更新日: 2023.06.18 働き方

手取り18万ですが、残業は「月48時間」です。転職すべきでしょうか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

手取り18万ですが、残業は「月48時間」です。転職すべきでしょうか?
多くの人は、残業時間が増えるほどに満足のいく給与が受け取れると考えるでしょう。しかし、必ずしもそうとは限りません。月に40時間以上の残業をしているにもかかわらず、月の手取りが18万円という人もいるようです。
 
今回は、そのような場合をもとに、残業時間と給与の関係をみます。また、残業時間を含めた労働時間と給与が見合わない場合、転職を検討したがほうよいのかについても考えます。
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日本人の平均月給は約31万円

自分の給与が多いか少ないかを知るには、全体の平均給与を確認し、その水準と比較する必要があります。
 
厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」の結果の概況によると、月の平均給与は約31万1000円です。男性は約34万2000円、女性は約25万9000円が平均月給となっています。毎年上下するものの、平均月給は30万円前後ととらえておくとよいでしょう。
 

・手取り18万円は平均以下

上記の数字は、あくまでも額面です。ここから税金や社会保険料などが引かれ、手取りが残ります。手取りの額は一般的に額面の75~85%程度となるため、手取りが18万円の場合、額面は21~24万円程度となるでしょう。上記の通り、平均月給は30万円前後なので、手取り18万円の人は平均よりも毎月の給与が少ないことになります。
 

月の平均残業時間は10.5時間

次に、残業時間を確認してみましょう。
 
厚生労働省の「毎月勤労統計調査 令和5年4月分結果速報」の結果をみると、従業員数が5人以上の事業所規模において、所定外労働時間の平均は10.5時間となっています。このうち、一般労働者は14.4時間、パートタイム労働者は2.2時間という結果でした。この調査結果を参考にすると、月の残業が48時間というのは、非常に多いといえるでしょう。
 

・残業の多い産業でも月に約24時間

同調査結果からは、各産業の残業時間も把握できます。もっとも多い産業は「運輸業・郵便業」で、24.1時間です。それに、16.1時間の「情報通信業」、15.6時間の「電気・ガス業」とつづきます。ちなみに、残業時間の少ない産業には、「医療・福祉」の4.8時間、「飲食サービス業等」の5.3時間などがあります。
 

・残業時間と給与の関係性

厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況」によれば、「運輸業・郵便業」の平均月給は約28万5000円、「情報通信業」は約37万9000円、「電気・ガス業」は約40万2000円となっています。また、「医療・福祉」は約29万7000円、「飲食サービス業等」は宿泊業も含まれますが、約25万7000円という結果でした。
 
残業時間の多い産業は給与水準も高めではあるものの、きれいな相関関係があるとはいえません。残業時間と給与の関係は、産業ごとの事情や構造が大きく関連していそうです。
 

転職も検討の余地あり

手取り18万円は平均よりも低く、月の残業が40時間というのは平均よりもかなり多いという結果でした。長時間働いているにもかかわらず満足のいく給与が受け取れないと感じているのであれば、転職も検討の余地が出てくるでしょう。
 
しかし、転職が必ずしもよい結果をもたらすとは限りません。能力や実績、年齢等を含めた人材としての市場価値が低ければ、転職により、むしろ給与が下がる場合もあります。毎月の手取りだけではなく、ボーナスの有無や金額、労働環境や福利厚生、やりがいや将来性なども考慮した上で、転職するか否かの判断をすることが求められます。
 

手取り額と残業時間も含めた全体のバランスを見極めつつ転職を決断しよう

給与が平均以下である上に、残業時間が平均以上であれば、転職を検討し始めるのも無理はありません。ただし、転職の決断や転職活動は慎重に行う必要があります。
 
事業規模や分野・産業によっては将来性が高く、働き続けていれば、今後、給与が増える可能性もあるでしょう。やりがいや福利厚生等も考慮しながら、本当に転職が必要かどうかを見極めることが重要です。
 

出典

厚生労働省 令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況
厚生労働省 毎月勤労統計調査 令和5年4月分結果速報
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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