老後の生活には本当に2000万円必要なの？60代の「平均貯蓄額」と2000万円以上の資金を持っている人の割合は？

老後の資金不足の問題から、将来のお金に対して不安を抱いている人は多いでしょう。

老後に必要な資金の目安は、2000〜2500万円ほどといわれています。この金額を聞くと、大きな数字に感じる人もいるかもしれません。

そこで今回は、実際に60代の人たちの平均貯蓄額はいくらなのか、なぜ2000万円以上もの老後資金が必要とされているのかについて、解説します。

将来のお金に対して、漠然とした不安がある人は、ぜひ最後までお読みください。

執筆者：FINANCIAL FIELD編集部（ふぁいなんしゃるふぃーるどへんしゅうぶ）

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1 なぜ老後は2000万円以上の資金が必要なのか？
2 60代の平均貯蓄額
3 老後資金は2000万円を目安に準備しよう

なぜ老後は2000万円以上の資金が必要なのか？

老後2000万円問題が注目されて、将来のお金に対して、不安を感じる人も多いでしょう。

総務省統計局の「家計調査（家計収支編）2022年（令和4年）」では、65歳以上の夫婦の無職世帯における家計収支が発表されています。1ヶ月あたりの社会保障給付額（年金を含む）は22万418円であり、そのほかの収入と合わせて、実収入は24万6237円です。

支出については、生活するうえで必要な消費支出が23万6696円、税金や社会保険料などの非消費支出が3万1812円であり、合計すると26万8508円です。

実収入から全体の支出を差し引くと、2万2271円不足することが分かります。この不足分はあくまで平均値であり、もらえる年金やライフスタイルによっても、大きく異なります。さらに、医療費や介護費が追加されることを考えると、月に5万円ほど不足してしまう可能性もあるでしょう。

仮に老後を30年として、月に5万円の不足分を貯蓄でまかなうとすると、年間60万円、30年間で1800万円が必要です。平均値の2万2271円で計算すると、最低でも、約800万円の資金が必要といえるでしょう。

万が一の出費にも対応できるほど余裕のある生活を送るには、2000万円以上の資金があれば安心です。

60代の平均貯蓄額

金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査［二人以上世帯調査］（令和4年）」によると、60代の平均貯蓄額と金融資産保有額は、表1のとおりです。

表1

		金額
金融資産保有額	平均値	1819万円
金融資産保有額	中央値	700万円
預貯金		834万円

※金融資産を保有していない世帯を含む
※金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査［二人以上世帯調査］（令和4年）」をもとに筆者作成

表1の結果から、平均金融資産保有額と預貯金はともに、老後資金の目安である2000万円には足りていないことが分かります。

なお、金融資産保有額が2000万円以上ある世帯は、全体の18.7％、60代の29.1％でした。3000万円以上の金融資産を保有している世帯では、60代が最も多い結果となりました。

老後資金は2000万円を目安に準備しよう

老後には十分な資金が必要であり、目安としては2000万円ほどになります。ただし、2000万円以上のお金や金融資産を用意するには、計画性を持って、早い段階から準備を進めることが大切です。

自分たちのライフスタイルや、受け取る年金額によっても、将来に必要なお金は変わってきます。まずは、現在の経済状況を把握して、将来の資金計画を立てることから始めましょう。