更新日: 2024.10.10 働き方

アルバイトをしていて有給が「11日」付与されていますが使わせてもらえません。どうしたら使わせてもらえるでしょうか?

アルバイトをしていて有給が「11日」付与されていますが使わせてもらえません。どうしたら使わせてもらえるでしょうか?
社員だけではなくアルバイトやパートでも、条件を満たせばもらえる有給休暇。しかし、有給休暇の取得を雇用主に拒否されたり、有給休暇の日数自体を教えてもらえなかったりと、さまざまなトラブルが発生することもあります。
 
本記事では、アルバイトやパートがもらえる有給休暇の条件や、企業が取得を拒否した場合の罰則内容、労働者側の対処方法を紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

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アルバイトやパートが有給休暇をもらえる条件

労働基準法第39条によると、企業は雇用形態にかかわらず、条件を満たしている労働者に対して有給休暇の付与を義務付けられています。ここでは、アルバイトやパートに有給休暇が付与される条件を紹介します。
 

入社してから半年が経過している

有給休暇取得の一つ目の条件として、入社日から半年経過している必要があります。入社日は雇用契約書に記載されているため、正確な日付が分からない方は、雇用契約書を確認しましょう。半年が過ぎている場合は、有給休暇が付与されている可能性が高いといえます。
 

所定労働日の8割以上出勤している

二つ目の条件は、雇用時に定めた所定労働日の8割以上を出勤していることです。所定労働日とは、労働者が働くと定めた日数です。例えば、半年間の所定労働日数が120日の場合、8割の96日間出勤していれば、有給休暇の取得が可能です。所定労働日も雇用契約書に記載されているため、正確な日数が知りたい方は、契約書をチェックしましょう。
 

アルバイトやパートがもらえる有給休暇の日数

アルバイトやパートがもらえる有給休暇の日数は、労働日数や時間によって変動します。
 
週30時間以上、週5日以上または年間217日以上勤務している場合に付与される有給休暇日数は、表1の通りです。
 
表1

入社日からの勤続期間 付与される有給休暇日数
6ヶ月 10日
1年6ヶ月 11日
2年6ヶ月 12日
3年6ヶ月 14日
4年6ヶ月 16日
5年6ヶ月 18日
6年6ヶ月以上 20日

※厚生労働省「年次有給休暇とはどのような制度ですか。パートタイム労働者でも有給があると聞きましたが、本当ですか。」をもとに筆者作成
 
週30時間未満、週4日以下または年間216日以下の勤務に付与される有給休暇の日数は、表2の通りです。
 
表2

所定労働日数(週) 所定労働日数(年) 入社日からの勤続期間
6ヶ月 1年
6ヶ月
2年
6ヶ月
3年
6ヶ月
4年
6ヶ月
5年
6ヶ月
6年
6ヶ月以上
4日 169~216日 7日 8日 9日 10日 12日 13日 15日
3日 121~168日 5日 6日 6日 8日 9日 10日 11日
2日 73~120日 3日 4日 4日 5日 6日 6日 7日
1日 48~72日 1日 2日 2日 2日 3日 3日 3日

※厚生労働省「年次有給休暇とはどのような制度ですか。パートタイム労働者でも有給があると聞きましたが、本当ですか。」をもとに筆者作成
 

企業が有給休暇の取得を拒否した場合の罰則

有給休暇の取得は労働者の義務であり、企業側に拒否する権利はありません。もし、アルバイトの有給取得を企業側が拒否した場合は、労働基準法第119条の規定により、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられる可能性があります。
 

有給休暇の取得を拒否された場合のアルバイトやパート側の対処方法

有給休暇は、休みをもらいつつ賃金の支払いが行われる制度です。そのため、もし風邪やけがなどで仕事を休まなければいけなくなった場合には、アルバイトやパートでも有給休暇を取得すれば、給料を減らさずに休むことができます。
 
例えば、時給1100円で働くアルバイトが有給を12日取得できる場合は、休暇をとりつつ10万5600円分の給料を受け取ることが可能です。
 
1100円×8時間/日×12日=10万5600円
 
有給休暇の取得拒否は生活にも大きな影響を及ぼす可能性がありますので、早めに対処しましょう。
 

社内の相談窓口に相談する

会社によっては、社内に労働に関する相談窓口を設けている場合があります。有給休暇の取得を拒否されることについても、まずは社内で相談してみることも一つの手段です。労働組合がある場合は、相談内容によっては団体交渉を行ってもらえる可能性があります。ただし、有給休暇の取得について社内で相談しにくい場合は、別の手段を検討しましょう。
 

労働基準監督署に相談する

社内に相談できる相手がいない方は、労働基準監督署に相談しましょう。労働基準監督署は、労働者が働く環境を適切に整えているかを、企業に対して監督・指導する機関です。そのため、有給休暇の取得を拒否されていることも、正当性が認められれば、企業に対して指導勧告を行ってくれる可能性があります。社内で相談することは難しいという場合は、労働基準監督署の利用を検討してみてください。
 

アルバイトやパートでも有給休暇の付与は義務

アルバイトやパートであっても、条件を満たしていれば、有給休暇の付与は企業の義務です。企業が労働者の有給取得を拒否することは、労働基準法違反に該当する可能性があるため、社内窓口や労働基準監督署に相談してみるとよいでしょう。体調不良やけがをしたときに、有給休暇が使えないと収入が減って、生活が苦しくなってしまう可能性があります。自分の有給休暇を確認して、早めに相談することをおすすめします。
 

出典

デジタル庁 e-Gov法令検索 労働基準法 第三十九条(年次有給休暇)、第百十九条
厚生労働省 労働基準情報:FAQ (よくある質問) 年次有給休暇とはどのような制度ですか。パートタイム労働者でも有給があると聞きましたが、本当ですか。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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