更新日: 2024.10.10 貯金

社会人3年目ですが、いまだに貯蓄は「ゼロ円」です。さすがにヤバいですか? どうすれば20代でも貯められるでしょうか?

社会人3年目ですが、いまだに貯蓄は「ゼロ円」です。さすがにヤバいですか? どうすれば20代でも貯められるでしょうか?
30代や40代と比較して20代は収入が少ないことも多く、うまく貯蓄ができていない人もいるでしょう。しかし、順調に貯蓄ができている人も存在しています。
 
本記事では、20代の貯蓄額の平均と中央値を見ていき、その上でおすすめできる貯蓄方法を解説します。紹介する貯蓄方法を実践すれば、大きなストレスを感じることなく貯蓄がしやすいので、ぜひ参考にしてください。
辻本剛士

執筆者:辻本剛士(つじもと つよし)

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士、宅地建物取引士、証券外務員2種

活動拠点は神戸。FP個別相談や、プロスポーツ選手の資産形成サポートも行っております。プロスポーツ選手に保険、資産運用、支出の見直しなど包括的なアドバイスや、帳簿などの面倒な記帳業務を代行し、本業に集中できる環境作りをサポートします。

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20代の貯蓄額の平均と中央値

「知るぽると」が公表した令和4年(2022年)家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]によると、単身世帯における金融資産を保有している20代の平均貯蓄額は307万円、中央値は110万円の結果となりました。
 
平均貯蓄額307万円の結果を見て「20代でも意外と貯蓄ができているではないか」と感じる人もいるかもしれません。しかし、同調査では貯蓄ができていない割合は42.1%に上り、20代の半数程度は貯蓄ができていない状態です。ちなみに貯蓄ができていない人を含めた20代の平均貯蓄額は176万円、中央値は20万円です。
 

貯蓄できない要因

20代の半数程度が貯蓄できていない要因は、いくつか考えられます。ここからはうまく貯蓄ができない主な要因について見ていきましょう。
 

20代は自由に使えるお金が一般的に少ない

前提として、現在の20代の人は自由に使えるお金が少ない傾向にあります。
 
20代は、働き始めてまだ年数の浅い人も多く、30代や40代の人と比較して収入が低い傾向にあります。国税庁が公表している令和3年分 民間給与実態統計調査委によると、20代の平均給与は320万円程です。月に換算すると約27万円で、手取り額はさらに少なくなるでしょう。
 
また、現在は奨学金を利用している学生も多いです。日本学生支援機構の令和2年度調査によると、約半数の大学生が奨学金を活用し、卒業後に奨学金の返済を控えています。労働者福祉中央協議会が令和5年に発表したアンケート調査によると、奨学金の借入額平均は約310万円、毎月の返済額の平均は約1万5000円です。
 
これらを考慮すると、20代の収入に対して、生活費や奨学金などのマストの支出のあと、自由に使えるお金として手元に残る分はとても少ないでしょう。このような状況下で貯蓄は現実的に難しい人も多いというのは事実でしょう。
 

娯楽や経験にお金を使う

20代は体力もあり、比較的自由な時間を確保しやすい時期です。そのため、娯楽や旅行、新しいスキルの取得など、多くの経験を積む機会があります。後の人生においてもプラスとなることも多いでしょう。
 
しかし、娯楽や旅行などはある程度の費用を要することがあり、自由に使えるお金が少ない20代の人が、そこからこれらの活動に多く支出すると、貯蓄に回せる分は残りづらいでしょう。
 

まだ貯蓄が必要になる場面が少ない

貯蓄がうまくできない理由として、20代は貯蓄の必要性をまだ十分に理解しきれていないことも挙げられます。若いうちは基本的に今の自分に不要なことにお金を使う機会は少ないでしょう。そのため、必要性を十分に実感できていない状態で貯蓄を始めても継続することは難しいかもしれません。
 
貯蓄が大切である理由は主に次の3つになります。
 

●不測の事態に備えられる
●精神的・金銭的にゆとりを持てる
●新たなことに挑戦しやすくなる

 
けがや病気で予期せぬ出費が生じた際に、貯蓄があれば対応しやすくなるでしょう。貯蓄があれば、精神的・金銭的なゆとりを持つことも可能です。また、新たに挑戦したいことが見つかった場合に、貯蓄があることで行動に移しやすくなります。
 
例えば、やりたい仕事が見つかり転職を考えている場合、貯蓄がなければ転職先が見つかるまでの生活費が心配となり、なかなか一歩を踏み出せないかもしれません。もし、ある程度のまとまった貯蓄があれば当面の生活費の心配はないため、思い切って挑戦しやすくなります。
 

おすすめの貯蓄方法

ここからは、自由に使えるお金が少ないとされる20代でも比較的ストレスなく実践できる、おすすめの貯蓄方法を紹介します。
 

先取り貯蓄

先取り貯蓄とは、やりくり後に残ったお金を貯蓄にまわすのではなく、給料など毎月お金が入った直後に一定額を貯蓄に回す貯蓄の方法です。
 
例えば、毎月給料が手取りで20万円入った場合、すぐに1万円を別の銀行口座に預けます。そして、残りの19万円で1ヶ月をやりくりします。どうしても財布や普段使いの口座にお金がある状態だと「気付かないうちに使ってしまっていた」ということもあり得ます。
 
先取り貯蓄であれば、給料が入った直後に手元から貯蓄分が別口座に移動するため、預けたお金は最初から生活費に含まれないと考えて生活ができ、意外にストレスなくやりくりできるものです。
 

お金を引き出しにくい環境を作る

先取り貯蓄でお金をすぐに別の銀行口座へ移動した場合でも、つい気が緩んで、貯蓄した別口座からお金を引き出してしまう人もいるでしょう。そのような場合に備えて、お金を引き出しにくい設定や環境を作ることが効果的です。
 
おすすめは自動積立の定期預金です。このサービスを利用すれば、給料日などに、自動で指定した金額を定期預金口座に移動してくれ、手間をかけずに一定額を定期的に貯蓄できます。定期預金は引き出しにくい特徴があるため、不用意にお金を引き出す心配もないでしょう。
 
この自動積立の定期預金サービスは、多くの銀行が実施しています。この機会に口座を開設してみてもよいかもしれません。
 

貯蓄する習慣を身につけよう

20代は多くはない給料の中から娯楽や旅行、資格取得など、いろいろな経験にお金を費やしたい人も多く、なかなか貯蓄ができない時期でもあります。また、社会人としてまとまった収入を手にするようになったばかりで、貯蓄の必要性を理解しきれていない人も多いでしょう。
 
しかし、急な出費に備えたり、精神的なゆとりを持ったりするためにも、貯蓄の習慣をきちんと身につけておきたいところです。まずは少額からでもよいので、先取り貯蓄を実践し、少しずつ資産を増やしていきましょう。
 

出典

知るぽると 家計の金融行動に関する世論調査「単身世帯調査」(令和4年)

 
執筆者:辻本剛士
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士、宅地建物取引士、証券外務員2種

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