亡くなった母の「タンス預金」300万円を発見! 遺品整理して見つけたのは自分なので、ほかの兄弟に黙っていても大丈夫ですか?

配信日: 2024.01.03 更新日: 2024.10.10

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亡くなった母の「タンス預金」300万円を発見! 遺品整理して見つけたのは自分なので、ほかの兄弟に黙っていても大丈夫ですか?
親が亡くなって遺品整理をしていて、多額の現金を見つけたらどうしますか? 実際に見つけて驚いた経験をした人もいるかもしれません。「現金だから税務署に申告しなくてもバレない」「兄弟姉妹に黙っていても問題ないだろう」という考えが頭に浮かぶかもしれませんね。
 
しかし残された現金をそのまま自分のものにしてしまうと、税務署にバレて多額の税金を支払わなければならなくなるなど、思わぬ事態になりかねません。
 
本記事では、タンス預金がバレる仕組みと申告しなかった場合のペナルティなどについて紹介します。

そもそもタンス預金とは

タンス預金とはその言葉のとおり、銀行口座ではなくタンスに現金を保管することをいいます。タンスに限らず、金庫や押し入れなど自宅に現金を保管しておくことを広い意味でタンス預金と表現します。
 
タンス預金をすること自体は、決して悪いことではなく、もちろん違法でもありません。使いたいときにすぐ現金が取り出せる、銀行の倒産を心配する必要がないといったメリットもあります。しかしタンス預金をしている本人が死亡した場合、残された現金の扱いには注意しなければなりません。
 

タンス預金は相続税の対象となる

亡くなった親の自宅を整理していて、現金が300万円見つかったとしましょう。この場合、300万円は相続税の対象となるため、税務署に申告をする必要があります。
 
「通帳に入ったお金ならともかく、自宅に保管しているお金のことなんて誰も知りようがないんじゃないの?」と考える人もいるかもしれません。
 
しかし、金額が大きいほど税務署にバレると考えてもよいでしょう。なぜなら税務署は国税総合管理(KSK)システムを運用しているからです。このシステムは全国の国税局や税務署をネットワークで結んでおり、国民一人ひとりの過去の申告情報のデータなどをすべて蓄積し、所得や財産などをおおよそ把握しているのです。
 
亡くなった人の収入や資産を考慮して明らかに相続税額が少ないとみなされると、自宅に税務調査が入ります。その結果タンス預金がバレるのです。
 

タンス預金の申告漏れのペナルティ

相続税の申告が遅れたり、故意に申告しなかったりした場合は、ペナルティが課されます。
 

延滞税

相続税を期限までに納付しなかった場合は延滞税が課されます。原則として納付期限の翌日から2ヶ月を経過するまでは年7.3%、2ヶ月を経過した日以降は年14.6%の税率が課されます。詳しい計算方法は国税庁のホームページで確認が可能です。
 

過少申告加算税

税金を過少申告していた場合、過少申告加算税が課されます。50万円まで10%、50万円を超えると15%の税率が課されます。税務署の調査を受ける前に自主的に修正申告をすれば、過少申告加算税はかかりません。
 

無申告加算税

無申告の場合は無申告加算税を支払わなければいけません。2024年1月からは50万円までの部分に15%、50万円を超える300万までの部分に20%、300万円を超えると30%の税率が課されます。
 

重加算税

財産の隠蔽(いんぺい)をした場合は重加算税が課されます。35%から40%の税率が課されます。
 

亡くなった人のタンス預金を見つけたら

「遺品整理をした自分が見つけたから」と独り占めするのは絶対にやめましょう。後々相続人とトラブルになる上に、悪質な隠蔽行為だと捉えられ多額の税金を納めなければいけなくなります。亡くなった人のタンス預金を見つけた場合、必ずすべての相続人に伝え、相続税の修正申告を行うようにしましょう。
 

出典

国税庁 No.9205 延滞税について
国税庁 No.2026 確定申告を間違えたとき
国税庁 No.2024 確定申告を忘れたとき
財務省 納税環境整備に関する基本的な資料
 
執筆者:山田麻耶
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