更新日: 2021.05.25 働き方

専業主婦は憧れの職業? それでも妻が働いた方がいい理由って?

執筆者 : 下中英恵

専業主婦は憧れの職業? それでも妻が働いた方がいい理由って?
若い世代では、女性が働くことが当たり前の時代となりつつあります。専業主婦になりたいと考えている女性もいるかもしれませんが、実際のところ、専業主婦の家庭と共働きの家庭は、どのくらいの割合なのでしょうか。
 
今回は、女性が働くことのメリットについても考えていきましょう。
下中英恵

執筆者:下中英恵(したなかはなえ)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者

“東京都出身。2008年慶應義塾大学商学部卒業後、三菱UFJメリルリンチPB証券株式会社に入社。

富裕層向け資産運用業務に従事した後、米国ボストンにおいて、ファイナンシャルプランナーとして活動。現在は日本東京において、資産運用・保険・税制等、多様なテーマについて、金融記事の執筆活動を行っています
http://fp.shitanaka.com/”

専業主婦と共働き世帯の割合

一昔前は、妻が家で専業主婦として働き、夫が外で仕事をするというのが日本の家庭の一般的な姿でした。しかし現在は、その家庭形態が大きく変化しています。最新の調査(※)によると、専業主婦世帯が571万世帯なのに対し、共働き世帯は1240万世帯となっており、共働きの家庭が専業主婦世帯の倍以上です。
 
専業主婦世帯と共働き世帯の世帯数が逆転したのは1995年ごろで、その後25年の間に形態は大幅に変化しました。パートや派遣社員、正社員など、雇用形態はさまざまですが、妻が働くことは、今や当たり前の時代となっているといえるでしょう。
 

専業主婦と共働き世帯の税金の違い

妻が働くと、家庭の収入が増えるというのはもちろん、さらに税金面において大きなメリットがあります。例えば、同じ世帯年収1000万円で子どもが1人いる場合で、夫だけが働いて妻が専業主婦の家庭と、夫婦共働きの家庭を比較してみましょう。
 

夫収入1000万円 妻収入0円(専業主婦)
→所得税率は最大20% 所得税額は約70万円

 

夫収入500万円 妻収入500万円(共働き)
→所得税率は夫妻それぞれ最大10% 所得税額は合計約28万円

 
同じ世帯年収1000万円にもかかわらず、夫婦共働き世帯の方が約40万円も税金が安くなります。また、子どもの児童手当や住民税においても、共働き世帯の方が負担が軽くなるのが一般的です。
 

収入だけではないメリット

妻が働くことは収入や税金だけではなく、その他にもさまざまなメリットがあります。
 

1.家庭のリスク分散ができる

専業主婦家庭の場合、夫がケガや病気で働けなくなったり、会社の倒産により解雇されてしまうと、家庭の収入がゼロになってしまうリスクがあります。
 
妻が働くことで一定の収入を確保できるため、家庭の経済的な安定を図ることができるほか、夫が感じる仕事へのプレッシャーなど精神的な負担を減らすことができます。
 

2.女性の自立につながる

妻が自分で収入を得ることができると、経済的に夫に依存することがなくなります。専業主婦の場合、収入がなく、将来の生活に不安を感じるため、例えば家庭にDVなどの問題があっても、なかなか離婚をすることができません。
 
一方、妻が自分で働いていれば、離婚したとしても自立して生計を立てることも可能です。
 

3.子育て後のキャリアアップにつながる

子どもが小さいうちは、仕事を休んでいる妻も多いですが、子どもはいずれ成長し独立します。妻が長い間仕事を休んでいる場合、特別な資格などがないと、子育てが終わった後に高いポジションで仕事に復帰するのは困難です。
 
業務時間を減らしたり、業務内容の見直しをしながらも、子育て期間中に仕事を続けることで、その後のキャリアアップにもつなげることができるでしょう。
 
妻が仕事をしながら、子育てや家事を全てこなすことは大変な負担となります。それでも妻が働くことで、お金の面はもちろん、家庭にとって良いことがたくさんあります。夫婦共働き世帯は、夫も妻が働くことのメリットを理解し、子育てや家事をしっかり分担することが何よりも大切です。
 
今回の記事を参考にしながら、専業主婦や共働きなど、家族の働き方や家事の協力体制について見直してみてはいかがでしょうか。
 
参考
(※)独立行政法人 労働政策研究・研修機構 図12 専業主婦世帯と共働き世帯
 
執筆者:下中英恵
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者

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