更新日: 2024.10.10 働き方
育休を取ろうとしたら会社から「有給休暇も含める」と言われました。「育休」と「有休」は別ですよね?
そもそも有給休暇は、一定の要件を満たしたすべての労働者に付与されるものであり、育児休暇と合算されてしまうことに問題はないのかと、気になる方も多いと思います。
本記事では、育児休業制度と有給休暇制度の概要とともに、育児休業に有給休暇を含めることは可能なのかをご紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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育児休業制度とは?
育児休業制度は、育児・介護休業法に定められている制度で、原則1歳未満の子どもを養育するにあたって休業を取得することを可能としています。
令和4年には育児・介護休業法の改正が行われ、育児休暇を取得しやすい雇用環境の整備や、妊娠・出産の申し出をした労働者に対する個別の周知・意向確認の措置を行うことなどが義務化されました。
また、有期雇用労働者の育児休業取得要件が緩和されるなど、より多くの労働者が育児休業を取得しやすい環境が整ってきています。
育児休業を取得できる期間は、子どもが1歳になるまでの間であり、保育所などに入所できない場合に限り、最長2歳まで休業を延長することが可能です。
休業中の就業については「原則不可」とされています。
有給休暇制度とは?
一方、有給休暇は「6ヶ月以上勤務していること」「全労働日の8割以上出勤していること」という2つの条件を満たした、すべての労働者に付与される休暇です。
継続勤務年数に応じて、表1のような日数が付与されます。
表1
継続勤務年数 | 0.5年 | 1.5年 | 2.5年 | 3.5年 | 4.5年 | 5.5年 | 6.5年以上 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
年次有給休暇の付与日数 | 10日 | 11日 | 12日 | 14日 | 16日 | 18日 | 20日 |
※厚生労働省「リーフレットシリーズ労基法39条 年次有給休暇の付与日数は法律で決まっています」を基に筆者作成
原則として有給休暇は、労働者が指定した日に取得できますし、使用者は、指定された日に有給休暇を与えなければなりません。
育児休業に有給休暇を含めることには問題はないのか?
厚生労働省によると、有給休暇は「労働義務のある日に請求できるもの」であるということです。
育児休業中は就業が「原則不可」とされていることから「労働義務のない日」とみなされます。そのため、育児休業に有給休暇を含めることはできないと考えられます。
ただし、育児休業を申し出る前に、育児休業中に該当する日に有給休暇の時季指定や計画付与が行われた場合は、その日は有給休暇を取得したものと判断しなければなりません。そして会社は、その日の有給休暇分の賃金を支払う必要があります。
育児休業と有給休暇は同時に取得できない
育児休業は子どもの養育のために取得できる休業であり、原則として、子どもが1歳になるまで適用されます。
一方の有給休暇は、一定の要件を満たしたすべての労働者に付与されるもので、労働義務のある日に請求することが可能です。そのため、就労できないとされている育児休業中に、有給休暇を取得することはできません。
もし会社から「育休を取るのであれば、有給休暇も含める」と言われた場合は、きちんと話し合いをすることをおすすめします。
出典
厚生労働省
育児休業制度特設サイト 関連資料 そのときのために、知っておこう。育児休業制度
リーフレットシリーズ労基法39条 年次有給休暇の付与日数は法律で決まっています(1ページ)
育児休業制度の労働基準法上の取扱いについて 平成三年一二月二〇日 基発第七一二号 各都道府県労働基準局長あて労働省労働基準局長 6 年次有給休暇
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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