更新日: 2022.08.15 家計の見直し

気になる「新」電力会社の普及率は?切り替えたら年間いくらお得になる?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

気になる「新」電力会社の普及率は?切り替えたら年間いくらお得になる?
2016年4月以降、電力の小売りが全面自由化されました。それに併せて多くの新しい電力会社が事業を開始し、誰もが自由に電力会社を選べるようになりました。「お得になるのであれば、電力の切り替えを検討したい」と考えている人も多いのではないでしょうか。
 
そこで今回は、新電力会社の普及率と、切り替えた場合に年間どれくらいお得になるのかを詳しく解説します。
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新電力会社の普及率はどれくらい?


資源エネルギー庁が発表した資料によると、全販売電力量に占める新電力のシェアは2020年6月時点で約17.8%、2022年3月時点では約21.3%です。そのうち、家庭等を含む低圧分野のシェアは約19%、約23.4%となっています。5件に1件から4件に1件が新電力に切り替えつつあります。シェアの推移を見ると2017年にはわずかに5%程度であったのが2018年には約9%、2019年には約13%と着々とシェアを拡大しています。
 
地域別に見ると、東京は30%、関西、北海道でシェアが20%を超えています。こうしたことに伴って新電力会社の数も年々増加しており、2016年には全体で199社だった事業者の登録数は、2022年6月時点で738社と3倍以上になっていますが、燃料高騰の影響でピーク時(2022年1月調査で744社)に比べて微減している状況です。
 
このうち供給実績のある事業者数は2016年の199社から2022年3月時点で583社、さらに低圧分野では50社から509社に増加しています。
 

新電力に切り替えたらどれくらい電気代が安くなる?

新電力に切り替えることのメリットとしてまず挙げられるのは、電気料金が安くなることです。各新電力会社は大手電力会社との価格競争に勝つために電気料金を安く設定していることが多いです。
 
例えば、大手電力会社である東京電力エナジーパートナーの「従量電灯B」と新電力であるLooopでんきの「おうちプラン」を比較した場合、4人家族で電力使用量が毎月550kWhであれば、新電力の方が年間で約5000円安くなるように料金を設定しています。
 
ただし、燃料高騰の影響で新電力会社でも従量料金の値上げや燃料費調整制度の上限価格を撤廃する発表が相次いでおり、大手から新電力への切り替えが実際に安くなるのか、最新情報を基に検証する必要があります。
 
新電力会社にはさまざまな業種から企業が参入しています。そのため、電気と別のサービスをセットで契約することによって割引サービスを受けられる可能性もあるでしょう。例えば、ガス事業者が行っている新電力サービスの場合、ガスと電気をセットで契約することでガス代と電気代の両方を節約できるというようなものです。
 
さらに、事業者によっては電気料金に合わせてコンビニやスーパー、ファストフード店などで使用できるポイントを付与していることもあります。
 
新電力会社が電気代を安く設定できる理由の1つは、設備投資がかからないことにあります。大手電力会社の電気料金には、発電所や送配電網の設置や運用にかかるコストも含まれています。しかし、新電力は既にあるそうした送配電設備を利用して送配電を行います。そのため、発電所や送配電網の設置や運用にかかるコストを含まない料金設定ができるのです。
 
ただし、条件によっては新電力に切り替えたことで逆に電気料金が高くなってしまうこともあるので注意が必要です。例えば、電気料金プランが市場連動型であった場合、電力の卸価格が高騰すると電気料金も高騰してしまいます。料金プランを確認する際には、こうしたリスクにしっかりと対応しているかどうかをチェックすることが大切です。実際、燃料高騰の影響で新電力会社は2022年春以降、料金改定を行っています。
 

電気代を節約したいなら新電力を検討しよう!

電力自由化以降、新電力の普及率は年々高まってきています。多くの人が大手や新電力を含めたさまざまな電力会社の中から自分に合った電力の調達方法を選んでいます。
 
もしも電気代を少しでも安くしたいというのであれば、新電力への切り替えを検討してみるのも1つの方法です。ただし、中には市場の動向によって電気代がむしろ高くなってしまう料金プランもあります。新電力に切り替える際には料金プランをしっかりチェックしましょう。
 

出典

経済産業省 電力の小売全面自由化って何?
資源エネルギー庁 電力・ガス小売全面自由化の進捗状況について(2022年7月20日)
楽天エナジー株式会社 【重要】「楽天でんき」料金改定のお知らせ
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 

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