更新日: 2023.07.10 貯金

夫は年収600万、妻は年収350万、子2人の世帯では、月にいくら貯金できる? 年間「100万貯金」は可能?

執筆者 : 柘植輝

夫は年収600万、妻は年収350万、子2人の世帯では、月にいくら貯金できる? 年間「100万貯金」は可能?
昨今では、夫婦共働き世帯は珍しくありません。子育て費用や将来の備えのためといった理由から、多くの夫婦が共働きという働き方を選択しています。
 
では、年収600万円の夫と年収350万円の妻、子ども2人という共働き世帯の場合は、月にどのくらい貯金できるのでしょうか。考えてみました。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

切り詰めれば毎月20万円以上の貯金ができる

子の年齢などにもよりますが、切り詰めれば毎月20万円以上の貯金ができるでしょう。
 
そもそも、夫の年収600万円というのは、日本の平均年収443万円(令和3年分)を大きく上回る金額です。平均的な生活を心掛ければ、夫の収入だけで生活し、妻の収入は全額貯蓄へ回すこともできます。これが実現できれば、年100万円と言わず200万円以上の貯金も可能でしょう。
 
参考までに、令和4年の総務省の家計調査によると、勤労者世帯のうち4人世帯の毎月の実支出は46万3138円です。年間に換算すると約556万円となります。夫婦合わせた年収950万円のうち、ざっくり8割が手取りになると考えると、平均的な生活を送っても毎月17万、年間で200万円程度の貯金はできそうです。
 

子育て中は貯金をたくさんすればいいというものでもない

ただし、子育て中は養育費にお金がかかる時期のため、貯金がうまくいかなくても当然です。
 
一般的に、貯金は手取りの2割や3割が理想といわれることがあります。しかし、子育て世帯、特に学費や課外活動費などお金が多くかかる中学生から大学生の子を抱える世帯においては、それを無理に当てはめる必要はないでしょう。
 
夫婦で年収950万円もあれば、統計上は毎月17万円程度の貯蓄ができるとはいえ、子どもが2人とも高校や大学に通っているような世帯では十分な貯蓄は難しいのが現実です。それなりの収入がある世帯ならば、子どもの独立後にある程度の貯金をしていくことも不可能ではありません。
 
子育ての時期であることを踏まえ、貯金は無理のない範囲でコツコツと行っていくのがよいでしょう。
 

とはいえ家計の見直しは必須

とはいえ、子育て中であってもできる限りの貯金はしたいところです。そこで、無駄な支出がないか家計を一度見直してみることをおすすめします。
 
家計の見直しは、毎月の支出を大まかにでも項目分けすることで効率的に行うことができます。特に、スマホの料金プラン、契約している保険の内容、家庭での食品ロスなどを中心に見ていくと、支出を数万円減らすことができる場合もあります。
 
ただし、過度に節約すると窮屈な生活となって子育てに影響する恐れもあるため、家計の見直しによる節約は適度にとどめておきましょう。
 

資産運用も並行を

子育て世帯が貯金を必要とする理由は、主に将来必要となる子どもの学費や老後資金のためでしょう。もし、このように10年単位で先となる備えのための貯金をするのであれば、資産運用による準備がおすすめです。
 
例えば、投資信託などで毎月3万円ずつ、年利5%で積み立て投資を続けると、15年後には約801.9万円、30年後には約2496.8万円となります。貯金を毎月3万円していった場合、15年後は540万円、30年後でも1080万円程度のため、大きな差がつくことになります。
 
【図表】


 
出典:金融庁 資産運用シミュレーション
 
このような積み立て投資は、NISAやiDeCoといった税制優遇の制度を活用すると、より効果的に行うことができます。
 

貯金は無理のない範囲が大原則

夫が年収600万、妻が年収350万円の共働き世帯であれば、毎月17万円程度、年間200万円程度の貯蓄も可能でしょう。
 
しかし、子育てにはお金がかかります。世帯年収が950万円あっても、子どもの年齢や教育方針によっては思うように貯蓄ができない時期もあります。
 
子育て中は、毎月毎年決まった額を貯金しなければならないと過敏になるよりも、「取りあえず今は無理のない範囲で行い、子育てが終わった後にガッツリ貯金する」というイメージでいた方が現実的でしょう。
 

出典

国税庁 令和3年分 民間給与実態統計調査
e-Stat 家計調査
金融庁 資産運用シミュレーション
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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