更新日: 2024.10.10 家計の見直し

レシートの画像を送信してお金がもらえるアプリをやっています。「個人情報」は大丈夫?

レシートの画像を送信してお金がもらえるアプリをやっています。「個人情報」は大丈夫?
昨年、横浜市が主導した事業「横浜市レシ活VALUE・レシ活チャレンジ」という、レシートをアプリ経由でアップロードすることでポイント還元が受けられるサービスがありました(現在はサービス終了)。これにより「レシートの画像を送信してお金がもらえるアプリを始めた」という話を耳にする機会が増え、個人情報について相談に来る方も増えました。
 
そこで、レシートアプリの安全性について考えていきます。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

レシートアプリでお金がもらえる仕組み

レシートアプリでお金がもらえる仕組みは、企業の情報収集にあります。企業やメーカーなどは「いつ、どのような人が、どのようなものを、どれくらいの頻度で購入しているか」といった消費者の行動情報を、販売戦略のために利用しています。しかし、それを集めるのはなかなか大変です。
 
そこで、外部業者に収集を委託します。委託を受けた業者がアプリを通じて報酬と引き換えに、多くの消費者から「レシートの画像」という形で情報を収集しているのです。
 
報酬額はアプリによっても異なるのですが、レシート1枚で数円から、高くても10円程度となるようです。横浜市の「横浜市レシ活VALUE・レシ活チャレンジ」のように公共団体などが主催しているものであれば、レシートに記載された金額の20%など大きな額を得ることができるかもしれませんが、そうでない限りは、レシートアプリでまとまったお金を稼ぐことは難しいでしょう。
 

個人情報については慎重になるべき

基本的に「レシートの画像をアップする」ということにおいて、個人情報の流出を懸念する必要は、そう高くないでしょう。1枚のレシートから分かる情報は、せいぜい購入したものの明細くらいです。店舗名や店舗住所から直接に登録者自身の住所を特定することは、意図的なものでない限り困難であるため、基本的に過度に気にする必要はないでしょう。
 
ただし、クレジットカードの情報が載っている場合など、明らかに個人を特定できるようなものが映っていないか、細心の注意は払うべきです。
 
また、アプリによっては本人確認が必要である場合、たまったポイントの払い出しを受ける際に口座の登録が必要である場合もあります。そういった、明確に個人の特定が可能であったり、悪用されたりするおそれのある個人情報を、送信したり登録したりする際は、アプリの運営元である会社を確認し、不安であればそういった情報を送らないようにするべきです。
 

無駄な出費が増えていないか確認もすべき

レシートアプリを使っている方に考えていただきたいのが「レシートを集めるために無駄な出費が増えていないか」ということです。
 
アプリによっては「通常のレシートは3円だが、特定商品のレシートは10円である」など、レシートの内容によって、金額に差がついていることがあります。ポイントが欲しいばかりに不要な商品を購入してしまうと、その分家計には無駄な出費が生じていることに他なりません。
 
例えば、10円のポイントをもらうために、普段使っている洗剤よりも20円高い洗剤を購入した場合、家計の収支だけ見れば支出が10円多く生じてしまっていることになります。
 
その他にも、今必要でないものも「ポイントが多くもらえるから」と購入している場合は、その分無駄な出費が生じていることになります。
 

レシートアプリの活用は個人情報の取り扱いと無駄な出費に注意すべき

レシートアプリは、本来お金に変わることのないレシートでお金をためられるもので、使い方によってはお得なアプリです。
 
しかし、基本的に支出以上にお金を得られることはなく、アプリで稼ぐためにあれこれ買い物をしていると、出費が増えて損をする可能性もあります。また、悪質な事業者にレシートの画像や、その他簡単に個人が特定できる情報を送ると、悪用されることや個人情報が流出することも起こり得ます。
 
レシートアプリを利用するのであれば、信用できる会社が運用しているアプリを使い、かつ、余計な支出を増やさない範囲で行うべきでしょう。
 

出典

横浜市 【終了しました】横浜市レシ活VALUE・レシ活チャレンジ
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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