業務中の「トイレの回数が多い」と注意されました…一日に何回ならよいのでしょうか?
配信日: 2023.12.10 更新日: 2024.10.10
トイレのために何度も席を立つことで、上司から注意を受けることもあるかもしれません。
「一日に何回までなら許容範囲内なのか?」「トイレの回数が多すぎると減給処分になることもあるのか?」と、不安になる方もいらっしゃるでしょう。
本記事では、休憩時間と労働時間の定義を踏まえて、トイレの回数が多いことで、ペナルティーの対象になるケースについてご紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
休憩時間と労働時間の定義とは?
労働基準法によると、労働時間の上限は「一日8時間」「1週間40時間」と定められています。
さらに、「労働時間が6時間以上8時間以下の場合は最低45分、8時間以上になる場合は少なくとも1時間の休憩を与えなければならない」というルールがあります。
ここで重要になるのは、どのような時間が「休憩時間」と「労働時間」に該当するのかではないでしょうか。
厚生労働省によると、「労働時間とは、会社の指揮命令下にある時間」のことをいいます。
つまり、休憩時間は「会社の指揮命令下にない時間」のことであり、完全に労働から離れた状態であると考えられます。
トイレに行く時間は休憩時間なのか?
業務中にトイレに行っても、トイレから戻ったらすぐに業務に従事することが求められるため、「完全に労働から離れた状態」とはいえないでしょう。
そのため、トイレに行く時間も「労働時間」であると考えられます。
もし、トイレに行っている時間分の賃金をカットされるようなことがあれば、労働基準法違反に該当する可能性があるでしょう。
故意に「サボっている」と判断された場合は?
厚生労働省の「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」には、情報機器を用いた事務所作業を行う際には、「1時間に1~2回の小休止をとる」ことが明記されています。
つまり、パソコンを使ったデスクワークに従事している人は、「1時間に1~2回は席を立っても問題ない」と考えられます。
短時間で済ませてすぐ業務に戻るのであれば、一日の労働時間を、休憩時間を除いた7時間とした場合、7~14回ほどトイレに行っても問題ないのかもしれません。
ただし、あまりにもトイレに行く回数が多かったり、1回のトイレにかかる時間が長かったりする場合は、「故意にサボって業務に従事していない」と判断されてしまうおそれもあります。
誤解を与えないように、あらかじめ自身の体質について、周りに伝えておくようにしましょう。
トイレの回数が多いときは周囲の人たちへの配慮を忘れずに
業務中にトイレに行く時間は、あくまでも「労働時間」に含まれるため、通常であれば、会社側が減給などのペナルティーを与えることはできないでしょう。
しかし、あまりにも悪質で「故意にサボっている」と判断されても仕方のない状況だと、評価が下がったり減給の対象になったりすることも考えられます。
なるべく周囲の人たちに迷惑をかけることがないように、トイレの回数が多いことをあらかじめ伝えておいたり、トイレに行ってもなるべく早く戻ってきたりするなど、配慮を忘れないようにしましょう。
出典
デジタル庁 e-Gov法令検索 労働基準法 第三十二条・第三十四条
厚生労働省
岡山労働局 労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン
情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン 3 作業環境
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー