更新日: 2023.02.13 家計の見直し
物価高騰で会社員の「お小遣い」が目減り! どんな対策をすべき?
本記事では会社員のお小遣いの平均額から過去の推移、物価上昇率を踏まえた上での今後の対策を解説していきます。
執筆者:辻本剛士(つじもと つよし)
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士、宅地建物取引士、証券外務員2種
活動拠点は神戸。FP個別相談や、プロスポーツ選手の資産形成サポートも行っております。プロスポーツ選手に保険、資産運用、支出の見直しなど包括的なアドバイスや、帳簿などの面倒な記帳業務を代行し、本業に集中できる環境作りをサポートします。
お小遣いの平均額と推移
株式会社SBI新生銀行が発表した「2022年 会社員のお小遣い調査」によれば、男性会社員のお小遣いの平均額は3万8642円、女性会社員の場合は3万3278円という結果となりました。 同調査によると、過去のお小遣いの推移は男性会社員の場合は2010年以降、金額で大きな変化は見られないとも公表しています。
お小遣いの使い道
お小遣いの使い道として必要不可欠な項目について、男性の1位から10位を図表1で確認します。
図表1
株式会社SBI新生銀行 「2022年 会社員のお小遣い調査」結果より筆者作成
男性の場合、1位は昼食代が42.5%で金額は平均9496円、2位は27.0%の携帯電話代で平均5550円、3位は21.7%の嗜好(しこう)品代で平均1万0378円となっています。
続いて、女性の1位から10位を図表2で確認します。
図表2
株式会社SBI新生銀行 「2022年 会社員のお小遣い調査」結果より筆者作成
女性の1位は昼食代が34.7%で平均7588円、2位は33.3%の身だしなみ費用で平均8393円、3位は30.8%の携帯電話代で平均5691円となりました。男性と比べて身だしなみやファッションなどに費用がかかっていることが分かります。
物価高騰でお小遣いは実質減っている
ここからは、2020年を基準にどれくらい物価が上昇したかを確認します。
総務省統計局が発表した「2020年基準 消費者物価指数」によると2022年(令和4年)12月の消費者物価指数は前年同月比約4%上昇と発表されています。4%だけ? と感じた人も多いのではないでしょうか。肌感覚的には4%以上に感じる人もいるでしょう。
その理由には、生活に直結する「電気、ガス、ガソリンなどのエネルギー」や「生鮮食品を除く食料」が大きく上昇したことが挙げられます。2022年(令和4年)12月の電気、ガス、ガソリンなどのエネルギーにおける前年同月比は15.2%上昇。生鮮食品を除く食料は7.4%上昇。
男女ともお小遣いの使い道10位までに「昼食代」「ガソリン代」「飲み代」と3項目も入っているので、今回の物価上昇は家計だけでなくお小遣いにも大きな影響が出てくるといえます。
実質減ってしまったお小遣いの対策はある?
仮にお小遣いが実質10%目減りしたと想定すると、男性会社員の平均お小遣い額は3万8642円なので、月に約3800円も減ってしまいます。女性会社員の場合は平均3万3278円なので、月に約3300円減ることになります。
次からは目減りしてしまったお小遣いを最大限活かすにはどうすべきかを解説していきます。
支出の見直しをする
まずは、昼食代と携帯電話代から見直すことをお勧めします。男性の場合で見ていくと、今回の調査結果では昼食代の平均が9496円、携帯電話代の平均が5550円となっています。
昼食代の平均9496円は20日勤務とした場合、1日当たり約475円です。この昼食代をお弁当の持参に切り替えてみてはいかがでしょうか。例えば、月に8日を自宅からお弁当を持参すれば、475円×8日=3800円となり、目減りした分を取り戻せます。
携帯電話代の場合、大手キャリアを利用している人は格安スマホに乗り換えれば数千円は浮かせられるでしょう。また男女ともに、「車関係・ガソリン代」がお小遣いの使い道10位までに入っているので、維持費の低い車に乗り換えたり、車を売却してカーシェアリングを利用したりすることも支出の見直しになります。
副業をする
副業をすることも1つの選択肢です。勤めている会社によって副業が禁止されていることもありますが、3800円分を副業で稼ぐのであれば月に1回か2回ほどの副業で済みそうです。副業をする場合は本業の仕事がメインなので、無理のない範囲で行いましょう。
家計全体の見直しをする絶好の機会です
ここ数年、会社員のお小遣いに大きな変化がみられていないにもかかわらず、物価高の影響でお小遣いは実質目減りしているのが現状です。しかし、お弁当を持参したり、格安スマホに乗り換えたりと、工夫して支出を抑えれば物価上昇に負けずにお小遣いが使えます。
今回の大幅な物価上昇は、家計全体の支出を見直す絶好の機会です。紹介した支出の見直しだけでなく、家計全体を広く見直すことで、物価上昇前よりもゆとりある生活を送れるかもしれません。
出典
新生銀行グループ 2022年会社員のお小遣い調査
総務省統計局 2020年基準 消費者物価指数 全国 2022年(令和4年)12月分及び2022年(令和4年)平均
執筆者:辻本剛士
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプランニング技能士、宅地建物取引士、証券外務員二種