残業代の基本的な計算方法。1時間の平均はどれくらい?

配信日: 2022.08.31 更新日: 2024.10.10

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残業代の基本的な計算方法。1時間の平均はどれくらい?
ご自身の残業代が幾らかをご存じでしょうか。残業代が家計に与える影響は少なくありません。残業をすれば、それだけ収入は増えるからです。
 
残業をすることを前提に、資金計画を立てている方もいらっしゃるのではないでしょうか。とはいえ、残業代をきちんと把握している方は少ないと思います。
 
本記事では、残業代の基本的な計算方法と、1時間当たりの残業代の計算方法について解説します。本記事を読むことで、ご自身の残業代が1時間当たりおよそ幾らかを把握することができるようになります。
中村将士

執筆者:中村将士(なかむら まさし)

新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー

私がFP相談を行うとき、一番優先していることは「あなたが前向きになれるかどうか」です。セミナーを行うときに、大事にしていることは「楽しいかどうか」です。
 
ファイナンシャル・プランニングは、数字遊びであってはなりません。そこに「幸せ」や「前向きな気持ち」があって初めて価値があるものです。私は、そういった気持ちを何よりも大切に思っています。

残業代の基本的な計算方法


 
残業代の基本的な計算方法は、以下のとおりです。

残業代=1時間当たりの賃金×(1+割増率)×労働時間

「1時間当たりの賃金」は、月給制の場合、以下の計算式で算出します。
 
{(定期的に決まって支払われるすべての賃金) -(一定の手当など)}/(1ヶ月当たりの所定労働時間)
 
「定期的に決まって支払われるすべての賃金」とは、基本給と諸手当です。ただし、「一定の手当など等」は、ここから除外しなければなりません。「一定の手当など等」には、家族手当、通勤手当、別居手当、子女教育手当、住宅手当などが該当します。
 
「割増率」は、労働基準法により規定があります。内容は以下のとおりです。

図表1

 
出典:東京労働局 「しっかりマスター 労働基準法 割増賃金編」
 

1時間当たりの残業代の具体的計算

残業代の基本的な計算方法を再掲します。

残業代=1時間当たりの賃金×(1+割増率)×労働時間

労働条件を以下のように仮定して、1時間当たりの残業代を計算してみます。

勤務形態 月給制
勤務時間 9時から18時まで
(1時間の休憩あり、実質8時間)
休日 土日祝日
定期的に決まって支払われるすべての賃金から一定の手当を除いた金額 20万円
1ヶ月当たりの所定労働時間 160時間(=8時間×20日)
その月の時間外労働時間 30時間(深夜労働を含まない)

まずは、1時間当たりの賃金を計算します。すると、以下のようになります。
 
1時間当たりの賃金= 20万円/160時間 = 1250円
 
時間外労働時間を30時間と仮定すると、割増率は「25%」となります(前掲の表を参照)。1時間当たりの割増賃金を計算すると、以下のようになります。
 
1時間当たりの割増賃金=1250円×(1+0.25)=1562.5円
 
1562.5円が、1時間当たりの残業代となります。ちなみに、残業代は4万6875円(=1562.5円×30時間)となります
 
仮に、深夜労働を4時間行っていたとします。1時間当たりの割増賃金(時間外+深夜)を計算すると、以下のようになります。
 
1時間当たりの割増賃金(時間外+深夜)=1250円×(1+0.25+0.25)=1875円
 
時間外労働を30時間、深夜労働を4時間行ったときの1時間当たりの残業代は、以下のように計算します。
 
1時間当たりの残業代= (1562.5円×30時間+1875円×4時間)/(30時間+4時間)≒ 1599円
 

まとめ

本記事では、残業代の基本的な計算方法と、1時間当たりの残業代の計算方法について解説しました。これらを理解すれば、あなたが残業をしたとき、1時間当たりいく ら収入が増えるのかを把握することができます。
 
このことは、あなたがワーク・ライフ・バランスを保つことにも貢献するかもしれません。なぜなら、がむしゃらに残業をする必要がなくなるかもしれない可能性があるからです。
 
残業代はが家計にとって無視できない要素かもしれませんがであっても、残業代それが収入に与える影響を知ることで、残業を減らし家族との時間を今より増やせるすという選択ができるかもしれません。
 
本記事の内容が、あなたの生活に良い影響を与えられたら幸いです。
 

出典

東京労働局 「しっかりマスター 労働基準法 割増賃金編」
労働基準監督署対策相談室 「間違いやすい割増賃金」
厚生労働省 「割増賃金を計算する際の基礎となる賃金は何か。」
e-Gov法令検索 「労働基準法」
 
執筆者:中村将士
新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー

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