更新日: 2023.04.22 働き方

社会人1年目から知っておきたい「これからの人生・お金」について(基礎編)

社会人1年目から知っておきたい「これからの人生・お金」について(基礎編)
社会人になり、自ら家計管理を行うようになった人も多いのではないでしょうか。これからの人生に影響を及ぼすお金のこと、知っていると知らないとでは大きな差がつきます。本記事では、意外と知らない給与明細の中身や社会保険などについて解説します。
廣重啓二郎

執筆者:廣重啓二郎(ひろしげ けいじろう)

佐賀FPオフィス 代表、ファイナンシャルプランナー、一般社団法人日本相続支援士会理事、佐賀県金融広報アドバイザー、DCアドバイザー

立命館大学卒業後、13年間大手小売業の販売業務に従事した後、保険会社に転職。1 年間保険会社に勤務後、保険代理店に6 年間勤務。
その後、コンサルティング料だけで活動している独立系ファイナンシャルプランナーと出会い「本当の意味で顧客本位の仕事ができ、大きな価値が提供できる仕事はこれだ」と思い、独立する。

現在は、日本FP協会佐賀支部の副支部長として、消費者向けのイベントや個別相談などで活動している。また、佐賀県金融広報アドバイザーとして消費者トラブルや金融教育など啓発活動にも従事している。

「手取り」と「額面」は違うってどういうこと?

給与が支払われる際には、必ず給与明細も受け取ります。どうしても、もらえる額(差引支給額)にだけ目が行きがちですが、「額面」(総支給額)から何がどのくらい引かれているかを確認することも大切です。
 
額面に応じて、一定額の社会保険料や税金が差し引かれます。一般的に年収とは額面の合計のことをいい、そこから社会保険料や税金を差し引いた差引支給額を「手取り」といいます。
 

源泉徴収って何?

源泉徴収とは、給与から税金を差し引き、これを従業員に代わり会社が納税する制度です。従業員は、1年分(1~12月)の納税額を知らせる「源泉徴収票」を年末に会社から受け取りますが、この源泉徴収票と毎月の給与明細書から1年間の手取り年収を計算することができます。
 
■手取り年収の計算(住民税以外は、すべて源泉徴収票に記載されている)
 
支払金額(額面年収)- 源泉徴収税額(所得税)- 社会保険料等の金額 - 住民税(給与明細に記載の額×12ヶ月分)= 手取り年収
※なお、住民税は前年の所得に基づき計算されるため、基本的に社会人1年目はかからず、2年目より毎月の給与から差し引かれます。
 

税額を決めるための「年末調整」って何?

所得税は、社会保険料や住民税などとともに毎月の給与や賞与から天引き(源泉徴収)されます。しかし、その額は年間の支払額が決定するまでの概算となります。年末調整とは、1年間の支払金額が確定する年末に各従業員について控除を行い、税金を計算し直すことをいいます。
 
年内に扶養家族が増減した人や、民間の生命保険に加入した人は、会社から年末に配布される「扶養控除等申告書」を提出して控除を受けます。
 

社会保険って何?

社会保険に加入することで病気やけが、失業、障害などに対する保障が受けられます。社会保険には5つの種類があり、働き方などによって加入する保険が異なります。
 

(1)「公的医療保険」:病気やけがで医療機関にかかったときに給付を受けられます。
 

●会社員・公務員など→健康保険
●個人事業主など→国民健康保険
●75歳以上(全員)→後期高齢者医療保険

 
(2)「公的年金」:65歳からの「老齢年金」、重度の障害を負ったときの「障害年金」、被保険者が死亡したときに遺族が受け取れる「遺族年金」などがあります。
 

●会社員・公務員など→厚生年金
●個人事業主など→国民年金

 
(3)「労災保険」:会社員(パート・アルバイト含む)が仕事中や通勤中に病気やけがをした場合に給付を受けることができます。
 
(4)「雇用保険」:倒産や解雇などで失業したときや自己都合で離職し休職したとき、育児や介護で休業した場合に給付を受けることができます。
 
(5)「介護保険」:介護認定に合わせた介護給付が受けられます。40歳以上の人には保険料の支払い義務があります。

 

まとめ

給与明細を見ると、税金や社会保険料などが総支給額から差し引かれていることが分かります。また、年末に受け取る源泉徴収票から、1年を通した手取りを把握することができます(社会人2年目以降は、給与明細から住民税も計算します)。
 
会社からの総支給額ではなく、手取りを確認することが家計管理の第一歩です。どんぶり勘定にならないよう、気を付けたいところです。
 

出典

国税庁 令和5年版 源泉徴収のあらまし

 
執筆者:廣重啓二郎
佐賀FPオフィス 代表、ファイナンシャルプランナー、一般社団法人日本相続支援士会理事、佐賀県金融広報アドバイザー、DCアドバイザー

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