更新日: 2023.07.10 その他家計

節約しすぎて家族の雰囲気が最悪に! 注意すべき「節約術」と対処法とは?

節約しすぎて家族の雰囲気が最悪に! 注意すべき「節約術」と対処法とは?
電気代やガソリン代、食費などの支出が次々と増大する一方、昇給や退職金、年金などの収入の雲行きが怪しくなり、「節約」の必要性を強く感じている家庭は多いのではないだろうか。
 
資産を増やすには、「支出の削減」から取り掛かるのがセオリーと言われるほど、節約は大切なのだが、やり方を間違えると家庭の雰囲気が悪くなってしまうリスクがある。地方都市に在住のAさん(女性、40歳)もその一人で、「すぐに手を付けらえる節約」から始めた結果、思わぬ不満が夫や娘たちから噴出したという。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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家族を思って節約に取り組んだのに…

Aさんが節約に取り組んだのは2022年の夏ごろで、値上げの影響が本格的に目に見えてきたころだという。
 
「ウチは共働きで、世帯年収は700万円くらいです。マンションを購入してローンもありますし、子どもは中学生と小学生でこれからお金もかかるので、ぜいたくな暮らしはしていないというか、できていないですね。そんな状況でパスタや食パン、冷凍食品などが一気に夏ごろに値上げされて『最低でも値上がりした分は取り戻さないと』と思い、身近な節約術が書かれていた本を参考に徹底しようと思ったのです」
 
実際、Aさんが始めた節約の方法は以下の通りだ。
 

●日用品のタイムセールなどを狙う
●エアコンの温度を夏場は上げ、冬場は下げる
●電灯やテレビを無駄に付けるのを禁止
●シャワーは禁止してお風呂の湯だけを使う
●外食を減らす(月2回程度から月1回に)
●車を使う用事はなるべくまとめて行う

 
当然、Aさんだけでなく夫と子ども2人にもルールを伝えて、守られていない場合は注意をするよう徹底した。その結果、各項目はそれなりに削減でき、数千~1万円程度の節約につなげられた。しかし、冬になるころには夫がイライラし始めたほか、子どもたちからも不満が漏れ始めたという。
 
「『部屋が寒い』とか『車くらい好きに運転させてくれ』、『湯船のなかのお湯は使いたくない』などなど、オンパレードでしたね(苦笑)。私的には問題ない範囲だったのですが、結局、雰囲気が悪くなるのは嫌なので節約術は、ほとんど続けられていません。それなのにニュースは値上げばかりで、げんなりしています」
 

まずは固定費を見直し、変動費はその後

Aさんが行った節約の問題点は、「持続性がないこと」だ。また、いずれも生活における「快適さを損なう節約」なので、徐々にストレスが蓄積されてしまうのは致し方ない。節約に心がけることとは、「何が何でも生活費を1円でも安くする」ことではなく、「生活の満足度を維持しながら生活費を減らす」ことなのだ。
 
まず節約で取り組むべきは、「固定費の削減」だ。固定費は、一度見直せば節約効果が持続するため、長期的にも効果が大きくなる。
 

●通信費の見直し
●電力・ガス会社の見直し
●保険の縮小・解約
●大して利用していないサブスクの解約日

 
特に、近年は格安SIMでも問題なくスマホを使うことができるため、通信費を見直すとよいだろう。例えば、毎月の通信費が1万円かかっているところを、格安SIMに変えて2000円になれば8000円の節約になる。家族4人であれば毎月3万2000円だ。年間で見ると35万円以上の節約になる。
 
また、2016年からの電力の自由化に伴い、電気やガス会社も自由に変更できる。家族世帯向けにお得な料金プランを用意している電力会社もあるため、見直せば節約効果を得られるだろう。
 
さらに、利用していないサブスクのサービスがあれば、見直す余地がある。動画のサブスクは近年人気だが、「毎月1000円程度だからいいか」と放置してしまう人は多い。しかもほとんど見ないのであれば、年間で1万2000円も無駄にしてしまうのは、非常にもったいない。相応の価値を得られていないサービスにお金を払い続けることは、まったく合理性のない無駄な行為だ。
 
上記で解説した固定費の見直しをして実践すれば、生活の満足度を維持しながらも大きな節約効果を得られる。Aさんが行っている節約は、生活の満足度を下げるうえに効果も低いため、節約が生活に及ぼす効果を真剣に考える必要があるだろう。
 

まとめ

近年の物価上昇に対応するには、節約意識をもつことは大切だ。しかし、節約はまず高い効果が得られる、固定費の見直しを優先して行おう。生活の満足度が落ちにくいうえに、一度見直しを行うことで節約効果も持続する。また、家族に自分の価値観を押し付けるのではなく、「生活の満足度が落ちない」点を伝えたうえで理解を得ることも大切だ。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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