更新日: 2024.10.10 働き方

繁忙期が終わったし「有休」をとろう!→なぜか有休が「消滅」してる!? 考えられる理由とは?

繁忙期が終わったし「有休」をとろう!→なぜか有休が「消滅」してる!? 考えられる理由とは?
仕事で毎日忙しくしていると、つい有給休暇を取り損ねてしまうことがあります。有給休暇の権利は毎年与えられているため「たまっている有給休暇を一気に使おう」と思う人もいるでしょうが、そううまくはいきません。
 
なぜなら、たまっているはずの有給休暇が、一部なくなっている場合があるからです。本記事では、たまっているはずの有給休暇がなくなる理由と、その対策について解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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有給休暇がなくなることがあるの?


 
結論から言えば、有給休暇がなくなることはありえます。有給休暇とは、給料が支給される休暇のことで、労働者の権利として労働基準法で定められています。有給休暇の使い道は自由で、会社が使い道を審査して有給休暇の取得を拒否するようなことはできません。会社がコントロールできるのは、繁忙期などに有給休暇が申請されたとき、その時季を変更するよう求めることだけです。
 
有給休暇を取得できるのは、その会社に6ヶ月以上勤続していて、全労働日のうち8割以上出勤する労働者です。最初は年に10日の有給休暇が与えられ、1年たつごとに12日、14日と新たに取得できる有給休暇の日数が増えていき、最大で年20日の有給休暇が付与されます。
 
ただし、使わなかった有給休暇がすべて自動的に積み立てられるわけではありません。なぜなら有給休暇は時効により2年で消滅するからです。この消滅時効という制度が「たまっているはずの有休がなくなっている」という現象を生じさせている正体といえます。
 
このような有給休暇の消滅時効には、労働者に有給休暇をできるだけ早く消化し、心身ともに疲れを取ってリフレッシュするように促し、企業側に対しては将来的な財務上の負担が増大しすぎることを未然に防ぐ狙いがあるといわれています。
 

有給休暇の消滅を防ぐ方法はある?

有給休暇が2年で消滅するという、その期限を延長することはできません。ですから、労働者は自分の有給休暇がどれだけ残っているかを各自で把握しておく必要があります。また、会社側も有給休暇の日数がどれだけ残っているのか、各従業員に知らせる仕組みをつくったり、有給休暇を取得しやすい労働環境を整備したりする必要があるでしょう。
 

取得しきれなかった有給休暇は、会社に買い取ってもらえる?

忙しくて取得しきれなかった有給休暇は、時効消滅したらもったいないですね。そこで、会社に買い取ってもらい、せめて「有給」部分のメリットだけでも受け取りたいと思う人もいるでしょう。
 
しかし、有給休暇の買い取りは原則として違法です。有給休暇制度は「休暇」のほうに重点が置かれているため、労働者を実際に休ませてリフレッシュさせない有休買い取りは、制度の趣旨に反すると考えられているからです。
 
ただし、退職時に余っている有給休暇や、労働基準法の基準よりも多めに会社が与えている有給休暇、間もなく時効消滅しそうな有給休暇については、例外的に会社が買い取ることも可能とされています。
 

有給休暇は計画的に取得しましょう

有給休暇は労働者の権利で、どんな理由で休もうと自由です。ただし、わずか2年で時効によって消滅する点には気をつけなければなりません。2年以内で消化できるよう、常にその日数を把握しつつ、計画的に有給休暇を取るようにしましょう。また、間もなく時効消滅しそうな有給休暇については、会社に対して買い取りを求めることができます。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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