更新日: 2023.07.24 その他家計

ペイオフってどんな制度?銀行にお金を預けても「絶対安全ではない」って本当?

ペイオフってどんな制度?銀行にお金を預けても「絶対安全ではない」って本当?
私たちが銀行に預けたお金は、ペイオフといわれる制度に基づき保護されています。実はこのペイオフという制度で保護されているはずの預金が、絶対に安全ではないとしたらどうしたらいいのでしょうか? 今回は、銀行にお金を預けているなら知っておきたい、ペイオフについて解説します。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

ペイオフの概要

ペイオフとは、銀行が破綻しても利息の付く普通預金や定期預金(いわゆる一般預金など)について、1金融機関ごとに元本1000万円までの部分と、破綻日までの利息が預金保険機構により保護されることを指して使われる言葉です。なお、決済用預金(当座預金や利息の付かない普通預金など)なら、その全額が保護されます。
 
例えば、A信用金庫に利息の付く普通預金を800万円有していたとしましょう。仮にA信用金庫が破綻しても、ペイオフ制度によってその800万円は保護されるというわけです。
 
大手金融機関はもちろん、地元の信用金庫など多くの金融機関がペイオフの対象であり、基本的には誰でもその保護を受けられます。支払いも預金保護機構から直接されるため、破綻した金融機関の財源不足が原因で預金が1円も戻ってこないということはないようになっています。
 

銀行にお金を預けても絶対に安全ではない

ペイオフ制度における最大の注意点は、1金融機関当たり元本1000万円までしか保護されないという点です。例えば、あなたがB信用金庫に老後資金として1500万円を貯めていたとしましょう。そのときにB信用金庫が破綻してしまったら、1500万円のうち1000万円までは保護されるが、残りの500万円については泣き寝入りとなってしまう可能性があるということです。
 
また、ペイオフ制度の対象とならない金融機関も一部あります。海外支店の口座や外国銀行の日本支店がそのよい例です。なお、証券会社や農林中央金庫など、預金保護制度と別の制度によって保護される金融機関もあります。
 
ペイオフによって保護対象となる金融機関は、預金保護機構のホームページから確認することができます。心配であれば、自身の保有する口座が保護対象の金融機関になっているか確認しておくとよいでしょう。直近で金融機関が破綻し、ペイオフ制度が発動されたのは、2010年に日本振興銀行が破綻したときです。破綻時は大きな混乱を招き、専用のフリーダイヤルが設置されたほどでした。
 
その際も、預金のうち1000万円を超える部分は一部がカットされて支払われることとなりました。全額カットというわけではありませんでしたが、それでも1000万円を超える部分の一部は保障されませんでした。
 

大切な預金をより確実に守るためには?

大切な預金を守るためには、預金は1金融機関当たり1000万円までにしておき、それを超える部分は複数の金融機関に分散して預金するということが大切です。
 
例えば、1500万円のお金を預金するなら、A信用金庫には900万円、B信用金庫には600万円という具合です。
 
また、利息の付かない決済用預金の口座に切り替えることも有効です。なぜなら、決済用預金の口座は全額保護されるからです。決済用口座への切り替え手続きについては、各金融機関へお問い合わせください。
 

大切な預金を守るためにもペイオフについて正しい理解を

ペイオフによって、私たちの預金は1金融機関当たり1000万円までは保護されます。しかし、それを超える部分は金融機関の破綻時、一部カットされて支払われる可能性もあります。
 
もし、ひとつの金融機関に1000万円を超える預金をしている場合、他の金融機関に分散して預金することも検討してみてください。
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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