医者が激務なのは嘘なの? 激務と言われる理由や診療科、労働環境を解説|ファイナンシャルフィールド

医者が激務なのは嘘なの? 激務と言われる理由や診療科、労働環境を解説

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医者は、「激務」と言われることが多い職種です。激務と言われるには理由があります。

本記事では、医師が置かれている労働環境や健康状態を踏まえて、どうして激務と言われているのか、解説します。また、特に激務と呼ばれる診療科をランキング形式で紹介していきます。

「やりがいはあるけれど、このまま続けていいのか」と悩む医師は、キャリアプランを見直すきっかけとして、ぜひ参考にしてみてください。

医師は本当に激務なの? 嘘?

医師はどのエリア、どの診療科に属していたとしても基本的には「激務」と呼ばれる職種であると言えます。

一般的なイメージとして「華やか」、「人から尊敬される」、「高収入」といったきらびやかな側面がある一方で、激務の中ギリギリで働く医師も多いことが現状です。

では一体なぜ、医師は激務と言われるのでしょうか。

基本的に、病院に行く患者はどこか不調を抱えており、「一刻も早く正常な姿に戻りたい」と思っています。それが緊急性のある症状であればあるほど、すぐに対応しなければならなかったり、慎重に診断を下さなければなりません。

さらにどの程度患者が来るか、数も難易度も読めないことがほとんどです。こうした需要の多さや、人手不足による業務過多により激務に追い込まれてしまう医師が多いのです。

激務と言われる詳しい理由について、後述でも説明していきます。

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医師が激務と言われる5つの理由

医師が激務だと言われる点については、5つの理由が挙げられます。

(1)長時間労働の常態化
(2)業務幅の広さ
(3)人手不足
(4)当直や夜勤の有無
(5)勤務時間やシフトが変動しやすい



現状と合わせて詳しく解説します。

医師が激務な理由(1)長時間労働の常態化

医師が激務と言われる理由の1つ目は、長時間労働が常態化しており、常に疲労を抱えている医師が多いことです。長時間労働や連続した勤務がもたらす健康被害の1つに「過労死」があります。

過労死とは仕事による疲労やストレスが原因で、心臓や脳、精神などを病み、死亡してしまうことです。生きるために仕事をしているのに、このような事態が起きてしまっているのが実状です。

現状、医師の中には「過労死ライン」と呼ばれる、月80時間労働を超える勤務をしている人も存在します。それだけ働かなければ追いつかないほど、長時間労働が常態化していることが激務と言われる理由の1つです。

医師が激務な理由(2)業務幅の広さ

医師が激務と言われる理由の2つ目は、医師の業務幅が広いために、激務となっているケースです。医師の仕事は特殊なものが多く、医師にしかできないと規制されている仕事も数多く存在します。そのため自然と業務量が増えてしまいます。

患者への診察・治療が表面的に見えている業務内容かもしれませんが、事務作業もこなさなければならないのです。カルテや診断書の作成など、患者の数が増えればその分事務処理の内容もバラバラになります。

こうした幅広い業務が、医師の大きな負担となっています。

医師が激務な理由(3)人手不足

医師が激務と言われる理由の3つ目は、慢性的な医師不足です。医療現場は、医師に限らず人手不足がひっ迫しているところが多いです。

厚生労働省が公表している令和2年分の「医師・歯科医師・薬剤師統計」によれば、医師は全国に33万9623人存在しています。(令和2年12月31日時点)平成30年よりも3.8%増加しており、1万2413人ほど増えている結果となっています。

しかし、地域間の格差は発生しており、人口10万人に対して全国平均が256.6人であるのに対し、埼玉県が177.8人、茨城県193.8人、新潟県204.3人とエリアによって大きく不足していることが分かります。

図表1

※厚生労働省 令和2(2020)年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況より引用

人手不足により医師1人の負担が大きくなり、結果として激務になってしまうのです。

医師が激務な理由(4)当直や夜勤の有無

医師には「当直」と呼ばれる宿泊を伴う勤務や、夜間勤務をする「夜勤」といった働き方が存在します。患者はいつ急変するか分からないため、夜~朝型にかけて緊急対応しなければならないのです。

当直や夜勤が続くことで生活リズムが崩れやすく、睡眠不足や疲労を感じやすくなります。また、医師の中には人手不足のために当直後に日勤をしたり、連続勤務をしたりする方もいます。

こうした無理な働き方を続けることが激務の要因にもなります。

医師が激務な理由(5)勤務時間やシフトが変動しやすい

医師は勤務時間がバラバラになりやすく、シフト制のために休日の確保もままならないケースが多いです。毎日決まった時間に出社する会社員とは異なり、急患や急変の対応が入ればいつでも出勤する可能性があります。

たとえば産婦人科のように、お産を控えている妊婦がいれば、帰宅した後でも休日でもオンコールが入ることもあります。救急科や外科等も同様です。

常に気を張っている必要があるため、精神的に休みにくくなるでしょう。

医師の労働環境

激務となる原因の1つに医師の置かれている労働環境があることが分かります。実態について、労働時間・健康状態・医療ミスといった観点から解説します。

医師の労働時間の実態について

一般的な会社に勤める会社員は、労働基準法第32条によって法定労働時間というものが定められており、「1日8時間×週5日勤務=週40時間労働」が基本です。それ以上に勤務した時間は時間外労働となり、残業代の支給対象となります。

しかし、時間外・休日労働時間が年間960時間を超える医師は、全体の21.2%も存在しており、さらに過重労働である年間1920時間を超える割合は3.7%いることが分かっています。

図表2

※厚生労働省 医師の勤務実態についてより引用

時間外・休日労働が年間1920時間ということは、月平均160時間、週40時間です。1日当たり約16時間近く働いていることになり、医師の健康状態を大きく阻害する要因となっています。

労働時間の長さについては以前から問題視されています。前述で紹介した過労死ライン「月80時間労働」を大きく上回る医師もいるため、働き方改革の実施や、各医療現場が当事者意識を持って改善に努めていく必要があります。

医師の健康状態について

2021年に日本医師会が公表している「勤務医の健康の現状と支援のあり方に関するアンケート調査報告書」で医師の就労環境や健康状況に関して、以下の結果が出ています。

図表3

※日本医師会 勤務医の健康の現状と支援のあり方に関するアンケート調査報告書より引用

図表3の結果を確認すると、時間の経過とともに改善された項目として、「自宅待機・オンコールが月8日以上」、「当直回数が月4回以上」が挙げられます。

しかし「最近1ヶ月で休日がない」、「当日直の平均睡眠時間が4時間以下」、「半年以内に不当なクレームを経験した」の3つの項目は2015年よりも数ポイント悪化しています。特に医師の4割以上は当日直時に、短い睡眠時間を強いられていることが分かります。

健康状態についても、「他の医師への健康相談あり」が全体の約6割あり、「自殺や死を毎週/毎日具体的に考える」といった辛い心境の中で働いていることが分かるポイントも上がっており、改善が求められています。

医療ミスなどの事故について

医師を取り巻く就労環境の中でも、強いストレスを感じやすい、医療ミスについても解説します。悲惨な労働環境下で働き続けることで、大なり小なり「ミス」は発生しやすくなります。

しかし、もしも医療ミスが起きてしまうと、病院側には、民事上の責任・刑事上の責任・行政上の責任を問われる可能性があります。1つのミスも許されず、患者を救うという責務を追いながら多くの業務をこなすため、常に大きなストレスにさらされています。

2012年「勤務医の勤労実態と意識に関する調査」では、患者からの訴訟リスクに対する意識とヒヤリ・ハット体験の関係性についてのアンケートが掲載されています。

図表4

※独立行政法人 労働政策研究・研修機構 勤務医の勤労実態と意識に関する調査より引用

全体の約4割の医師は訴訟リスクを感じながら働いており、特にヒヤリ・ハット体験をした際に強く感じている傾向があります。疲労感や睡眠不足からヒヤリ・ハット体験に繋がることが多く、「もし医師の健康状態が万全であれば、起こらなかった医療ミス」があるのであれば、今すぐ労働環境を改善する必要があります。

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激務の診療科ランキング

激務の勤務医の診療科を、項目別にランキング形式にして解説します。

・週あたりの労働時間の長さ
・疲労感を感じている
・睡眠不足感を覚えている
・健康不安を感じている
・宿直回数の多さ



以上5つの項目について、独立行政法人労働政策研究・研修機構「勤務医の勤労実態と意識に関する調査」を参考に作成したランキングを紹介します。

週あたりの労働時間が長い診療科

週60時間以上勤務する医師の割合が多い診療科は図表5の通りです。緊急性の高い治療が求められる診療科の方が、週当たりの労働時間が長い傾向があります。

図表5

1位外科43.1%
2位救急科41.7%
3位脳神経外科40.2%
4位小児科39.5%
5位産科・婦人科33.8%

※独立行政法人労働政策研究・研修機構 勤務医の勤労実態と意識に関する調査を基に作成

医師の不足感が高い診療科

医師不足感について、全体の68.6%が「感じる(非常に感じる+まあまあ感じる)」と回答しています。「感じない(あまり感じない+ほとんど感じない)」と回答する医師は14.2%しかいないことを踏まえると多くの医師が人手不足を感じていることが分かります。

また、診療科別に見ると、麻酔科が最も不足感を感じると回答を得ています。増加する手術量に対して人員が追いついていないことや、社会的な評価が他の専門医よりも低いことが要因です。

図表6

1位麻酔科81.7%
2位救急科77.8%
3位小児科70.7%
4位整形外科70.6%
5位呼吸器科・消化器科・循環器科70.3%

※独立行政法人労働政策研究・研修機構「勤務医の勤労実態と意識に関する調査」を基に作成

疲労感を感じている医師の割合が多い診療科

疲労感を感じる医師が多い診療科として、最も割合が高いのは救急科です。圧倒的に高い数値を出しており、7割以上の医師が疲労感と戦いながら診療現場に立っていることが分かります。

図表7

1位救急科72.3%
2位小児科66.3%
3位外科66.3%
4位呼吸器科・消化器科・循環器科64.4%
5位産科・婦人科62.6%

※独立行政法人労働政策研究・研修機構 勤務医の勤労実態と意識に関する調査を基に作成

睡眠不足感を覚えている医師の割合が多い診療科

救急科をはじめとする多くの診療科で医師の睡眠不足が発生しています。ほぼ全ての診療科で4割以上の医師が「睡眠不足である」と回答しています。

図表8

1位救急科63.9%
2位小児科52.2%
3位産科・婦人科50.4%
4位外科49.8%
5位呼吸器科・消化器科・循環器科49%

※独立行政法人労働政策研究・研修機構 勤務医の勤労実態と意識に関する調査を基に作成

健康不安を感じている医師の割合が多い診療科

自身の健康に不安を感じている医師は、トップの救急科で6割を超えていることが分かります。疲労感・睡眠不足の結果とリンクする形で多くの医師が健康不安を抱えています。
図表9

1位救急科63.9%
2位小児科54.1%
3位外科53.5%
4位呼吸器科・消化器科・循環器科51.2%
5位産科・婦人科51%

※独立行政法人労働政策研究・研修機構 勤務医の勤労実態と意識に関する調査を基に作成

宿直回数が多い診療科

宿直回数が多い診療科は図表10の通りです。また、最も宿直がない診療科は「放射線科」や「麻酔科」など、部分的に患者と接する専門的な医師が多い結果となりました。

図表10

1位救急科94.4%
2位脳神経外科78%
3位精神科75%
4位呼吸器科・消化器科・循環器科74.1%
5位外科73.9%

※独立行政法人労働政策研究・研修機構「勤務医の勤労実態と意識に関する調査」を基に作成

医師が労働環境を変えるために必要なこと

医師が労働環境を改善させるために必要なことは3つあります。大きな勤務先になればなるほど少なく、医療機関全体で協力しあう必要があります。

1人1人の意識の変化が、結果的に医療業界全体の変化へと変わるので、1つずつ確認していきましょう。

医師が労働環境を変えるために必要なこと1:労務管理方法の改善

医師の労働時間を正確に医療機関が把握していない場合があります。このようなケースでは、労務管理方法の改善が必要となります。

労務管理をエクセルやタイムカードのようにアナログな方法で管理している場合は、正確な労働状況が分かりにくくなります。労務管理システムを導入し、いつでもどこからでも打刻や申請ができる状態を作るとよいかもしれません。

医師だけではなく、看護師や事務員についても同様です。時間外労働や休日出勤などの現状を正しく把握することで、課題や問題点を見つけやすくなります。

医師が労働環境を変えるために必要なこと2:業務タスクの整理やシェア

医師が抱える業務内容を洗い出し、タスクの整理や他スタッフ、システムへのシェアの有無について考えます。まずは、医師がどのタスクに最も時間がかかり、業務を圧迫しているか知ることが必要です。

その上で、他の人にもできることはできるだけシェアしていきます。しかし「人手不足が慢性化している現場も多く、簡単に振り分けられない」ということもあるでしょう。

その場合は、効率化することができるシステムの導入も検討してみるとよいかもしれません。たとえば「電子カルテ」を導入することで患者情報をリアルタイムで全スタッフが把握でき、業務効率を上げることができます。

激務の状態だと視野が狭くなってしまい、「自分が全てこなさなければならない」と気負ってしまう場合があります。追い詰められてしまう前に、スタッフ全員で業務改善を行うとよいかもしれません。

医師が労働環境を変えるために必要なこと3:他の医療機関との連携

近隣の医療機関と連携を取りながら業務負担を軽くする方法もあります。

たとえば、地域住民には「かかりつけ医」を持つことが推奨されています。地域住民は「調子が悪いな」と思ったら、まずはかかりつけ医に相談し、詳しい検査が必要であれば大きな病院へ紹介してもらうというシステムです。

地域医療と連携を取ることで、時間をかけて診察が必要な患者に優先的に案内がしやすくなったり、大病院がキャパオーバーになることを防いだりする効果があります。このように、地域医療や他の医療機関と連携を取りながら業務分掌をしていくことが重要です。

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働き方改革で変わる医師の働き方

2024年4月から施行される「働き方改革」により医師の働き方も大きく見直されると予測されます。これまでと変わった点について労働時間・休息・指導の3つから解説します。

年間上限労働時間の規制

A~C-2に分類分けされた水準によって、年間の労働時間の上限規制が設けられます。たとえば一般労働者であるA水準の医師は、上限960時間までと決められています。

図表11

医療機関に適用する水準年の上限時間面接指導休息時間の確保
A(一般労働者と同程度)960時間義務努力義務
連携B
(医師を派遣する病院)
1860時間
(各院では960時間)
義務
B(救急医療等)1860時間
C-1(臨床・専門研修)
C-2
(高度技能の修得研修)

※厚生労働省 医師の働き方改革の制度についてを基に作成

もし、改正後に違法した場合、「6か⽉以下の懲役または30万円以下の罰⾦」が労働基準法141条によって定められています。

休息の取り方

医師の健康を守るために、適切な休息を取ることもルール化されています。

(1)始業から24時間以内に9時間の連続した休息時間を確保する
(2)始業から46時間以内に18時間の連続した休息時間を確保する
(3)休息中に、やむを得ない理由により労働に従事した場合は、当該労働時間に相当する時間の代償休息を事後的に付与する



代償休息を取ることを前提としたシフト調整なども原則禁止されており、医師が適切な休息を取りながら長く健康的に働くことが推奨されています。

ちなみに、研修医のようにC-1水準に当てはまる医師は、以下の通り休息を取るように定められています。

(1)始業から24時間以内に9時間の連続した休息時間を確保する
(2)始業から48時間以内に24時間の連続した休息時間を確保する



こちらも併せてチェックしておきましょう。

長時間勤務医師の面接指導

長時間労働が常態化している医師に対して、産業医などがカウンセリングや問診を通して心身の状況を把握し、適切な勤務指導を行うことも義務化されています。面接対象者は図表12の通りです。

図表12

労働者(高度プロフェッショナル制度適用者を除く)月80時間超の時間外・休日労働を行い、疲労の蓄積が認められる者(申出)
研究開発業務従事者労働者に加えて、月100時間超の時間外・休日労働を行った者
高度プロフェッショナル制度適用者1週間当たりの健康管理時間が40時間を超えた場合における、超えた時間について月100時間を超えて行った者

※厚生労働省 長時間労働者への医師による面接指導制度についてを基に作成

また、医師から聴取した意見を、事業者は聞き入れなければなりません。面接指導の結果についても報告を受け、5年間は保存しておく義務があります。

医師のやりがい

激務と言われる医師ですが、やりがいを感じるシーンも多いです。もし「激務ばかりで辞めてしまいたい」と悩んでいる際は、改めて医師として感じられるやりがいを考えてみるとよいかもしれません。

医師のやりがい(1)患者を救うことができる

まず、医師のやりがいとして上げられる点は、「人の命を救える」ことです。最も責任が重く、プレッシャーもありますが、それでも医師でなければ救えない命は非常に多いです。

患者の怪我や病気が治る過程を見守り、元気になっていく姿を見ることで、自分の存在意義を強く感じたり、達成感を感じやすくなったりします。

医師のやりがい(2)社会的地位が高い

医師は社会的地位の高い職業です。現在でも、憧れの職業としてあげられることが多いです。

医師としてのスキルを磨き、実績を積むことで多くの難解な治療にも携わることができます。人の命を救うことで、社会へ貢献できるため、大きなやりがいとなるでしょう。

医師のやりがい(3)高い収入が得られる

医師の平均年収は、2231万8000円(「令和4年賃金構造基本統計調査」 企業規模計(10人以上)より)です。他職種よりも圧倒的に高い収入を得られることがやりがいになっている医師も多いでしょう。

収入が多いということは、生活水準が高く、快適に暮らすことができるでしょう。そうした生活が日々のモチベーションに繋がるケースもあります。

激務な医師が転職する際の注意点

激務から転職したいと考えている際に、注意するべき点が4つあります。転職後に後悔しないように、あらかじめ把握しておくことが重要です。

激務な医師が転職する際の注意点(1)焦って転職先を決めない

普段から激務であれば転職活動に十分な時間が割けない方も多いでしょう。しかし、それを理由に焦って転職先を決めると、現状から思ったように改善しない場合があります。

激務だからこそ、慎重に次の職場を見極める必要があります。時間を見つけて企業研究をしたり、納得いくまで面談を挟んだり、「ここで良い」ではなく「ここが良い」と思える転職先を見つけましょう。

妥協して選ぶことで、結局同じようなことに悩んでしまうケースや、入社前に抱いたイメージとのギャップに苦しむ可能性があります。

激務な医師が転職する際の注意点(2)希望条件の優先順位を整理する

転職先に求める条件を洗い出し、優先順位の整理をしましょう。特に、条件が多くなればなるほど優先順位を付けておかなければ希望先が絞られ過ぎてしまいます。

優先順位を決めるとき、理想の自分を具体的にイメージすることが重要です。「3年後、5年後自分はどうなっていたいのか」を考え、今の自分に不足しているスキルや経験、働き方をピックアップします。

ピックアップした中で、大切にしたいものを決めていくとスムーズに順位付けしやすくなるでしょう。

激務な医師が転職する際の注意点(3)後ろ向きな理由で転職しない

「激務であることから解放されたい」と思えば思うほど、逃げるように転職を決めることが多くなります。しかし後ろ向きな理由で転職を決めてしまうと、いざ転職してみてから、思わぬ懸念点が出てきてしまったりします。

たとえば「給料が下がってもいいから休みたい。どこでも良いからゆったりと働ける職場に転職する」と思い、年収を200万円ほど下げて転職したとします。転職するときは下がった年収に納得していても、実際に生活してみると「やっぱり足りない」と感じたり、もっとこんな職場が良かったと希望が出てきたりすることがあります。

一度下げた年収を元に戻すのは簡単ではありません。後悔しない転職活動をするためにも後ろ向きな転職ではなく、「せっかく転職するなら、改めて転職条件を洗い出そう」と前向きに取り組むと良いでしょう。

激務な医師が転職する際の注意点(4)しっかりと情報収集する

事前に情報収集することで、納得いく転職活動が進めやすくなります。もし激務のあまり時間が取れないのであれば、転職エージェントを利用して積極的に話を聞いてみましょう。

自分の代わりに気になることを聞いてくれたり、業界のトレンドについて教えてくれたりします。他にも転職サイトの口コミ情報を見たり、知人に相談してみたり、情報を簡単に集める方法はいくらでもあります。

1人で進めようとせず、積極的に周りに頼ってみましょう。

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激務な医師が転職に成功するための3つのポイント

激務な医師が転職を成功させるために、3つのポイントを紹介します。先述で紹介した注意点と合わせて参考にしてください。

・希望条件を明確にする
・エージェントサービスを利用する
・資格を活かして異業種へ転職する

 

激務な医師が転職に成功するためのポイント1:希望条件を明確にする

転職先に求める希望条件を明確にします。まずは今の職場で不満に感じる点や激務になってしまう背景などを踏まえて「どうなったら理想的なのか」を考えてみます。

もし、現職のまま改善できそうであれば転職の必要がない可能性もあるので、じっくり考えてみると良いかもしれません。

希望条件は以下のような観点で考えてみると良いでしょう。

・勤務地
・雇用形態や働き方
・専門性の高さ
・労働環境
・ワークライフバランス
・人間関係

 

激務な医師が転職に成功するためのポイント2:エージェントサービスを利用する

激務の中、転職を1人で進めることはなかなか難しいです。そこで、医師専用の転職エージェントを利用することをおすすめします。ほとんどの転職エージェントは無料で登録することができ、担当のコンサルタントが内定まで伴走してくれます。

業界に精通しているプロのコンサルタントであれば、情報収集をしてくれたり、現状に対するアドバイスをもらえたりするでしょう。医療機関との仲介として、気になることの質問や面接日程の調整も行ってくれます。

書類添削や面接対策もしてくれるため、積極的に活用することで転職に必要なスキルを身に付けることができます。

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激務な医師が転職に成功するためのポイント3:資格を活かして異業種へ転職する

医師免許を活かし、思い切って異業種に転職するという手もあります。これまで紹介したように、医師はどのエリア・診療科でも「激務」と言われています。

そのため、異業種に転職することで、一般的な会社員と同じような働き方が実現できる可能性があります。「産業医」や「公衆衛生医師」、「医療コンサルタント」などが代表例です。

比較的ワークライフバランスを整えやすく、臨床で得たスキルや経験をフルに活かせます。臨床に未練がない方であれば、選択肢に入れてみても良いでしょう。

激務と言われる医師まとめ

医師は大きなやりがいがあり、社会的な地位も高い仕事ですが、激務であることは間違いありません。しかし、働き方改革によって労働環境の改善が見込まれ、少しずつではありますが、働きやすい環境が増えていくはずです。

医師だけではなく、関係するスタッフや医療機関がそれぞれ課題感を持ち、一緒に取り組んでいくことが重要です。日本は超高齢化社会を迎えており、今後ますます医療ニーズが増えていきます。

医師として今後のキャリアを考えながら、必要であれば転職やキャリアチェンジを考えてみてください。本記事で紹介しているように、事前準備を整え、焦らず進めていくことで納得のいく転職を成功させられるでしょう。

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出典

厚生労働省 過労死等防止啓発月間 厚生労働省 令和2(2020)年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況 厚生労働省 医師の勤務実態について 日本医師会 勤務医の健康の現状と支援のあり方に関するアンケート調査報告書 独立行政法人 労働政策研究・研修機構 「勤務医の勤労実態と意識に関する調査」 厚生労働省 医師の働き方改革の制度について 厚生労働省 医師の働き方改革(手続きガイド) 厚生労働省 長時間労働者への医師による面接指導制度について 政府統計の総合窓口(e-Stat) 賃金構造基本統計調査

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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