更新日: 2024.01.29 貯金

高齢者の平均貯蓄額と負債。豊かな老後を過ごすためにはいくら必要?

執筆者 : 下中英恵

高齢者の平均貯蓄額と負債。豊かな老後を過ごすためにはいくら必要?
高齢者世帯の平均貯蓄や負債はいくらあるのでしょうか。今回は、厚生労働省の資料から、高齢者世帯の家計について紹介します。併せて、老後に豊かな生活を送るために、50代や60代の方が貯蓄や負債の返済を行う上で注意すべきポイントもチェックしていきましょう。
下中英恵

執筆者:下中英恵(したなかはなえ)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者

“東京都出身。2008年慶應義塾大学商学部卒業後、三菱UFJメリルリンチPB証券株式会社に入社。

富裕層向け資産運用業務に従事した後、米国ボストンにおいて、ファイナンシャルプランナーとして活動。現在は日本東京において、資産運用・保険・税制等、多様なテーマについて、金融記事の執筆活動を行っています
http://fp.shitanaka.com/”

高齢者世帯の貯蓄

まずは、高齢者世帯の平均貯蓄を確認していきます。厚生労働省の「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」によると、全世帯と高齢者世帯の貯蓄額は以下のとおりとなっています。

<1世帯当たり平均貯蓄額>

全世帯    :1368万3000円
高齢者世帯  :1603万9000円

貯蓄額について、高齢者世帯に限った場合は、全世帯に比べて平均値が高いことが分かります。高齢者世帯は、今まで働いて得られた収入や退職金などを貯蓄することによって、若い世代を含めた全世帯よりも貯蓄が多いと考えられます。
 
一方で、高齢者世帯のうち「貯蓄がない」と回答している世帯の割合は、全体の11.3 %です。年金収入などを収入源に、その日暮らしをしているであろう高齢者世帯は、およそ10世帯のうち1世帯はいることが分かります。
 

高齢者世帯の負債

次に、高齢者世帯の抱える負債についてチェックしていきます。同資料によると、全世帯と高齢者世帯の平均借入金額は以下のとおりとなっています。

<1世帯当たり平均負債額>

全世帯    :390万6000円
高齢者世帯  :52万9000円

高齢者世帯の平均借入金額は、全世帯に比べて低くなっています。これは、現役時代に住宅ローンなどを完済している高齢者世帯が多いからだと考えられます。
 
また、高齢者世帯のうち「借入金がない」と回答している世帯は79.6%、「借入金がある」と回答している世帯は6.8%です(13.6%は借入金の有無不詳)。約8割の高齢者世帯は、借入金を計画的に返済し、負債のない状態で老後の生活を送っていることが分かります。
 

豊かな老後を過ごすためには?

老後には、十分な貯蓄など経済的な余裕があり、負債のない家計が理想的です。退職して老後の生活へ入る前に、貯蓄と負債の金額をコントロールしておくことが大切です。
 
貯蓄については、若い頃からコツコツとお金をためていくことがポイントとなります。「若い頃には余裕がなかった」「貯蓄する習慣がなかった」という50代や60代の人でも、貯蓄ペースを早めれば、退職するまでにある程度お金をためることができるでしょう。
 
一般的には、仕事を引退する65歳くらいまでに約2000万円の貯蓄があると安心だと言われています。もちろん、どんな老後の生活を送るかによって、必要となる金額は変わってきます。厚生労働省の「令和4年簡易生命表の概況」によると、日本人の男性の平均寿命は81.05歳、女性の平均寿命は87.09歳です。少なくとも80歳くらいまでは生きるとして、自分たちに必要となるお金を計算してみましょう。
 
また、負債については、なるべく早く完済することが重要です。支払わなければならない利子を少しでも減らすために、積極的に繰り上げ返済を行いましょう。50代や60代の人がお金を借りる場合は、仕事をしている間に完済できるのか、計画的に、そして慎重に考える必要があります。
 

まとめ

高齢者世帯の貯蓄と負債の金額を具体的にチェックすると、高齢者は老後どのような生活を送っているのか、イメージしやすくなります。今回紹介した内容を参考にしながら、自分の老後のために、貯蓄や負債を計画的に管理し、経済的にゆとりがある生活を送れるように準備していきましょう。
 

出典

厚生労働省 2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況
厚生労働省 令和4年簡易生命表の概況
 
執筆者:下中英恵
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者