更新日: 2024.10.10 貯金
「2軒目の家を建てたい!」しかし現在の住宅ローンに加え「貯金はほぼなし」…いくら貯蓄があればかなう?
しかし、まだ住宅ローンが残っているうえ、貯金に余裕もない…、との理由であきらめてしまうケースもあるでしょう。
そこで今回は、2軒目の家を購入する場合、いくら貯金があれば、住宅ローンを支払いながら家を建てられるのかについて検証します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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基本的に二重で住宅ローンを組むのは難しい
今の家にかかっている住宅ローンを支払いながら、2軒目の家の住宅ローンを組むことは簡単ではありません。
新しく住宅ローンを組む場合、 「住み替え」 や 「今の家の売却」 などが求められることがあります。二重に住宅ローンを組める金融機関もありますが、返済比率が高かったり、毎月の支払い負担が大きかったりと、現実的ではないケースも多いようです。
そのため、2軒目の家を建築、もしくは購入する場合には、今の家を売りに出して、売れたお金で住宅ローンの残債 (ざんさい)を全額返済してから、新しく住宅ローンを組むことが望ましいでしょう。
もしも家を売却して得たお金だけで、住宅ローンの完済が難しいようであれば、足りない分は自分たちの貯金で、まかなわなければなりません。金融機関によっては、売却して不足した分を上乗せで融資をしてくれるところもあります。
のちの出費を考えると、2軒目の家を建築、もしくは購入をするのであれば、余裕を持った資金が必要といえるでしょう。
住宅1軒当たりの平均購入資金
国土交通省の 「令和4年度 住宅市場動向調査」 では、住宅を購入する際にかかる資金の全国平均額を表1のように発表しています。
【表1】
平均資金額 | |
---|---|
住宅建築資金 | 3935万円 |
土地購入資金 | 1819万円 |
住宅建築資金と土地購入資金の全国平均額 | 5436万円 |
(国土交通省住宅局 「令和4年度住宅市場動向調査報告書」 をもとに筆者作成)
一戸建て住宅を建築または購入する場合、平均で5400万円以上の資金が必要であることが分かりました。建物代だけではなく土地代もかかるため、必要な資金が高くなります。
一戸建て住宅の平均売却価格
では今の一戸建て住宅を売る場合、いくらくらいで売却できるのかについてみてみましょう。また、一戸建て住宅の売却価格は、築年数によって差がでます。今回は首都圏の売却額を、築年数も含め、表2にまとめました。
【表2】
築年数 | ~築5年 | 築6~10年 | 築11~15年 | 築16~20年 | 築21~25年 |
---|---|---|---|---|---|
価格 | 4821万円 | 4653万円 | 4436万円 | 4024万円 | 3955万円 |
(公益財団法人 東日本不動産流通機構 REINS TOWER 「年報マーケットウォッチ2022年・年度」 をもとに筆者作成)
築年数が浅いほど売却価格は高くなることが分かります。
2軒目を建てる場合に必要な資金
1軒目の家を売り、4000万円のお金を得たと仮定します。なお、1軒目の住宅ローンは500万円まで返済しており、残り4500万円を返済する必要があります。
まず1軒目のローンを完済するには、売却して得た4000万円に自己資金500万円を足して支払う必要があります。500万円の貯蓄がない場合には、金融機関から足りない分を上乗せし、2軒目のために新たな住宅ローンを組む必要があります。
今回は、貯蓄がまったくないケースで考えてみましょう。
2軒目の住宅を、土地と合わせて5400万円で購入した場合、1軒目のローンの残り、500万円と合わせると、合計5900万円の資金が必要です。貯蓄がない場合には、5900万円のローンを新たに組むことになります。
住宅売却価格は、地域によっても差が出るため、まずは自分たちの家がいくらくらいで売れるのかをシミュレーションしてみましょう。
2軒目を建てるなら余裕ある資金を準備しよう
2軒目を建築、もしくは購入する場合、二重ローンを組むよりも、今の家を売却して住宅ローンを完済する方法がおすすめです。しかし、売却価格だけでは、住宅ローンを支払いきれない可能性もあるでしょう。その場合は、自分たちの資金をあてるか、その分を上乗せし、新たな住宅ローンを組む必要があります。
2軒目の建築費用や、今の家の売却価格によって、必要な自己資金が変わってくるため、いくらくらいの貯蓄があれば安心なのかは一概にはいえません。ある程度の余裕を持って資金を準備しておくことが大切といえるでしょう。
出典
国土交通省 住宅局 令和4年度住宅市場動向調査報告書
公益財団法人 東日本不動産流通機構 REINS TOWER 年報マーケットウォッチ2022年
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー