みんなの職場の「手当」はどうなっている? 配偶者や子どもに関する手当や住宅手当、通勤手当など気になる項目をチェック!
配信日: 2022.09.23 更新日: 2024.10.10
実際、世間のみなさんの配偶者に関する手当や子どもに関する手当などはどのようになっているのでしょうか。20歳~59歳の働く男女1000名を対象に行われた、日本労働組合総連合会による「夫婦別姓と職場の制度に関する調査2022」の結果を確認してみます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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配偶者手当や子ども手当。出ていない人は意外と多い?
家計に少なからず影響するのが、会社の福利厚生です。まずは気になる配偶者に関する手当について見てみましょう。正社員、非正規雇用に関わらず一律で支給されるという人は、およそ20.6%。雇用形態によって金額が変わるものの、支給はされるという人が9.6%。
一方で、正社員には支給されるけれど非正規雇用には支給されないという人は10.7%でした。雇用形態によって変わるかどうか把握していないけれど支給されているという人も含め、「勤務先に配偶者手当がある」という人はおよそ6割という結果になりました。逆に考えると、残りの4割の人は勤務先に配偶者手当が存在しないという状況。割合としては意外と大きいですよね。
また、子どもに関する手当についても、割合は上記の配偶者手当と同じような分布に。子どもに関する手当があるというのが全体でおよそ6割という点からも、配偶者手当と子ども手当は制度の有無の状況が非常に似ているといえます。
さらに、住宅手当については半数強、通勤手当についてはおよそ85.3%が「手当がある」と回答。「通勤するんだから定期代が出るのは当たり前」と思う人も多いかもしれませんが、85.3%の内訳を見てみると、「全員に支給される」は49.0%。「雇用形態によって金額が変わる」が10.4%、「非正規雇用には支給されない」はおよそ5.1%でした。
少数派とはいえ、雇用形態によって交通費の支給に差があるというのはなんだかモヤっとしてしまいますね。
さて、職場に制度があるという人のうち、実際に手当を受給しているという人はどれくらいいるのでしょうか。これは男女でだいぶ差があり、配偶者手当に関しては男性が46.0%、女性が15.1%。子どもに関する手当については男性が48.4 %、女性が18.8 %でした。
住宅手当になると、男性が55.8%、女性が34.1%。通勤手当は男性が88.2%、女性が82.7%で、男女差が少なくなっています。人生の選択肢が多様化する現代ですが、男性が外で働き、女性は家事育児などを行っていた時代の名残として、手当の受給に関する男女差にもつながっていると考えられ、今後の是正が期待されます。
各手当の支給条件は?
では、気になる支給条件を見てみましょう。(「わからない」回答除く・複数回答)
配偶者手当の支給条件のTOP3は、「婚姻届を提出している」が39.9%でおよそ4割と突出しており、次に「世帯主だと支給される」が10.2%、「主たる生計維持者だと支給される」が8.9%という結果でした。
婚姻届を提出することが条件であると、事実婚であったり、同性パートナーであったりする場合は手当の対象外ということになります。時代が変わりゆくなか、この支給条件もどんどん変化し、より多くの人が受給できるような仕組みになるといいですよね。
ちなみに配偶者の収入条件については、「配偶者の年収103万円以下」が19.6%、「130万円以下」が11.1%、「150万円以下」が2.5%になりました。はっきりと「配偶者の年収に関係なく支給される」と回答した人は15.7%にとどまる結果になりました。なんらかの収入条件がある人のほうが圧倒的に多いということがわかります。
子ども手当の支給条件TOP3は、こちらも「婚姻届を提出している」が31.3%。そして「世帯主だと支給される」が12.4%、「主たる生計維持者だと支給される」が11.9%でした。住宅手当の条件TOP3については、「世帯主だと支給される」が21.7%、「婚姻届を提出している」が20.2%、「主たる生計維持者だと支給される」が12.4%でした。
こう見ると、配偶者手当・子ども手当・住宅手当を受けるには、婚姻届の提出がひとつの目安になっている企業が多い印象ですね。さまざまな考え方から事実婚を選んでいる人や、制度の問題などで婚姻届を提出できない人にとっては、不利な状況といえるでしょう。
この調査から、企業の各種手当の実情が少し垣間見えた気がします。婚姻の形態や雇用の形態、そして性別に関わらず、多くの人が平等に手当を受けられるよう、徐々に制度が変わっていくことに期待したいですね。
出典
日本労働組合総連合会 夫婦別姓と職場の制度に関する調査2022
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部