更新日: 2023.10.02 働き方

フリマサイトで中古服の販売を始めたい! 「古物商」の登録は必要?

フリマサイトで中古服の販売を始めたい! 「古物商」の登録は必要?
収入を増やす、または自分のスキルアップを目的として、本業以外に副業をしたいと考える方は多いのではないでしょうか。
 
物価の高騰で多くの商品やサービスの値上がりが相次いでいます。それにともない、収入が増加していれば問題はありませんが、収入の増加が見込めない方も少なくないでしょう。そのため何かしらの副業を検討している方も多いのではないでしょう。
 
ここでは手軽にできるフリマサイトでの副業について詳しくみていきます。中でも罰則対象になることリスクがある「古物商」の登録について解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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昨今の副業の実態は?

厚生労働省による「副業・兼業の現状②調査」によると、副業をしている人の年代は「30代~50代」が最も多く、さらに副業を行っている理由の最も多いのは「1つの仕事だけでは収入が少なくて生活自体ができないから」で、その割りあいは37.0%でした。
 
また、パーソルキャリア株式会社の運営するdodaの「副業の実態調査」による社会人1万5000人へのアンケート調査結果では、副業で得ている収入のうち「10万円以上稼いでいる」と答えた人は15.9%、5万円台は12.2%、2~3万円台の合計は20.2%となっています。年代別の副業収入をみると20代の平均収入額は3万4883円、30代が3万5208円、40代は6万5284円でした。
 
副業の内容は「サービス業(接客・販売)」がもっとも多く20.8%、「株やFX」が20.8%、3番目に多いのが「ネットビジネス」です。ネットビジネスの内容を詳しくみると、通販、アフィリエイト、ネットショップ運営でした。
 
さまざまな副業がある中で、すぐに手軽にできるフリマサイトを利用して、中古服などの販売を検討している方も多いのではないでしょうか。株やFXなどと比較すると専門性がさほど高くなく、身近なものを販売して収入が得られることが期待できるフリマアプリでの副業ですが、古物商の登録が必要になるケースがあるので注意が必要です。
 
本記事では、フリマアプリにおける副業で、古物商許可が必要になるのか詳しく解説します。登録が必要な状況をはじめ、登録申請の方法などをまとめているので、これから副業を始める人は、1度確認しておきましょう。
 

古物商許可とは?

古物商許可とは、古物営業法で定められている中古品を売買またはレンタル、交換する際に登録が必要な許可のことを指します。古物とは、使用済みの中古品だけでなく、使用するために購入したが、使っていない未使用品(新古品)なども含まれます。
 
なお、古物証許可の登録を行えば許可の取り消しなどない限り半永久的に有効です。副業、本業は関係なく、どのようなケースで古物商登録が必要なのかを事前に正しく理解しておきましょう。
 

古物商の登録が必要になる状況とは?

古物商許可の登録が必要になる状況をまとめると以下のとおりです。

・古物を買いとって売る
・古物を買いとって修理して売る
・古物を買いとって使える部分だけ売る
・第三者から預かった古物が売れた場合に手数料をもらう(委託販売)
・古物を買い取ってレンタルする
・古物を別の品物と交換する
・国内で買い取った古物を国外に輸出して売る

上記に該当しない取り引きは古物商許可の登録は不要です。自分が使用していたものや、自分のために購入したもの、無償でもらった物、海外で購入したもの、化粧品や酒などの消費ですればなくなるもの、電子チケットなどの実態のないものを売買、交換するケースが該当します。
 

フリマサイトで営利目的の古物取り引きを繰り返す場合は古物商登録が必要

フリマサイトで中古品の売買を行う際に古物商許可の登録が必要なのは、営利目的の取り引きを繰り返している場合に限ります。「自分で着用したくて服を購入したけれど不要になったからフリマサイトで売った」というように、利益を出すことが目的ではない、また、売買をくり返さず1~2回程度の取り引きなら営業とはいえず、古物商許可の登録は不要です。
 
また、古物商許可の登録は古物の売買が対象なので、新品の商品を売買する際に古物商許可は必要ありません。
 

古物商の登録をしない場合は罰則の対象

古物商許可の登録が必要な状況だったにも関わらず、無許可で営業した場合は「3年以下の懲役または100万円以下の罰金」が科せられる可能性が高いです。副業だから古物商許可の登録は不要といった例外事項はありません。営利目的で古物を継続的に売買するのであれば、重いペナルティをさけるためにも古物商許可の登録を正しく行ってください。
 

古物商の登録申請先は管轄の警察署

古物商許可の登録申請は、自分の居住地ではなく古物商の売買を行う営業所を管轄する警察署にて行います。申請を行う際の必要書類は以下のとおりで、取得までに時間を要する書類もあるので事前に収集しておくとよいでしょう。

・古物用許可申請書一式
・誓約書
・略歴書
・住民票
・本人確認書類
・登記事項証明書(法人の場合・土地・建物の登記簿謄本)

管轄の警察署に前もって連絡しなくても古物商許可の登録申請は可能ですが、不備を防ぐためにも事前相談をしておくと安心です。申請完了後に審査を実施しますが、結果連絡までに40日(土日祝日を除く)~2ヶ月程度かかります。少しでも早く、古物商許可の登録を行いたいなら手続きは早めに行ってください。
 

副業でも一定の要件を満たす場合は古物商の登録が必要

本業だけでは収入が足りないなど、さまざまな理由で副業を検討している人もいることでしょう。そのうち、フリマサイトで中古の服といった古物の売買を行う際に、営利目的であって、かつ、取り引きを繰り返す場合は、副業でも古物商許可の登録が必要です。
 
古物商許可の登録が必要な状況なのに無許可で営業している場合は処罰を受ける対象になるので注意してください。
 

出典

厚生労働省による「副業・兼業の現状②調査」
パーソルキャリア株式会社 「doda 副業をしている会社員の割合は? 副業の実態調査【最新版】」
警視庁 古物許可申請
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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