50代から転職するのは、現実的に厳しい? 年代別の転職成功率を解説
配信日: 2025.02.23

しかし、シニア層の経験や知識を活かせる求人は増加傾向にあり、50代で年収1000万円を超える転職成功例も存在します。この記事では、50代転職の現状や成功・失敗例、そして成功の秘訣を解説します。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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50代転職の現状は?成功率と求人市場の動向
厚生労働省の「令和5年雇用動向調査結果」によると、前職に比べ賃金が増加した割合は50〜54歳は34.6%、55〜59歳は27.7%でした。この結果を踏まえると、50代の転職成功率は約30%といえるでしょう。
20代、30代と比べると低い数字ですが、悲観する必要はありません。求人数は少ないながらも、シニア層の経験や知識を活かせる求人が増加傾向にある点は追い風です。例えば、管理職経験者を求める企業や、専門性の高い技術を持つシニアエンジニアを募集する企業など、50代のスキルを高く評価する企業も存在します。
50代転職の成功例:年収1000万円超えも夢じゃない?
50代で転職し、年収1000万円を超えることは確かに容易ではありませんが、不可能ではありません。戦略的なアプローチが成功の鍵となるでしょう。成功例を分析することで、50代転職で高収入を実現するための道筋が見えてきます。
IT業界では、プロジェクトマネージャーやITコンサルタントとして活躍し、年収1000万円超えを実現する50代もいるでしょう。豊富な業務経験とプロジェクト管理スキルを持つ人材は、企業にとって貴重な存在です。
特にDX推進や新規事業立ち上げといった、高度な専門知識とマネジメントスキルが求められる分野で、50代の経験が活かされます。企業規模を問わず、スタートアップ企業から大手企業まで、さまざまな企業でチャンスがあります。
特定の分野で高度な専門知識やスキルを持つ50代は、コンサルタントや専門家として転職市場で高く評価されるでしょう。
なかでもMBA(経営学修士)や中小企業診断士、弁護士、公認会計士、建築士など年収1000万円を超えるケースもあります。高度な専門知識が求められる分野では、経験豊富な50代人材の需要は高く、高収入の求人が見込めます。
50代転職の失敗例:年収ダウン500万円……転職活動の落とし穴
よくある失敗として、長年の経験と実績から、自分の市場価値を過大評価してしまうケースが挙げられます。年収800万円で管理職をしていた人が、同等の待遇を求めて転職活動をした結果、希望条件に合う求人が見つからず、最終的に年収300万円の一般社員として働くことになるケースは実際に起こるかもしれません。
50代になると、企業側はマネジメント経験だけでなく、豊富な経験や専門知識も求められます。過去の成功体験に固執せず、客観的に自分の市場価値を評価することが重要です。
また、面接対策やスキルアップといった準備が不足していると、選考で落とされてしまう可能性が高くなります。書類選考の通過率が低い、面接で自分の強みをうまく伝えられない、といった状況が続くと転職活動が長期化し、焦りから条件を下げて妥協してしまうことにつながります。転職活動は長期戦になることを想定し、計画的に準備を進めてください。
年代別の転職成功率
転職活動の成功率は年代によって異なり、年齢が上がるにつれて成功率は低下する傾向にあります。厚生労働省の「令和5年雇用動向調査結果」によると、前職に比べ賃金が増加した割合は20代では約48%です。30代は約41%で、40代になると約39%と転職成功率は徐々に低下しています。
ただし、これらの数字はあくまで一般的な傾向であり、個々のスキルや経験、市場の状況などによって大きく変動する可能性があります。また、賃金の増加以外にもワークライフバランスが取れる仕事ができるようになれば、転職に成功したといえるでしょう。
転職活動においては、年齢による成功率の差を認識しつつ、自身の強みを活かした戦略を立てることが重要です。
50代転職を成功させるためには戦略と準備が大切
50代での転職は、若い世代に比べて求人数が少なく、厳しい面があるのは事実です。しかし、適切な戦略と準備があれば、高収入の仕事に就くチャンスは十分にあります。重要なのは、自分の強みを最大限に活かせるフィールドを見極め、積極的に行動することでしょう。
出典
-令和5年雇用動向調査結果の概況-|厚生労働省
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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