働き方改革に乗る前に、まず女性がやっておくことはなに?
配信日: 2018.09.14 更新日: 2024.10.10
国土交通省の「平成29年度テレワーク人口実態調査」でもこのことがわかります。現在テレワークをしている人は会社員で14.8%で、自営形態では22.2%となっています。一方、まだテレワークをしていない人で、テレワークをしてみたい人は39.8%と、テレワークの希望の高さがうかがえます。
ところで、当調査ではテレワークを「普段仕事を行う事業所・仕事場とは異なる場所で仕事をすること」と定義していますが、当記事においてはテレワーク=「自宅で働く」に置き換えて、女性のテレワークについて検討してみたいと思います。
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こんなにある!自宅で働くメリット
自宅が職場であることの一番のメリットは通勤しなくていいということでしょう。通勤ラッシュの時間を避けようと、より早めの電車に乗るために早起きしなくてよくなります。自分自身は早起きするのが平気でも、子どもを保育園に預けることを考えると、朝早く子どもを起さなくて良くなることにママの気持ちが救われるかもしれません。
ほかにも待機児童の不安解消にもなりますし、保育施設に預けずに済むなら保育費が節約できて家計的に助かります。家計の節約という視点で考えると、昼食を自宅にあるものでささっと済ませることもできますからランチ代の節約になりますね。
ところで、月曜から金曜まで外で働いていると、気になる家事があるものです。たとえば朝ベランダに洗濯物を干したのに昼から雨が降ったとき。自宅で働いていれば、雨が降ってもすぐに対処できるのも助かりますね。
退職しなくても自宅で働ける?!
少し前までは、女性が自宅で働くといえば、結婚や出産を機に会社を辞めてフリーランスやプチ起業をするスタイルが多かったものです。最近では、政府主導の働き方改革の効果もあって、会社にそのまま雇用されながら自宅で仕事ができるケースも増えてきています。
健康保険、公的年金などのより手厚い保障や、安定した給料・ボーナスなど、保障・収入面では自営と比べて会社員ならではのメリットがあります。辞めずに自宅で働けられるのなら嬉しいですね。
一方で、会社員である以上、労働時間は決められていますし、やるべき仕事はきちんとこなさなくてはなりません。
現在自宅で働く制度を導入している会社では、約6割が仕事内容を報告する必要性や成果の確認を取る義務を設けています。また、Web会議システムやチャットシステムを導入しているところも多く、自宅にいても気は抜けません。自宅勤務=時間が自由になるわけではなさそうです。
フリーランスやプチ起業は自由は利くけど……
自分の裁量で仕事時間をやりくりしようと思ったら、やっぱり自営タイプの働き方のほうが向いているかもしれません。
しかしながら、社会保険や年金などの公的保障面では会社員に劣りますし、収入面では安定しないのが一般的。商品やサービスを売る仕事なら、売れなければ当然お金は入ってきませんね。
では、クラウドソーシングなどを利用して、継続的な仕事依頼をもらえるライターの仕事にチャレンジするとどうでしょうか。仮に1記事書いて3,000円得られるライターの仕事があるとすると、土日を含めて毎日1本ずつ書くと1ヶ月間の収入は9万円です。
ところがこのように頭で考えてはいても、子どもが急に熱を出し、病院に連れて行かなくてはならず、締め切りに間に合わなくなることもあり得ます。会社員とは違って有給休暇はありませんから、期日内に仕事の成果を上げられないならその後の仕事がもらえない可能性も考えられます。
自宅で働くのは本当に楽になる?
どのような仕事スタイルにしろ、実際に自宅で働くと思い描いていたイメージとのギャップにとまどう人は少なくありません。そもそも家庭と仕事の両立が自宅で働くことの目的ならば、多くの場合は家で仕事をする人が家事や育児も担うことになります。
外で働いていれば、自分が働いている間は外部の誰かが預かってくれますが、外に預けられないから自宅で働くのなら、仕事と保育のダブルの負荷がかかります。
家事も同様。それまで夫婦で分担していた場合でも、自宅にいるほうがより多くの負担を強いられることになるかもしれません。自宅で仕事ができるからといって、決して仕事と主婦業・ママ業との両立が楽になるとは限りません。
労働収入に頼り過ぎないことも大事
働く理由は自己実現や社会との関わりなどさまざまですが、最も多いのが収入を得るためではないでしょうか。月々の生活費はもちろん、教育資金や住宅資金、老後資金のことなどを考えると、共稼ぎを続けられるといいですね。そのための自宅労働がかえって女性に余計に負荷がかかることになるのなら、労働以外でお金を増やす対策をとっておくことも大切でしょう。
労働以外で収入を得ようと思ったら、家賃収入を得る方法や投資で利益を得る方法などがあります。安心して自宅労働を始めるためにはこれらの労働以外の収入源を事前に作ってこくことが望まれます。冒頭で紹介したテレワーク調査をみると、女性で自宅で働いている人は30代が最も多くなっていますから、30代になるまでに準備しやすい対策としては株式投資や投資信託などの資産運用でしょう。
とはいえ資産運用には価格が変動するリスクがありますから、自宅労働を始めるからといってそれまでの預貯金を投資につぎ込むことはお勧めできません。20代の早いうちからお金の勉強をしながら、少しずつ継続的に投資をしていきましょう。
せっかく自宅で働くのですから、家庭の主婦としてもママとしてもイキイキできて、かつ仕事の成果や期日などのストレスを低減できる、理想的な働き方を目指してくださいね。
TEXT:マネラボ お金と投資の知っトク研究所
續 恵美子(つづき えみこ)
FPwoman Money Writer’s Bank 所属ライター
ファイナンシャルプランナー(CFP)