仕事が終わらず「持ち帰り残業」が続いています…「残業代」は請求できますか?
配信日: 2023.03.31 更新日: 2024.10.10
そこで本記事では、「持ち帰り残業」の場合でも残業代を請求することができるのかについて解説していきます。
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執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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そもそも「時間外労働」とは?
時間外労働は、「事業主が法定の労働時間を超えて労働させた場合」のことを指します。法定の労働時間は、原則として1日8時間、1週間で40時間までとなっています。そのため、労働時間が1日8時間を超えたり、1週間で40時間を超えたりした場合は、時間外労働です。事業主は時間外労働をさせた場合は、「割増賃金」を支払う必要があります。
また、休日に労働させる場合も時間外労働の対象となる可能性があります。原則として、事業主は1週間に1日または4週間のうちに4日以上休日を与えなければいけないからです。
このような法律に定められている休日に労働させた場合も、事業主は割増賃金を支払うことになります。休日出勤だけでなく、研修が休日にある場合も対象になるので、残業代を請求することができます。
労働時間はどのような時間か?
労働時間は、使用者の指揮命令下に置かれている時間のことです。「使用者が指示を出した場合」や、「明示がなくても実質的な指示があった場合」に、労働する時間は労働時間となります。
そのため、上司から指示があって定時を超えた労働をした場合や、任された労働が法定の労働時間を超えることが明らかな量であった場合は、時間外労働であり、労働時間として認められます。そして、時間外労働で働いた時間分の残業代を請求することが可能です。
持ち帰り残業は労働時間になる!
持ち帰り残業をした場合も、「使用者の指揮命令下に置かれている場合」は、労働時間となります。
例えば、「上司が仕事を家でするように指示した場合」や、「仕事量が多くて家に持ち帰ることがやむを得ない場合」です。この場合は、使用者の指揮命令下にあるので、労働時間となり、労働者は残業代を請求できます。
持ち帰り残業の注意点
持ち帰り残業は労働時間となり、残業代を請求することができますが、注意点があります。
それは、「使用者の指揮命令下にない仕事」だった場合です。例えば、使用者の指示もなく、自主的に仕事を持ち帰った場合は、労働時間に該当しないので、残業として認められないことが考えられます。使用者は、労働時間を把握する義務があるからです。そのため、使用者が把握できていない仕事については、労働時間としてみなされないこともあります。
「持ち帰り残業」をする場合は、使用者に仕事を持ち帰ることを伝えるようにしましょう
本記事では、「持ち帰り残業」の場合でも残業代を請求することができるのかについて解説してきました。持ち帰り残業が労働時間と認められれば、残業代の請求が可能です。
しかし、そのためには使用者の指揮命令下にあるかが重要になってきます。上司などの指示があって仕事を家に持ち帰る場合は、労働時間と認められますが、上司などの使用者が把握していない場合は、労働時間に該当しないことが考えられます。
そのため、仕事を家に持ち帰る場合は、上司に仕事を持ち帰ることを伝えるようにしてください。
出典
厚生労働省 法定労働時間と割増賃金について教えてください。
厚生労働省 大阪労働局 よくあるご質問(時間外労働・休日労働・深夜労働)
厚生労働省 労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部