2023年、卵は「平均333円」に!?「物価の優等生」である卵の価格高騰が止まらない!
配信日: 2023.06.24 更新日: 2024.10.10
本記事では、卵の価格の現状や、そもそもなぜ「物価の優等生」と言われているのか、卵の価格が高騰している理由について解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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卵の値段は高騰している
全国農業協同組合連合会(JA全農)たまご株式会社によると、卵の1キログラムあたりの価格は、東京の場合、2018年は平均180円、2019年は173円、2020年は171円です。
しかしその後、2023年5月までにおいて、卵の価格は上昇しています。1ヶ月ごとの卵の価格(1キログラムあたりの円)は図表1のとおりです。
図表1
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 平均 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2021年 | 142 | 183 | 220 | 241 | 258 | 259 | 245 | 215 | 213 | 213 | 207 | 210 | 217 |
2022年 | 151 | 175 | 195 | 211 | 219 | 213 | 205 | 204 | 223 | 239 | 262 | 284 | 215 |
2023年 | 280 | 327 | 343 | 350 | 350 | 350 | 333 |
JA全農たまご株式会社 相場情報を基に作成
2018~2020年は平均で100円台後半だった価格が、2021年と2022年には200円を超えています。とはいえ、実は200円を超えるのはそこまで珍しくはなく、平成以降、度々200円台は記録されています。
しかし、2023年は平均で300円を軽く超えています。平成以降では最も高い年でも平均248円で、月単位で見ても300円を超えているのは2023年を除くと一度だけです。
卵はなぜ「物価の優等生」と言われているのか
そもそも、卵はなぜ「物価の優等生」と言われているのでしょうか。
大きな理由の1つに、価格がほとんど上昇していない点があげられます。東京において、1989年以降、2022年まで、卵1キログラムあたりの価格は年平均でだいたい100円台後半から200円台前半の間を行き来しており、大きな価格変動はありません。
インフレや台風などの自然災害が発生しても、価格があまり変わらない理由としては、卵は需要に対して柔軟に対応しやすい点があげられます。ヒナが卵を産めるようになるまで半年程度であり、食肉や乳などと比べても生産サイクルが短いです。
もちろん、鶏種の改良・ケージ飼いによる生産性の向上や飼料効率の進化、機械化などの多岐にわたる改良も見逃せません。また、卵は栄養価が高いことでも知られています。家計にやさしく、栄養価も高く、調理もしやすい卵はまさに「優等生」と言えるでしょう。
卵が高騰している理由
卵が高騰しているのにはいくつか理由がありますが、ここ数年は飼料価格の上昇による生産コスト悪化があげられます。例えば、昨年からのロシアによるウクライナ侵攻でも、鳥の餌となるトウモロコシなどの飼料価格が上昇しています。
さらに、その中での鳥インフルエンザによる鳥の個体数減少も卵が高騰している原因です。農林水産省によると、直近の1シーズンで過去最大の約998万羽もの鳥を鳥インフルエンザが原因であることを理由に殺処分したと伝えています。
まとめ
「物価の優等生」の卵ですが、鳥インフルエンザなどによって価格は高いのが現状です。
しかし、国も速やかに緊急消毒などの対応をしており、6月20日には農林水産省から、OIE(国際獣疫事務局)のウェブサイトに清浄化宣言が掲載された旨が発表されました。早めに元の価格になることを願いつつ、日々のニュースなどを確認しましょう。
出典
JA全農たまご株式会社 相場情報
一般社団法人 日本養鶏協会 統計
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー