更新日: 2023.04.19 働き方

東京と沖縄で「1日8時間×週3勤務×1年分」のパート収入を比べたら、年間でいくらくらい差が生じる?

執筆者 : 柘植輝

東京と沖縄で「1日8時間×週3勤務×1年分」のパート収入を比べたら、年間でいくらくらい差が生じる?
「高い賃金を求めて地方から都会へ若者が流れる」と言われることがあるように、同じような仕事でも地域によって賃金が異なっています。実際、これから都会で働こうか悩んでいる方もいらっしゃることでしょう。しかし、実際にどれくらい差がつくのか計算したことのある方は少ないはず。
 
そこで、東京と沖縄で1日8時間、週3勤務で1年間最低賃金でパートをした場合の賃金差について比較していきます。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

東京でパートをするとどれくらいの賃金になる?

まずは東京で1日8時間、週3勤務を1年間続けた場合の賃金を計算してみましょう。具体的な賃金は勤務先などによって異なるため最低賃金で計算してみます。
 
令和4年度における東京の最低賃金は1072円となっています。仮に1日8時間、週3勤務を1年間続けると、賃金の額は年間で123万4944円となります(1月当たり4週間と仮定)。週3日勤務であっても120万円を超えるパート収入を得られることから東京における最低賃金の高さがうかがえます。
 

沖縄でパートをするとどれくらいの賃金になる?

続いて沖縄で1日8時間、週3勤務を1年間続けた場合の賃金を計算してみましょう。沖縄における令和4年度の最低賃金は853円となっています。仮に1日8時間、週3勤務を1年間続けると、賃金の額は年間で98万2656円となります。
 
現在沖縄は最低賃金が最下位の地域ではありますが、週3勤務でも100万円近くはパート収入を得られるようです。
 

東京と沖縄との賃金差は年間で25万円ほどになるのはなぜ?

同じように働いても東京なら123万4944円、沖縄なら98万2656円と、年間で25万円以上差が付きます。最低賃金が異なるため当然といえば当然なのですが、なぜこのような差がつくのでしょうか。
 
最低賃金は各地域における労働者の生計費や企業の賃金支払い能力を勘案して決定されています。そのため、一般的に物価が高く賃金の支払い能力が高い企業の多く集まる東京の方が最低賃金が高くなり、沖縄は低くなるのです。
 
こういった物価や企業の支払い能力の差から、東京と沖縄とでは1日8時間、週3勤務を1年間続けた場合のパート収入に25万円程度の差が生じるのです。
 

短い時間でたくさん稼げる東京の方が沖縄よりも幸せとは限らない?

賃金の高さだけでいえば、沖縄より東京の方が裕福で幸せそうに見えます。しかし、意外とそうとは言い切れないようです。
 
株式会社ブランド総合研究所が行った「第4回 地域の持続性調査2022」によれば、全都道府県の中で最も幸福度が高かったのは沖縄県という結果が出ています。幸福度の平均点は77.4%と、8割近い方が幸せを感じているようです。沖縄県は前年に引き続き2年連続で最も幸福度が高い県となっており、その幸福度の高さがうかがい知れます。
 
一方、東京都は47都道府県中46位とかなり低くなっており、幸福度は65.7%と、沖縄県と比較して大きく差がついています。短時間で高い賃金を得ることが必ずしも幸せではなく、ライフスタイルなどもろもろの状況も含めて人は幸せを感じているということが推測されます。
 

同じ時間パートをするなら東京の方が収入は多いが沖縄より幸せとは限らない

最低賃金で1日8時間、週3勤務のパートを1年間続けたとき、東京と沖縄とでは収入に25万円程度の差が付きます。お金を稼ぐだけであれば沖縄よりも東京でパートをした方が多くの金額を稼げるようです。しかし、必ずしも東京で多くパート収入を得ることで幸せになれるとも限りません。
 
パート収入における地域差について悩んでいるのであれば、金額面だけではなくライフスタイルも含めたお金以外の幸福についても考えてみてください。
 

出典

厚生労働省 令和4年度地域別最低賃金改定状況

株式会社ブランド総合研究所 第4回地域の持続性調査2022

 
執筆者:柘植輝
行政書士

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