家計簿をつけているのに、お金が貯まらない人にありがちな3つの落とし穴
配信日: 2018.04.30 更新日: 2024.10.10
お金を貯めようと思って家計簿をつけているのに、望む成果が出なくてはつらくなってしまいますね。
家計簿を付けているのに、お金が貯まらない人が陥りがちな3つのポイントを紹介します。
Text:塚越菜々子(つかごし ななこ)
CFP(R)認定者
1級ファイナンシャル・プランニング技能士
お金の不安を賢く手放す!/働くママのお金の教養講座/『ママスマ・マネープログラム』主催
お金を貯める努力をするのではなく『お金が貯まる仕組み』づくりのサポート。保険や金融商品の販売を一切せず、働くママの家計に特化した相談業務を行っている。「お金だけを理由に、ママが自分の夢をあきらめることのない社会」の実現に向け、難しい知識ではなく、身近なお金のことをわかりやすく解説。税理士事務所出身の経験を活かし、ママ起業家の税務や経理についても支援している。
https://mamasuma.com
費目にこだわりすぎている
家計簿の費目は本来コレと決まったものがあるわけではなく、どんな種類の費目を作り、何をどの費目に入れるのかは、各家庭で柔軟に決めればいいものです。
ところが、つけ始めるときにあらかじめ費目が決められているもの、とりわけそれが細かく設定されているものを使ってしまうと、そのルールを守ることに力を必要としてしまいます。
長い期間書き続ける家計簿は、データとしてはとても有益なものですが、ただ細かくつけていればいいわけではありません。
あまり細かくつけることにこだわりすぎてストレスを感じたり、細かいルールを守り切れずにその都度いろいろなところに集計しているために、お金が貯まりにくいということもあるようです。
自動化しすぎている
スマートフォンやパソコンなどのアプリで、金融機関やクレジットカードの情報を一元化し、ほぼ自動で家計簿が作成されるサービスなどもありますね。毎日細かくつける手間が省けるので、便利に使っている人も多いのではないでしょうか。
ですが、実はこの「自動化」にはそれなりに落とし穴があります。家計簿をつけるのはレコーディングダイエットのような効果もあり「記録することで消費を意識する」効果があります。
それを何もしないで家計簿が出来上がってしまえば、特に何も考えずにただお金を使った記録を残しておくだけで、お金は貯まりません。
また、記録化しやすいということで現金の取引をなくし、なんでもクレジットカードを使用するようにしたという人もいましたが、現金に触れなくなってしまった結果、消費が増えてしまったというケースもありました。
記録を取ることにだけこだわって自動化しすぎると、うまくいかないケースもあるのですね。
つけて満足している
細かくこだわりすぎるわけではなく、自動化しているわけではなく、苦しくない範囲で長く家計簿を続けているという人もいます。「何にどのくらいお金を使っていますか?」「昨年はどれくらい貯まりましたか?」という質問に、かなり正確な数字を出してくれます。
家計簿をつけるというのは少なからず労力がかかるものですから、それを継続していくのは素晴らしいことです。ですが、いつの間にか目的がお金を貯めることから「家計簿をつけること」にすり替わってしまっているという人も見かけします。家計簿をつけることで「家計と向き合い努力している」と思ってしまう分、もう一歩先の対策が取りにくくなりがちです。
最近は、家計簿は家計管理には必須ではない、という意見も多く見かけますし、筆者もそちら寄りの意見です。
家計簿はどんなに正確であっても「過去のデータ」にすぎません。もちろん、より良い家計にしていくために過去のデータは強い味方です。ですが、お金を貯めて・増やしていくことが目的だとしたら、家計簿という「過去のデータ」のほかに、現在の財務状況である「家計のバランスシート」や未来のための「予算立て」も重要になってきます。
家計簿をつけているのにもかかわらず、思うようになっていないのだとしたら、一度「今」と「未来」のお金について向き合う時間を増やしてみるといいかもしれませんね。
Text:塚越 菜々子(つかごし ななこ)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者
お金の不安を賢く手放す!/働くママのお金の教養講座/『ママスマ・マネープログラム』主催