更新日: 2022.05.09 働き方

テレワークで地方創生? 交付金がもらえるって本当?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部 / 監修 : 高橋庸夫

テレワークで地方創生? 交付金がもらえるって本当?
「地方創生テレワーク」の推進が、官民一体となって行われています。
 
テレワークの普及は、ICT基盤が整っていれば、働く場所や住む場所といった制約がなくなること、それによる労働環境の改善につながること、また雇用において優秀な人材を全国から集めやすくなること、といった利点があるといわれています。
 
ここでは、「地方創生テレワーク」とそれに関連する補助金などの制度についてみることにします。
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執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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高橋庸夫

監修:高橋庸夫(たかはし つねお)

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住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。

「地方創生テレワーク」は、政府が推進している新しい働き方と地方の活性化を支援する施策です!

新型コロナウイルス感染症の全国的な感染拡大が契機となり、都市部で暮らす若い労働者の中で、ICT(情報通信技術)を利用した働き方による地方への移住が話題となっています。
 
政府が経団連と連携して推し進めている「地方創生テレワーク」では、現在勤めている会社を辞めずに地方へ移住することや、東京にオフィスを構える企業の地方サテライトオフィス設置の推進など、都市部から地方への人の流れを作り、過疎化対策、雇用や新規ビジネスの機会創出といった地方活性化に貢献することを、目的としています。
 
この流れにのって、従業員の居住地を問わずに雇用するために、最新のICTに基づく業務環境の導入・整備を始めた企業も多くある状況です。
 
この「地方創生テレワーク」の普及を進める取り組みについては、優れた取り組みを行った企業を表彰する「地方創生テレワークアワード(地方創生担当大臣賞)」の実施や、「地方創生テレワーク推進セミナー」として普及活動であるウェビナーの開催など、内閣府の地方創生テレワークのホームページでみることができます。
 
このように、「地方創生テレワーク」の経営層や社内への理解の促進、テレワーク可能な環境の整備により、地方でも東京と同じように仕事ができることの認識を広める活動が、官民挙げて行われています。
 

「地方創生テレワーク」の推進を後押しする交付金・補助金などについて

「地方創生テレワーク」の推進については、テレワーク環境の整備を進める企業を支援する目的の交付金や補助金制度が整備されています。
 
代表的なものは、都道府県や市町村といった地方公共団体に向けた「地方創生テレワーク交付金」で、これは、国が自治体によるサテライトオフィスの開設・整備やプロモーション等に掛かる費用を支援することと、自治体がサテライトオフィスに進出する企業に事業費を助成することを目的としています。
 
また、独立行政法人中小企業基盤整備機構では、「中小企業生産性革命推進事業」として、「サービス等生産性向上IT導入支援事業(IT導入補助金)」を行っています。
 
この事業は、新型コロナウイルス感染症拡大により、事業活動に影響が出ている中小企業や小規模事業者における、生産性向上に寄与する設備投資やICT導入の支援を、複数年にわたって実施することを目的としたもの。
 
さらに、厚生労働省の雇用関係助成金の一つである「人材確保等支援助成金(テレワークコース)」は、テレワーク勤務を新規導入、あるいは試行的に導入して、人材の確保や雇用環境の改善を推進した中小企業を対象に助成することを目的としています。
 
これらの交付金や補助金の制度が整備されることで、「地方創生テレワーク」を推進する企業や団体の増加が期待されるでしょう。
 
また、それに応じて、労働者が住む場所や働く場所を自由に選べるようになることで、多様な働き方の実現につながることも期待されています。
 
このことから、企業の人材確保においては、地域に縛られず優秀な人材を集めやすくなり、また離職率の低下にもつながるといった利点があります。
 

「地方創成テレワーク」は、地方においても、企業においても良い効果が期待される

テレワーク推進は今に始まったことではありませんが、この新型コロナウイルス感染症の拡大をきっかけに、普及が進んでいる状況です。
 
またICTの進展により、業務内容によっては、テレワークでどこでも働ける状況となっています。
 
「地方創成テレワーク」による官民一体となった取り組みや、各種補助金などの制度により、地方にサテライトオフィスができ、働き手が場所に縛られず働ける環境が整えられてきていることから、今後も働き方の変化が進むことが想定されます。
 
閉塞(へいそく)感のある日本において、新しい働き方の導入がさらに進み、労働者にとって良い変化が起こることが期待されます。
 

出典

内閣府 地方創生推進室 地方創生テレワーク交付金について
独立行政法人中小企業基盤整備機構 IT導入補助金について
厚生労働省 人材確保等支援助成金(テレワークコース)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:高橋庸夫
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