「年収の壁」は主婦・主夫だけの問題じゃない!配偶者に迷惑がかかる可能性も…?
配信日: 2023.03.22 更新日: 2024.10.10
そこで今回は、年収の壁を超えた場合、配偶者がどのような影響を受けるのか説明します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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そもそも年収の壁とは
配偶者に及ぶ影響を理解するには、まず年収の壁について正確に把握しなければなりません。年収の壁にはいくつか種類があり、特に有名なのは103万円と130万円の壁です。このうち前者に関しては、年収が103万円以下なら本人に所得税がかからず、配偶者は配偶者控除を受けられます。
一方、後者は社会保険に関するもので、130万円未満なら被扶養者と見なされ、保険料を納める義務がありません。このように年収の壁とは、税金や社会保険について負担が軽くなる年収の上限を意味します。
言い換えると、この範囲より稼いでしまうと、出費が一気に大きくなるのです。よって、まだ時間面や体力面に働ける余地があっても、あえてパートの出勤日を減らすなど、年収を抑えるために調整する人が多く見受けられます。
配偶者にかかる手間や負担は?
主婦や主夫の年収が103万円より多いと、配偶者は納税に関して配偶者控除を受けられなくなります。つまり、扶養の負担が減ったと判断され、納税額が増えるというわけです。103万円を超えても、その事実を配偶者が年末調整に反映させれば、それ以上の影響は生じません。
一方、すでに103万円以下として年末調整が完了していると、配偶者控除が適用されてしまうので、訂正の処理を行う必要があります。すぐに気付いた場合は、社内で訂正が間に合うケースもあるでしょう。そうでなければ、配偶者が自分で確定申告を行わなければなりません。
社会保険に関しては、年収が130万円以上になると保険料の納付が必要です。配偶者は組合のルールに従って、主婦や主夫を自分の扶養から除外するための手続きが必要になります。
家族手当の停止や返金
福利厚生の一環として、家族手当を支給している企業は少なくありません。支給の具体的な要件は企業によって異なりますが、税金や社会保険における扶養の基準に従っているケースが多いです。その場合、主婦や主婦が年収の壁をオーバーすると、配偶者は家族手当を受け取る権利がなくなります。就業規則に沿って、支給停止の申請などをしなければなりません。
気付かずに受け取ってしまうと、返金の処理が必要になります。家族手当は給与所得であるため、企業側には所得税の再計算といった手間も発生しやすいです。これに伴って、配偶者は勤務先で注意を受ける可能性もあるでしょう。
上記のような事態を避けるには、自分の収入をしっかり把握しておくことが重要です。基本的な対策は年収の壁より低く抑えることですが、超えると分かった場合の行動もポイントになります。できるだけ早い段階で配偶者に知らせましょう。
年収の壁を正しく理解してリスクの軽減を!
年収の壁について理解が不十分だと、税金や社会保険の扶養から外れやすくなります。その結果、配偶者が迷惑を被る可能性もあるので注意しなければなりません。確定申告や家族手当の停止など、さまざまな負担の発生が懸念されます。
正しい知識を身につけて、これらのリスクを軽減し、配偶者に悪影響が出ないように注意しましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部