更新日: 2023.09.21 働き方

扶養を1ヶ月だけオーバーしてしまいそうです。損しない方法はありますか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

扶養を1ヶ月だけオーバーしてしまいそうです。損しない方法はありますか?
社会保険料による家計への負担を軽減するため、あえて扶養の範囲内で働いている方も多いでしょう。しかし、扶養の限度額をオーバーして働いてしまうと、扶養の適用外となり社会保険料を支払わなければいけない可能性もあります。
 
そこで本記事では、扶養に関する基本的なルールを確認して、1ヶ月だけオーバーした場合の注意点について解説します。
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扶養に関する基本ルール

扶養に関する想定外のトラブルを避けるためには、基本的なルールを正しく理解することが大切です。ここでは、扶養に関する基本的なルールについて解説します。
 

扶養とは

扶養とは、主に生計を立てている親族が、何らかの理由で経済的自立ができていない家族や親族などを養うことです。保険料を支払っている人を扶養者、養ってもらっている人を被扶養者といいます。
 
扶養に入ることで、被扶養者は保険料を支払わずに健康保険や年金に加入できます。
 

扶養に入る条件

扶養に入るためには、2つの条件を満たさなければいけません。最初の条件は、被保険者との関係性です。社会保険の被扶養者として認められるのは、原則として被保険者と配偶者の三親等内親族で、被保険者と同居し家計をともにしている人です。
 
別居の場合でも、配偶者や子・兄弟姉妹・父母・祖父母などで被保険者から仕送りを受けているなど、生計を維持されていれば可能です。
 
もう一つの条件は、被扶養者の年間収入が130万円以下(障害者の場合は180万円未満)で、別居の場合は被保険者からの仕送り額が130万円より少ないことです。1ヶ月あたりの収入は、10万8334円以下(障害者の場合は15万円)となりますので注意しましょう。
 

1ヶ月だけ限度額を超えるケース

扶養に入っている方で、扶養の限度額を超えないように調整しながら働いている方も多いでしょう。
 
しかし、想定外の事態によって1ヶ月あたりの収入が10万8334円を超えてしまうケースも少なくありません。1ヶ月だけ超えてしまうケースとして、以下の状況に注意しましょう。
 

【1ヶ月だけ限度額を超えるケース】

・残業が多かった
・勤務時間の計算を間違っていた
・休んだ職員の代わりに出勤した
・昇給した

 

1ヶ月のみオーバーであれば扶養を外れることはない

扶養に入っている方が、諸事情により1ヶ月あたりの限度額をオーバーした場合、すぐに扶養から外されることはありません。ただし、2ヶ月以上オーバーする場合には外される可能性があります。
 
本項では、扶養から外れる条件について解説します。
 

扶養から外れる条件

一般的に、扶養から外れる条件として、以下の内容が挙げられます。
 

【扶養から外れる条件】

・雇用契約変更により見込み額が限度額以上になった
・2ヶ月以上連続して月収が10万8334円を超える
・3ヶ月の月収平均が10万8334円を超える
・過去12ヶ月の月収合計が130万円を超える

扶養から外れる条件は、各健康保険組合や各協会によって判断が異なります。詳細な条件を知りたい方は、個別に確認するとよいでしょう。
 

最新版の「扶養の壁」

近年、健康保険などの持続可能性を高めるため、社会保険に加入する条件が段階的に見直されています。2022年10月以降から、従業員数101人以上の企業を対象に、社会保険に加入する条件が変更されました。変更後の条件は以下のとおりです。
 

【社会保険の適用拡大により被保険者となる要件】

・1週間の所定労働時間が20時間以上
・雇用期間が継続して2ヶ月を超えて見込まれる
・賃金の月額が8万8000円以上
・学生ではない(夜間の学生などは対象)
・被保険者の総数が企業規模で常時101人以上の特定適用事業所に勤務(または任意特定適用事業所に勤務)

上記の条件が適用される企業は、従業員数101人以上となっていますが、2024年10月からは従業員数51人以上の企業にまで拡大する予定です。これまでの条件と異なり、労働時間20時間以上や月8万8000円以上など、扶養に入るための条件が厳しくなっています。
 
今後も扶養内で働こうと考えている方は、勤務先の会社が該当するか確認しておきましょう。
 

まとめ

本記事では、扶養に関する基本的なルールを確認して、1ヶ月だけオーバーした場合の注意点について解説しました。
 
1ヶ月だけオーバーしたからといって、すぐに扶養を外されることはありません。しかし、2ヶ月以上オーバーする場合は扶養から外される可能性があります。詳細な条件は各健康保険組合や各協会によって異なるため、詳しく知りたい方は直接問い合わせるとよいでしょう。
 

出典

厚生労働省 被扶養者の収入の確認における留意点について
国民年金機構 短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用拡大のご案内
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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