更新日: 2024.03.22 働き方

給料が高い大企業への転職を検討していますが、「現職のポジション」を手放すのが怖いです。現職で昇進し、給与を上げるべきでしょうか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

給料が高い大企業への転職を検討していますが、「現職のポジション」を手放すのが怖いです。現職で昇進し、給与を上げるべきでしょうか?
仕事をする理由は人それぞれですが、給与は多くの人にとって無視できない要素です。給与に満足いかない場合は、転職を検討することも「あり」でしょう。
 
とりわけ、給与が高いとされている大企業への転職を目指す人がいてもおかしくはありません。しかし、転職により現職のポジションを失うリスクも伴います。
 
今回は、企業の規模と年収の関係を確認したうえで、転職を判断するのに欠かせない要素などを考えてみましょう。
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企業の規模と年収の関係

そもそも、大企業は本当に給与が高いのかということを押さえておく必要があります。国税庁の「令和4年分 民間給与実態統計調査」の結果には、企業の規模ごとの平均年収がまとめられています。
 
それによると、従業員が10人未満の企業の平均年収は約371万円、10〜29人の企業の平均年収は約425万円でした。100〜499人の企業では約446万円、500〜999人の企業では約480万円、1000〜4999人の企業では約521万円となっています。従業員を5000人以上抱える企業の平均年収は、約538万円でした。
 
ここからも、企業の規模が大きくなると給与が高くなる傾向があることが分かります。ちなみに、同調査結果からは、株式会社における資本金額が多くなるほど平均年収が高くなる傾向もみられます。給与を上げるために大企業への転職を検討するのは、決して的外れとはいえないでしょう。
 

転職の成否は年齢や将来性などによる

転職活動をしても、すべての人が成功するとは限りません。目指す転職先が大企業となれば、なおさらです。ここでは、転職の成否にかかわる要素をそれぞれみてみましょう。
 

・年齢

転職への意識が高まってきているとはいえ、日本はアメリカなどと比べると、まだまだ転職に抵抗感を抱く人が、個人・企業ともに少なくありません。
 
特に、年齢が高くなるほど市場価値が落ちる傾向があり、転職の成功が望めなくなるおそれがあります。20〜30代は、それ以降の年代よりも転職成功の可能性が高いのが一般的です。40代以降であれば、現職での昇進などを目指すのに注力した方がよいケースも多くなるでしょう。
 

・実績や能力

大企業への転職を成功させるには、現職でそれなりの実績を残していなければいけません。現職から逃げるような形ではなく、さらなるキャリアアップを目指しての転職である必要があります。
 
また、その実績は企業に依存したものではなく、自分個人の能力や技術によるものである点も重要でしょう。個人としての能力が高い場合、大企業への転職により給与が上げられる可能性も高まります。
 

・将来性

現職ですでになんらかのポジションが与えられているのであれば、年齢や役職にもよりますが、それなりに期待されているともいえます。
 
先輩や上司の待遇などを確認し、現職のままでさらなる昇進や昇給が見込めるかを確認してみましょう。現職でも将来性が見込めれば、そのまま働き続けることで給与の増加も狙えます。将来的には、転職よりもよい結果を得られる可能性もあるでしょう。
 

転職で給与が上がるとは限らない

厚生労働省の「令和2年 転職者実態調査の概況」をみると、転職により給与が上がった人は39.0%でした。一方の、給与が減少した人は40.1%となっています。
 
従業員1000人以上の企業に限ってみても、転職後に給与が増加した人の割合と減少した人の割合はともに38.6%です。このように、大企業に転職しても、すべての人の給与が上がるとは限りません。
 
現職のポジションを手放すのに恐怖心を抱いているうちは、無理に転職はしない方が無難です。転職活動でも守りに入りやすくなり、結果的に失敗するおそれが高まってしまうでしょう。現職のポジションを生かし、さらなる昇進や給与アップを目指すのも一つの選択肢となります。
 

転職は慎重な検討と決断が不可欠

給与アップを目指して、現職よりも大きな規模の企業への転職を目指す人は少なくありません。確かに、企業規模が大きくなるほどに平均年収が高くなる傾向はみられます。
 
しかし、転職が必ずしも給与アップにつながるとは限らない点にも注意が必要です。年齢や実績・能力などによって転職結果は異なるでしょう。また、将来性の確認も不可欠です。現職で昇進や昇給を目指した方がよいケースもあるため、慎重に検討しましょう。
 

出典

国税庁 令和4年分 民間給与実態統計調査
厚生労働省 令和2年転職者実態調査の概況
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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