20代後半の「派遣社員」です。このまま派遣社員を続けてもいいですか?

配信日: 2023.11.27 更新日: 2024.10.10

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20代後半の「派遣社員」です。このまま派遣社員を続けてもいいですか?
20代後半まで派遣社員を続けていると、「このままで本当に大丈夫?」といった不安を抱えてしまう方がいらっしゃるようです。実際に、そういった相談が寄せられることもあります。そこで、30代になっても派遣社員を続けていくメリットとデメリットを考えてみたいと思います。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

派遣社員で働くことのメリット

派遣社員として働くことの利点を、まずは考えていきましょう。メリットはいくつかありますが、例えば下記のようなものがあります。
 

●派遣元となる会社が存在するので、勤務先のトラブルが起こっても頼る先がある
●正社員として入社することが難しい企業などで働く機会が得やすい
●健康保険や厚生年金など、派遣元の社会保険に加入できる
●働く時間などが比較的柔軟で、副業をしやすい
●「無期雇用派遣」という、派遣元との雇用期間の定めがない派遣社員になれる可能性がある

 
細かいものを挙げればメリットはまだありますが、主にはこの6つになるでしょう。
 

派遣社員のデメリット

派遣社員として働くことのデメリットは、得られる賃金が少ないことが挙げられます。厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」によれば、年齢や男女を問わずに見ると正社員(正職員も含む)の平均賃金は32万8000円になるようです。それに対して、正社員以外の場合は22万1300円になっています。
 
年齢別にみると、正社員の場合、59歳までの間は右肩上がりです。一方で、正社員以外はほぼ横ばいです。この点を考えると、派遣社員で働きつづけても大きな給与アップは難しいかもしれません。
 
また、派遣社員は雇用が安定していません。一般的に3ヶ月程度の契約更新を繰り返していくことになります。そのため、派遣先の業績変動などによって、正社員と比べて簡単に職を失いやすいです。
 
近年は雇用期間の定めのない無期雇用派遣もありますが、同じ派遣先で働きつづけられる保障もなく、さらには正社員のような額の給与や賞与、または待遇を得られるとも限りません。
 
加えて、派遣社員は契約範囲内の業務しか行えないことからキャリアアップがしづらく、転職においては職歴として扱われづらいというデメリットもあります。
 

このまま派遣社員を続けてもよいかどうかは、将来の希望による

「このまま派遣社員を続けてもよいものか」と悩んだときは、正社員となることが無難といえるでしょう。なぜなら、基本的に正社員から派遣社員になることより、派遣社員から正社員になる方が大変だからです。
 
30代に入ると20代よりもいっそう年齢に応じたスキルなどを求められるようになるため、悩んだら20代のうちに正社員になっておくといいでしょう。
 
ただし、派遣社員としての仕事以外に副業があり「将来的に発展する見込みもあり、いずれそちらで独立したい」という希望があったり、「家庭を優先するため」などという事情があったりすれば、派遣社員を続けてもよいかもしれません。
 

まとめ

20代後半はキャリアの形成において重大な時期であり、ここで派遣社員を続けるか正社員となるかで、その後の人生が大きく変わる可能性もあります。
 
統計上の数値ですが、派遣社員を含む非正規雇用者の平均月給は22万1300円なのに対して、正社員の平均月給は32万8000円と、大きく差がついています。少なくとも、賃金を重視するなら正社員になる方がいいでしょう。
 
派遣社員を続けるかどうかは、将来どうしたいかを軸に決めていくようにしてください。
 

出典

厚生労働省 令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況

 
執筆者:柘植輝
行政書士

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