更新日: 2023.08.29 働き方

新卒ですが、昼休憩の終了「5分前」には着席すべきですか? 時間ぴったりに戻ると先輩に指摘されました…

新卒ですが、昼休憩の終了「5分前」には着席すべきですか? 時間ぴったりに戻ると先輩に指摘されました…
新卒の従業員などは、職場にいる時間のうち、どこまでが労働時間なのか判断しづらい場合もあるでしょう。例えば、昼休憩の終わりと同時に着席した際、先輩に「もう少し早めに戻ったほうがいいかもね」などと言われるケースも見受けられます。この場合、そうした分だけ給与が発生するのか疑問に感じるかもしれません。
 
そこで本記事では、昼休憩の終了5分前に着席する必要性について、労働時間や給与の観点から解説していきます。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

そもそも労働時間とは?

昼休憩終了前の5分間に給与が発生するか否かを判断したいなら、労働時間の定義を知る必要があります。なぜなら、給与は労働時間に対して発生するものだからです。とはいえ、実は労働基準法に労働時間の具体的な定義は記載されていません。
 
そこで参考になるのは、厚生労働省が示している事業主向けのガイドラインです。使用者の指揮命令下にありながら、従業員が業務に従事している時間を労働時間と定めています。明示的な指示だけでなく、黙示的な指示で従事するケースも含んでいる点が重要です。
 
また、労働時間かどうかの決定に、就業規則や労働契約などは基本的に関係がありません。従業員の行為を客観的に捉えたとき、それが使用者に義務付けられたのものなら、労働時間に該当すると判断されます。
 

昼休み中でも給与は発生するのか?

使用者が昼休みの終了5分前の着席を義務付けているなら、その5分間は労働時間に該当するので給与が発生します。また、そのような明示的な指示がなくても、状況によっては労働時間と見なされることがあります。昼休憩後の業務のために、昼休み中から準備が必要だった場合です。
 
例えば、所定の作業着に着替えなければならないケースなどが該当します。一方、自主的に昼休憩を早く切り上げているだけなら労働時間とは見なされません。
 
つまり、先輩に5分前の着席を勧められたとき、業務上の必然性がないなら、それに従っても給与は発生しないということです。この場合、給与の有無だけを基準にしてビジネスライクに考えると、早く戻る必要性は特にないと判断できます。
 

リスクやメリットを意識した判断

上記のように、労働時間や給与の観点では、昼休憩の終了と同時に着席することに問題はありません。しかし、別の観点を重視して、少し早めに戻っておくことも1つの手です。
 
ぴったりのタイミングで席に着こうとして行動していた場合、ささいなトラブルが起こっただけで遅刻してしまうリスクがあります。遅刻した分は給与から控除されますし、それを何度も繰り返すと減給などの措置がとられる可能性もあるのです。もう少し早く戻ることを先輩が勧めてきた場合、このようなリスクを危惧してくれているのかもしれません。
 
また、自主的に戻って5分間でも資格の勉強などをしておくと、その積み重ねがキャリアアップにつながることも期待できます。
 

時間ぴったりでも大丈夫! でも多角的な観点で判断しよう

昼休憩後の業務に向けて準備をする必然性がないなら、基本的には5分前に着席しなくても大丈夫です。その判断のためにも、どのような時間が労働時間と見なされるのか理解しておく必要があります。一方、遅刻のリスクや勉強できるメリットなどを重視する人は、早めに戻ったほうが良い場合もあります。多角的な観点で自身にとって最適な判断をしましょう。
 

出典

厚生労働省 労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン

厚生労働省 労働条件・職場環境に関するルール

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

townlife-banner
ライターさん募集