更新日: 2024.10.10 働き方
同僚が「20分おき」に離席します。飲み物やトイレのためとはいえ、1日で合計「2時間」近く働いていないことになるのですが、ズルくないでしょうか…?
短時間で頻繁でなければ問題ないかもしれませんが、なかには「20分おきに5分」など頻繁に離席する人もいるかもしれません。1日単位だと2時間ちかく仕事をしない時間が発生する形となりますが、はたしてそれは問題ないのかを解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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コーヒーやトイレのための離席は労働時間に含まれるか
同僚が頻繁に離席することが「ズルい」かどうか考えるうえで、そもそも労働時間とは何か明確にする必要があります。厚生労働省は「使用者の指揮命令下に置かれている時間であり、使用者の明示又は黙示の指示により労働者が業務に従事する時間」を労働時間と定義しています。
つまり、例えば上司から直接または電話、チャットなども含めて業務指示等を受ける状況にある場合は労働時間とみなされます。一方で1時間程度の昼休憩などの時間は、緊急時をのぞいて「使用者の指揮命令下」に置かれていないと考えられるため、労働時間には含まれません。
コーヒーを含む飲み物の調達やタバコ、トイレのために離席する時間も労働時間に含まれると考えるのが一般的です。例えば、1回あたり5分程度の離席であれば意図的に仕事を怠けていると断定するのは困難でしょう。トイレや飲み物を調達して喉の乾きを潤すのも生理現象の1つであり、仕事やプライベートも含めてこれらを規制するのは現実的ではありません。
頻繁に離席するとズルいのか
なぜ頻繁に離席するとズルいと感じられるのでしょうか。さまざまな理由があると思いますが「自席にいない=仕事をしていない」といった判断基準を持つ人も多いからだと考えられます。
インターネットやSNSなどでもよく「タバコ休憩をするのは不公平だ」と話題になることがあります。確かに非喫煙者の立場からは「自分はタバコを吸わないのに喫煙者は休憩してズルい」といった感情が生まれるのも無理はないかもしれません。
それと同様に、たとえコーヒーやトイレのためだったとしても頻繁に離席すると「仕事をしたくないからではないか」と疑われることもあります。マイボトルを持参している、仕事中にあまりトイレに行かないといった人たちからするとなおさらです。
実際には自席にいるかどうかのみで仕事を怠けているか判断するのは難しいですが、たとえ全くサボるつもりがなくても離席行為は客観的に目立つため、周囲が誤解することも多いのかもしれません。
離席時間が長すぎると処分の対象になる?
1回5分程度のコーヒーやトイレのための離席は常識的な範囲と考えられますが、今回のように1日合計2時間ちかく離席するようなケースが多いと、周囲から不審に思われたり、心配されたりする可能性が高くなります。
離席があまりに頻繁で、かつ特に明確な理由や健康上の問題などがない場合、飲み物の調達はできる限り昼休憩時に行ってほしいなどの「指導」が行われる可能性もゼロではありません。ただしこれは個人的な推測の域を出ませんが、よほど悪質な場合をのぞいて強制力はなく、あくまで「お願い」として行われると考えられます。
まとめ
今回は、同僚が20分おきに5分程度など、勤務時間中に頻繁に離席する場合、「仕事をしていなくてズルい」のかを解説しました。
生理現象のことも考え、1回5分程度であれば常識の範囲内で問題ないと考えられます。ただし会社員として職場で働く以上、周りへの気遣いなども必要となることも少なくありません。法的な問題がなくても感情的な部分で不和が生じるケースもあります。
本ケースとは逆に自身が同僚側、つまり頻繁に離席していると自覚がある人は、余計なトラブルを起こさず仕事を円滑に進めるためにも、飲み物はあらかじめ自席に用意しておくなど可能な範囲で離席回数を減らして効率化させることが賢明かもしれません。
出典
厚生労働省 労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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