更新日: 2024.10.10 貯金

日本の「貯蓄格差」はどれくらい?

日本の「貯蓄格差」はどれくらい?
かつては「一億総中流社会」と呼ばれていた日本ですが、最近は「格差」というキーワードを多く見かけるようになってきています。実際にはどうでしょうか? 貯蓄という視点から格差が生じているのか見ていきます。
小山英斗

執筆者:小山英斗(こやま ひでと)

CFP(日本FP協会認定会員)

1級FP技能士(資産設計提案業務)
住宅ローンアドバイザー、住宅建築コーディネーター
未来が見えるね研究所 代表
座右の銘:虚静恬淡
好きなもの:旅行、建築、カフェ、散歩、今ここ

人生100年時代、これまでの「学校で出て社会人になり家庭や家を持って定年そして老後」という単線的な考え方がなくなっていき、これからは多様な選択肢がある中で自分のやりたい人生を生涯通じてどう実現させていくかがますます大事になってきます。

「未来が見えるね研究所」では、多くの人と多くの未来を一緒に描いていきたいと思います。
https://miraiken.amebaownd.com/

貯蓄の平均値と中央値

一般的には貯蓄は時間の経過とともに増えていきます。そのため、若い世代よりシニア世代の方が貯蓄額は多い傾向になります。金融広報中央委員会が実施した「家計の金融行動に関する世論調査(2020年)」によれば、金融資産の保有額は単身世帯と2人以上の世帯で年齢別に見ると以下のようになっています。
 
<金融資産保有世帯のみ>
 

 
<金融資産を保有していない世帯を含む場合>
 

※金融広報中央委員会 「家計の金融行動に関する世論調査(2020年)」より筆者作成
 
平均値は一部の貯蓄が多い人の数字により押し上げられる傾向があります。一方で、中央値は貯蓄の少ない人から多い人を順に並べたときに、ちょうど真ん中に位置する人の数字に近いものになります。
 
例えば、5人のグループでそれぞれが以下の金融資産を持っている場合、そのグループの金融資産の平均と中央値は以下のようになります。
 

※筆者作成
 
上記の例では、平均で比べるとEさん以外の人の金融資産は全員平均以下となってしまいます。しかし、中央値で見た場合は並びのちょうど真ん中のCさんの100万円が中央値となります。
 
家計の金融行動に関する世論調査で見た金融資産保有額の数字でも、平均の数字より中央値を参考にした方がより実感としては近いのではないでしょうか。
 

貯蓄格差がより大きい単身世帯
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