更新日: 2024.10.10 家計の見直し
わが家の支出は多い? 日本の平均支出額や食費を教えてください。
執筆者:下中英恵(したなかはなえ)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者
“東京都出身。2008年慶應義塾大学商学部卒業後、三菱UFJメリルリンチPB証券株式会社に入社。
富裕層向け資産運用業務に従事した後、米国ボストンにおいて、ファイナンシャルプランナーとして活動。現在は日本東京において、資産運用・保険・税制等、多様なテーマについて、金融記事の執筆活動を行っています
http://fp.shitanaka.com/”
年代別の支出額
まずは総務省統計局の家計調査(2023年)の結果から、世帯主の年齢階級別に、1世帯当たりの平均支出月額を確認していきます。
<世帯主年齢階級別、1ヶ月の平均消費支出額>
全世帯平均:24万7322円
29歳以下:18万1467円
30~39歳:24万1932円
40~49歳:29万5846円
50~59歳:29万6527円
60~69歳:26万6583円
70歳以上:20万7510円
1ヶ月の平均消費支出額が高いのは、40歳代や50歳代の世帯となっています。一方、最も支出が少ないのは29歳以下の若い世代が世帯主の場合で、次いで70歳以上の世帯です。29歳以下の支出月額は毎月約16万円、70歳以上は約20万円となっています。
なお、全世帯の平均支出月額は約24万円ですが、家族の人数や年齢によって、毎月の支出額は大きく異なります。自分の家計と、日本の平均支出額を見比べて、支出が多いのか、少ないのか、ぜひチェックしてみましょう。
みんなの食費は1ヶ月当たりどのくらい?
日々節約に励んでいる方は、食費についても気になるのではないでしょうか。次に、世帯主の年齢別に、家庭における食費の平均額を確認していきます。
<世帯主年齢階級別、1ヶ月の平均食費額>
全世帯平均:6万7078円
29歳以下:4万1509円
30~39歳:6万4792円
40~49歳:7万9060円
50~59歳:7万3316円
60~69歳:7万2790円
70歳以上:6万1591円
世帯主の年齢別で、1ヶ月の平均食費額が高いのは40代となっています。一方、最も食費が少ないのは29歳以下の若い世代で、70歳以上の世代が属する世帯が後に続きます。
1ヶ月の食費は、毎月の支出と同様、家族構成によって異なりますが、大体6~7万円くらいが相場となっていることが分かります。
食費の節約効果は小さい?
日々、少しでも食費を削ろうと、スーパーの特売日を利用したり、商品が安いスーパーをはしごしたりしている人もいるかもしれません。しかし実は、食費を頑張って節約しても、毎月の支出額を大幅に減らすことは難しいといえます。
例えば、現在食費に毎月6万円かかっている人が、食費を月5万円まで減らそうと考えた場合、毎日の買い物で、小さな節約をコツコツと積み重ねていかなければなりません。
具体的には、たまねぎ1個を70円で売っているスーパーから、50円で売っているスーパーに変えたとしても、20円の節約にしかなりません。1ヶ月に玉ねぎを5個使う家庭の場合、節約金額は、たったの100円です。
また、物価が高騰している卵の場合、1パック当たりの価格が300円のものから200円のものに変えたとしても、その差はわずか100円です。
1週間に1パック、1ヶ月で4パック使うとして、1ヶ月で400円の節約にしかなりません。1ヶ月で1万円分の食費を下げるには、10円から100円単位の節約に日々励まなければならないということが分かります。
さらにスーパーでの買い物は、単価が比較的低いため、節約をしても家庭全体の支出減にはつながらず、成果が見えにくいという特徴があります。
実は、食費の節約よりも、毎月の家賃やローンの返済、スマートフォンの基本使用料、子どもの塾や習い事の費用など、出費が大きい費目の節約を検討する方が、家庭の支出減につながる可能性があります。
食費の節約はあまり効率的ではありません。自分の家計の支出を見て、特に出費の割合が大きい費目を節約することができないか、検討してみましょう。
まとめ
毎月の支出を減らすためには、まずしっかりと家計簿を付けることが大切です。その上で、食費を切り詰めるなど苦しい倹約をするのではなく、効率的に支出を減らすことができないか、検討してみましょう。
出典
総務省統計局 家計調査(家計収支編)2023年(令和5年)
執筆者:下中英恵
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者