更新日: 2024.10.10 その他家計

根強いデジタル給与への抵抗感。メリットとデメリットのどっちが大きい?

根強いデジタル給与への抵抗感。メリットとデメリットのどっちが大きい?
2023年4月より、給与を口座ではなく電子マネー上に支払う「デジタル給与」が解禁されました。
 
近年は電子マネー決済が増えていることから好評を得ていると思いきや、多くの人がデジタル給与を否定的に捉えています。しかし、日頃から電子マネーで決済する機会が多い方にとっては、デジタル給与を活用するメリットもあります。
 
本記事では、デジタル給与のメリットやデメリットなどを解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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デジタル給与を利用したくない人は約7割

株式会社ビースタイルホールディングスが行ったデジタル給与に関するアンケート調査(調査対象:仕事と家庭の両立を希望する主婦・主夫510名)によると、給与のデジタル払いを「利用したくない」と答えた人が71.0%にも上ることが分かりました。
 
デジタル給与に対する不安やデメリットとして挙げられた理由は下記のとおりです。
 

【給与デジタル払いに対する不安】

●不正アクセスでデジタルマネーが盗まれるなどセキュリティーが不安
●決済アプリ業者が破綻した際に給与が保証されるか不安
●家賃引き落としなど銀行口座への資金移動が面倒
●デジタルマネーを確実に現金に換えられるか不安

 
多くの人が、デジタル給与を否定的に捉えていることが分かります。
 

そもそもデジタル給与とは?

デジタル給与とは、会社が従業員に対して、給与を銀行口座ではなく電子マネーに振り込むことを指します。
 
近年は電子マネーが急速に普及していることから、今般の改正が行われました。
 

デジタル給与のメリット

デジタル給与を導入するメリットは下記のとおりです。
 

【デジタル給与を導入するメリット】

●電子マネーにチャージする手間が省ける(従業員側)
●キャッシュカード・クレジットカードを持ち歩く必要がなくなる(従業員側)
●銀行振り込みよりも手数料を抑えられる可能性がある(企業側)
●企業イメージが向上する(企業側)

 
普段から電子マネーで決済している人にとって、いちいち銀行口座からチャージする手間が省ける点はメリットといえます。
 
企業としては、振込先にもよりますが、銀行振り込みよりも振込手数料を抑えられるメリットが期待できます。
 
また、「新しい取り組みを積極的に行う企業」として評判が高まれば、企業イメージが向上し、優秀な人材確保につながるでしょう。
 
企業はコスト削減や業務効率化などのメリットを期待できるため、巡り巡って従業員が恩恵を受けられる可能性があります。
 

デジタル給与のデメリット

デジタル給与には、メリットがある一方でデメリットもあります。
 

【デジタル給与のデメリット】

●セキュリティー面を気にする必要がある(従業員側)
●電子マネーの上限額を気にする必要がある(従業員側)
●希望の資金移動業者が使用できない場合がある(従業員側)
●企業は手間がかかる(企業側)

 
多くの人が不満を感じている通り、電子マネーの運営会社のセキュリティーに関してはしっかり確認する必要があります。
 
もしもハッキング被害に遭ってしまっても、しっかり保護されるのか調べる必要があるでしょう。
 
また、電子マネーを運営する資金移動業者の口座は、入金できる上限額が100万円と定められています。
 
つまり、給与振り込みで口座残高が100万円を超えそうな場合、事前に資金をほかの銀行口座などに移しておく手間が発生する点に注意しましょう。
 
企業側は、デジタル払いを導入する際には資金移動業者を選定した上で、事業場ごとに労使協定を締結する必要があります。導入にあたって軽くはない手間が発生するため、企業にとってもデメリットがある点は知っておきましょう。
 

まとめ

デジタル給与の解禁は、電子マネーの決済が増えている時代に合わせた法改正です。
 
多くの労働者がデジタル給与に対して否定的な考えを持っているのが現実ですが、今後は普及していくことも予想されます。
 
デジタル給与にはメリットとデメリットの両面があるため、今後勤務先が導入することに備えて、基本的な知識を身に付けておくことが重要といえるでしょう。
 

出典

株式会社ビースタイルホールディングス 給与のデジタル払い解禁に関する調査

 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

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