更新日: 2022.08.19 働き方

転職先は「裁量労働制」!残業代なしで「定額使い放題」されないために見るべきポイントとは?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

転職先は「裁量労働制」!残業代なしで「定額使い放題」されないために見るべきポイントとは?
企業によっては「裁量労働制」が導入されているケースもあります。転職先で初めて聞いたという場合は、実際にどのような制度なのか分かりにくいかもしれません。メリットがある反面デメリットも多く、中でも注意しておきたいのが残業代です。
 
今回は「裁量労働制」の基礎知識と、"定額使い放題”されないために見ておくべきポイントを紹介していきます。
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「裁量労働制」とは?

厚生労働省は、裁量労働制とは「業務の性質上、業務遂行の手段や方法、時間配分等を大幅に労働者の裁量にゆだねる必要がある業務として厚生労働省令及び厚生労働大臣告示によって定められた業務の中から、対象となる業務を労使で定め、労働者を実際にその業務に就かせた場合、労使であらかじめ定めた時間働いたものとみなす制度(厚生労働省のホームページより抜粋)」としています。
 
つまり、会社側が時間配分を指示することが難しい業務に対して「みなし労働時間制」を設定するという制度のことです。なお「裁量労働制」は大きく2種類に分かれています。
 
1つめは「専門業務型裁量労働制」、そして2つめは「企画業務型裁量労働制」です。それぞれ、どのような業務が対象になっているのか見ていきましょう。
 

・「専門業務型裁量労働制」に該当する19業務

(1)新商品や新技術の研究開発または人文科学や自然科学に関する研究業務、
(2)情報処理システム業務、
(3)新聞や出版に関する取材や編集業務(テレビとラジオも含む)、
(4)衣服や広告などデザイン業務、
(5)放送番組や映画のプロデューサーまたはディレクター業務、
(6)コピーライター業務、
(7)システムコンサルタント業務、
(8)インテリアコーディネーター業務、
(9)ゲーム用ソフトウエア創作業務、
(10)証券アナリスト業務、
(11)金融商品開発業務、
(12)大学における教授研究業務、
(13)公認会計士の業務、
(14)弁護士の業務、
(15)建築士の業務、
(16)不動産鑑定士の業務、
(17)弁理士の業務、
(18)税理士の業務、
(19)中小企業診断士

の業務が該当します。
 

・「企画業務型裁量労働制」に該当する業務と事業場

「企画業務型裁量労働制」は、事業運営上において重要な決定が行われる企業の本社などで企画や立案、調査及び分析に携わる労働者が対象です。該当する事業場は本社または本店などで、指示を受けて営業活動などを行う支店のような場所は対象になりません。企業の運営そのものに影響を及ぼす計画の決定を行っている事業場で導入が可能です。
 

「定額使い放題」されないためのポイントは?


 
「裁量労働制」は、雇用側が一方的に導入できるものではありません。必ず労使協定で定め、その上で様式13号において所轄の労働基準監督署長に届け出ることが原則となっています。
 
ここで注意しておきたいのは「残業代」です。法定労働時間は1日に8時間であり、雇用側は1週間に40時間を超える労働をさせてはいけないことになっています。そのため「みなし労働時間制」が8時間を超えて設定されている場合は、残業代が発生します。
 
深夜や休日についても同様です。法定休日や深夜(夜10時~翌朝5時)に業務を行ったときは、その分の手当が必要になります。これらの規定については、就業規則に盛り込んでおくことが原則となっています。
 
また「裁量労働制」の導入には、該当する労働者の同意も必要です。残業代なしで使い放題にされないためには、就業規則を確認し、入社の際に説明と同意を求められたときはきちんと確認しましょう。
 

「裁量労働制」でも残業代は発生する

「裁量労働制」で働く場合は「みなし労働時間制」が設定されます。ただし、法定労働時間を超えた場合は残業代が発生します。通常「裁量労働制」の導入は労働者の同意が必要なため、入社の際はきちんと確認することがポイントです。実際に入社してから残業代が支払われないといったことがあれば、所轄の労働基準監督署に相談することを念頭に置きましょう。
 

出典

厚生労働省 裁量労働制の概要
厚生労働省 労働時間・休日
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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