【年収の壁】扶養内で働くなら「従業員50人以下」の会社にすべき?「106万円・130万円の壁」についても解説
配信日: 2023.10.09 更新日: 2024.10.10
執筆者:佐々木咲(ささき さき)
2級FP技能士
社会保険の年収の壁は106万円と130万円の2つ
自身で働いていても配偶者の社会保険の扶養に入るためには、年収を106万円または130万円以内におさえる必要があります。
なぜ2種類の壁があるのかというと、社会保険の適用の対象が会社規模で分けられているからです。年収106万円の壁になるのは従業員数が101人以上の会社で働いている人、年収130万円の壁は従業員数100人以下の会社になります。
つまり、社会保険料の負担なく年収をできる限り稼ぎたい人は、年収130万円の壁が適用された方がよいということですね。
年収106万円の壁は2022年10月の改正により有名になった
少し前までは社会保険の扶養といえば年収130万円の壁が一般的でした。以前から年収106万円の壁も存在はしていましたが、従業員数501人以上の会社が対象だったため、該当しない人が多かったのです。
それが2022年10月に101人以上に改正されたことによって一気に対象者が広がり、現在では130万円と106万円の2つの壁が話題になっているのです。
【図表1】
政府広報オンライン 社会保険の適用が段階的に拡大! 従業員数101人以上の企業は要チェック
なぜ50人以下の会社がよいのか
現時点では年収130万円の壁の対象になるのは、従業員数が100人以下の会社で働いている人です。しかし、2024年10月には社会保険の適用の対象が「51人以上」の会社に拡大される予定となっています。つまり、130万円の壁の対象になるのは従業員数50名以下の会社で働いている人になるのです。
従業員数が90人の会社にこれから就職して、年収130万円まで扶養に入ったまま働けたとしても、わずか約1年後には扶養から外れないようにする年収は106万円までになってしまうのです。それならば、今から50人以下の会社に就職した方がよいですよね。
年収130万円の壁対策で2年間は扶養に
政府は労働者不足を解消するため、年収の壁を超えても社会保険料を負担せずに済む対策を2023年10月より行います。
年収130万円の壁を一時的に超えたとしても、連続2年までは扶養にとどまれるようになり、年収106万円の壁を超えた場合には、会社を対象にした最大50万円の助成金が支給されます。年収の壁を超えても社会保険料の負担がないとなれば、労働時間を増やすパート従業員も増えることでしょう。
ただ、どちらの壁にも対策が講じられるのは同じですが、106万円の方については会社が時給アップや労働時間延長などで手取りが減らない工夫をした場合に限られる予定となっており、従業員側からすると少し不透明な部分があるかもしれません。
まとめ
社会保険の扶養の壁には年収106万円と130万円の2つがあります。
2024年10月からは従業員数51人以上の会社で働く人は年収106万円の壁に該当することから、社会保険の扶養内で最大限の年収を得たいという人で、今パート先を探している場合には、50人以下の会社に就職することをおすすめします。
出典
政府広報オンライン 社会保険の適用が段階的に拡大! 従業員数101人以上の企業は要チェック
執筆者:佐々木咲
2級FP技能士