更新日: 2024.10.10 家計の見直し
無駄遣いをなくすにはどうしたらいい? 長期的なお金との付き合い方とあわせて解説
執筆者:仁木康尋(にき やすひろ)
日本FP協会CFP(R)認定者、国家資格キャリアコンサルタント
人事部門で給与・社会保険、採用、労務、制度設計を担当、現在は人材会社のコンサルトとして様々な方のキャリア支援を行う。キャリア構築とファイナンシャル・プランの関係性を大切にしている。
ライフデザイン:人生を俯瞰(ふかん)する
買い物や趣味など、お金を消費することはストレス発散にもなりますし、楽しいですよね。生活に潤いをもたらすこともあります。自分へのご褒美として高額品を購入したり、ちょっとぜいたくな旅行をしたりするなど、思い切った出費をすることもあるでしょう。
趣味や娯楽にお金を使うことは、明日から仕事を頑張るための原動力にもなりますが、つい予算以上の出費をしてしまったという経験を繰り返している方は要注意です。お金の使い方の傾向として、場当たり的な可能性があるので、将来苦労するかもしれないからです。
衝動買いや予算以上の出費の傾向がある方は、長期的な視点に立って自分の人生を俯瞰(ふかん)してみると、お金に対する向き合い方が変わるかもしれません。まずは、将来にわたり「ありたい姿」を想像することから始めてみましょう。例えば、仕事、結婚、住宅、家族、趣味、娯楽、学び直し、老後というテーマについて考えてみてはいかがでしょうか。
人生を俯瞰し将来に向けたライフデザインがイメージできると、意識は将来に向けられて、自然とお金を将来のために生かそうと考えるようになるかもしれません。
マイルストーン:ありたい姿を見える化をする
ありたい姿が想像できたら、次はイメージを具体化させるために見える化をしていきます。いつ頃に、どの程度の内容を実現したいのかについて、時間軸と程度の両面から具体的にします。
例えば
●20代後半に米国公認会計士の資格を取得して専門職として転職をしたい
●30代前半にハワイで家族だけで結婚式をやりたい
●30半ばには、都会で中古の一戸建てをリノベーションして住みたい
●65歳で仕事の第一線から離れ、今までの経験などを社会貢献につなげていきたい
●65歳までに老後資金として2000万円を確保しておきたい
このように、自分の人生の時間軸の中に、ライフイベントの位置付け(マイルストーン)を行っていきます。時間軸は大まかでも結構です。
キャッシュマネジメント:資金計画を立てる
ライフイベントによっては、一時的にまとまったお金が必要になるものがあります。
ではここで、どの程度必要になるのか見積もってみましょう。ライフイベントの時期と予算が具体的になってくると、逆算して今から毎年いくら積み立てる必要があるのか、そのためにボーナスと毎月の給料からいくら積み立てる必要があるのか明確になってきます。
例えば、5年後にハワイで結婚式を挙げるという計画があり、その資金を300万円と見積もったとします。5年間で300万円ですから 300万円÷5年=60万円 毎年60万円ずつ結婚資金として積み立てていくことになります。毎月定額を積み立てるとすると月5万円です。ボーナスと併用することも考えられます。
このように、将来の出費のために資金計画を考えるだけで、お金を将来のために有効に計画的に遣おうとする意識が自然と芽生えるようになるかもしれません。
まとめ
上記のような行動によって将来に目を向け、「今」のお金を管理しようとする意識を持つことが無駄遣いの予防につながるかもしれません。
また、「消費する」という考え方から「お金を生かす」という考え方に発展することもあります。
例えば、老後資金などのように20年、30年後のための資産形成をする場合、毎年36万円を30年間単純に貯金した場合(金利はなしと仮定)は36万円×30年間=1080万円ですが、毎年36万円を積み立てて年2%の複利で30年間運用すると、36万円×40.56(年2%複利、期間30年の年金終価係数)=1460万円になります。
このように、「お金を生かす」つまり「お金に働いてもらう」という選択肢もあるでしょう。自分の生活や将来を俯瞰し、資金計画を立てたら、資産運用も視野に入れてみましょう。
出典
日本FP協会 年金終価係数表
執筆者:仁木康尋
日本FP協会CFP(R)認定者、国家資格キャリアコンサルタント