更新日: 2024.10.10 働き方
平均年収未満の会社員こそ副業すべき意外な理由。そのメリットを解説
ここでは、平均年収未満の会社員が副業をするメリットを紹介します。
執筆者:北川真大(きたがわ まさひろ)
2級ファイナンシャルプランニング技能士・証券外務員一種
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証券外務員一種
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会社員の平均年収
まずは会社員の平均年収を計算してみましょう。毎月の賃金については、厚生労働省の調査で算出されている図表1の通りです。
【図表1】
平均賃金 | 年間賃金(平均賃金×12) | |
---|---|---|
男女計 | 30万7400円 | 368万8800円 |
男性 | 33万7200円 | 404万6400円 |
女性 | 25万3600円 | 304万3200円 |
※厚生労働省 「令和3年賃金構造基本統計調査 結果の概況」より筆者作成
年間の平均賃金は約370万円となります。なお、平均賃金にはボーナス(賞与)が含まれていないため、実際の平均年収はボーナスを加算した金額となります。
2021年の年末賞与は、厚生労働省の調査によると平均31万4149円で、年間2回同じ金額が支給されるとすると62万8298円となり、図表1の年間賃金(男女計)に加算されます。
賃金と賞与を合計した平均年収は、431万7098円です。
平均年収未満の会社員が副業をするメリット
会社員の副業は、収入が増えるという分かりやすいメリットがありますが、収入が少ない人特有のメリットもあります。収入が平均未満の会社員が副業をする利点は、2つです。
確定申告で払いすぎた税金が返ってくる
会社員が副業をする場合、YouTubeをはじめとした海外企業との取引なら源泉徴収されませんが、国内企業との取引は必ず源泉徴収されます。
副業の源泉徴収は、大半が報酬・料金等の源泉徴収に分類され、税率は図表2の通りです。
【図表2】
報酬・料金等の源泉徴収税率 | |
---|---|
100万円を超えない部分 | 10.21% |
100万円を超える部分 | 20.42% |
※国税庁 「令和4年版 源泉徴収のあらまし」より筆者作成
少なくとも副業収入の10.21%は徴収され、残りの金額が報酬として手元に残ります。
確定申告をしない場合は、源泉徴収された金額は1円も返ってきません。一方、確定申告をする場合は、所得に応じた税率で計算し直され、源泉徴収で払いすぎた税金は返ってきます。
副業収入は、開業届を出していない会社員は雑所得として計算され、給与所得と合算されて所得税が課されます。所得税は、課税される前に差し引かれるもの(控除されるもの)があり、会社員全員に適用される控除は基礎控除、社会保険料控除、給与所得控除の3つです。
社会保険料控除は勤め先により異なるので、源泉徴収票にある社会保険料等の金額を確認しましょう。基礎控除と給与所得控除は簡単に計算できます。年収360万円の会社員は、基礎控除が48万円、給与所得控除が116万円です。
社会保険料控除は支払った社会保険料全額が控除されるため、年収360万円なら課税対象となる所得金額は195万円未満となり、所得税率は5.105%しかかかりません。源泉徴収された10.21%は払いすぎになるので、差額にあたる5.105%分は確定申告後に還付金として返ってくるのです。
なお、副業で稼いだ金額によって所得税率は上がる場合がありますが、副業による所得は経費の計上が認められています。たとえば、副業をするために購入したパソコンなどの備品は、経費として副業収入から差し引くことができます。
そのため、よほど副業で稼がない限り所得税率は上がりません。
転職や独立がしやすい
平均年収未満の会社員は、給与が安いので限られた収入の中でやりくりしています。そのため、副業で月5万円でも稼げれば、スキルを生かし今より残業やストレスの少ない会社へ転職するのも可能でしょう。未経験の職種でも、高収入の会社員と比べて給与の減少幅は少ないはずです。
ある程度の貯金があれば、副業をきっかけに独立して生計を立てることも不可能ではありません。生活費には個人差がありますが、月20万円程度の収入があれば独身の一人暮らしなら十分といえます。
年収の低い会社員こそ副業をやってみよう
低収入は一般的にデメリットといわれがちですが、考え方次第ではメリットにもなります。副業なら会社の評価とは全く関係ないフィールドで勝負できるので、自分では思ってもいなかった能力を見つけられる可能性もあります。
副業は、仮に失敗しても稼げなかっただけで終わります。リスクは低いので、思い切ってチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
出典
厚生労働省 モデル就業規則
厚生労働省 令和3年賃金構造基本統計調査 結果の概況
厚生労働省 毎月勤労統計調査 令和4年2月分結果速報等
国税庁 令和4年版 源泉徴収のあらまし
執筆者:北川真大
2級ファイナンシャルプランニング技能士・証券外務員一種