
また同調査によると、転職により賃金が10%以上増加したと回答した40代は約27%、50代前半で23%となっています。40代や50代前半の転職でも4人に1人は賃金が10%以上増加する転職に成功していることになります。
人手不足は中途採用にも影響している
東京商工会議所の調査によると、2024年新卒者の採用計画人数に対する充足率が50%未満と回答した企業が41.5%となり、新卒採用が難しくなっていることが分かります。
また、リクルートワークス研究所が実施した「中途採用実態調査」によると、2023年度下半期に必要な人数を確保できなかったと回答した企業は53.2%と、過去最高の割合となっています。
同調査によると、中途採用の実施目的の上位3項目は「離職への対応」「即戦力人材の獲得」「採用未充足への対応」となっており、新卒採用だけでなく、中途採用市場においても人手不足が叫ばれているのが現状です。
賃上げできる会社とできない会社の2極化が進む?
産労総合研究所の「決定初任給調査」によると、大卒者の初任給の増加率は2023年が2.84%、2024年は3.85%となっており、新入社員確保のために初任給はここ数年大きく上昇しています。
また、人手不足による賃上げの波は新卒採用だけでなく、中途採用にも及んでいることが予想されます。その結果として、中高年の年収増加をともなう転職が増えているのではないでしょうか。
最低賃金の上昇でパートやアルバイトの賃上げ、新卒採用のための初任給引き上げの中、中高年社員まで昇給させることのできる会社と、そこまでの余裕がない会社の2極化が今後進んでいくと予想されます。
大手企業でも中途採用を活発化させている現状、ほとんど昇給しない中小企業から昇給、または年収アップが見込める会社へ転職する流れは今後拡大していくかもしれません。
まとめ
20代の若者世代だけでなく、40~50代でも4人1人が年収10%以上アップの転職に成功しています。その背景としては深刻な人手不足が中途採用市場にも及んでおり、給与アップをしないと採用が難しくなっていると考えられます。
また近年の最低賃金の大幅な上昇などにより、パート・アルバイトや新入社員・若手社員だけ昇給し、中高年社員は昇給させることのできない会社が増えてくる可能性があります。そのような会社で不満を持つ中高年世代が転職に踏み切るケースが今後増えていくことも考えられるでしょう。
出典
厚生労働省 令和5年雇用動向調査結果の概況
東京商工会議所 2024年新卒者の採用・選考活動動向に関する調査
リクルートワークス研究所 中途採用実態調査
産労総合研究所 2024年度 決定初任給調査
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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