更新日: 2024.10.10 その他家計
【湯船 vs シャワー】「1人暮らし」なら、どちらがガス代の節約になる? それぞれの金額や節約方法を解説
本記事では、1人暮らしの場合に湯船にお湯をためるのとシャワーで済ませるのでは、どちらがよりガス代の節約になるのか解説します。また、よりお風呂のガス代を節約する方法3つも紹介しています。
執筆者:古澤綾(ふるさわ あや)
FP2級
浴槽1杯分の湯量はシャワー約16分と同じ
シャワーは1分につき約12リットルのお湯が使われます。10秒で2リットルのペットボトルと同じ水量が出ていると考えると、かなりもったいないように感じますね。
シャワーを16分使用すると、一般的な200リットルの浴槽にお湯をためたのと同じくらいの湯量になります。ただし、湯船にお湯をためていても髪や体を洗うときはシャワーを使うため、トータルの使用湯量で考えてみましょう。
実際のガス代はどれくらい?
次に、実際にシャワーや湯船にお湯をためるのに、どれくらいのガス代がかかるのかを確認してみましょう。ガス代の計算方法は次の通りです。
・ガス代=上昇温度(度)×水量(リットル)÷熱効率(%)×発熱量(キロカロリー/立方メートル)×基準単位料金(円/立方メートル)
今回は、条件を次のように設定しました。
・水温15度を40度まで上昇させる
・一般的な都市ガス給湯器を使用し、熱効率は80%
・都市ガスの発熱量1万750キロカロリー/立方メートル
・都市ガスの単位料金は164.61円/立方メートル(2024年3月現在の東京ガスの単位料金)
これをもとに計算したガス代は図表1の通りです。
図表1
東京ガスの一般契約料 料金表Aより筆者作成
湯船にお湯をためても体や髪を洗うときにはシャワーを利用するため、シャワーと湯船を合わせたガス代も算出しました。湯船にお湯をためて5分程度のシャワー使用で済ませた場合でも、20分間シャワーを出しっぱなしにした方がガス代が安い結果となりました。
よりガス代を節約する3つの方法
1人暮らしの場合はシャワーのみの方がガス代は安くなることが分かりましたが、健康面を考えるとゆっくり湯船につかる方が良いでしょう。湯船につかることで、疲労回復したり、むくみを取ったり、汚れを取れやすくしたりするなどのメリットがあります。そこで、湯船につかっても、今よりガス代を節約する方法を3つ紹介します。
給湯温度を1度下げる
給湯温度を1度下げることにより、ガス代が節約できます。前述のガス代と同じ条件で、湯船に張る200リットルのお湯を1度上げるときのガス代は、約3.8円です。つまり給湯温度を40度から39度に変えるだけで、1日約3.8円、1年間で約1400円の節約になります。
節水シャワーヘッドに交換する
シャワーヘッドを備え付けのものから、節水シャワーヘッドに交換するのも1つの方法です。節水シャワーヘッドは、使用する湯量が約半分になる商品が多いようです。
湯船と合わせて体や髪を洗うときに5分程度シャワーを使用する場合なら、60リットル使用して1日約29円かかっていたガス代が、半分の約14円で済みます。毎日続ければ1年で約5200円の節約になります。
節水シャワーヘッドは、シャワーのお湯が出る穴を小さくして吐水量を減らしたり、手元ですぐにシャワーを止められる止水ボタンがついていたりするものが一般的です。1000円台から3000円台で購入できるものも多いです。
150リットル程度の湯船で半身浴をする
湯船満タンの200リットルのお湯をためずに、150リットル程度のお湯でゆっくり半身浴をするのもおすすめです。約50リットルのお湯を毎日節約することで、毎日約96円かかっていたガス代が、約72円まで抑えられます。たったの24円の差に感じるかもしれませんが、毎日続ければ1年間で約8760円の節約になります。
たっぷりのお湯で肩までつかるよりも、みぞおちあたりの湯量でゆっくり半身浴をした方が、体への負担も少なく神経が落ち着いてリラックスできるというメリットもあります。
まとめ
湯船にお湯をためる場合とシャワーで済ませる場合のガス代を検証したところ、1人暮らしの場合はシャワーのみで済ませた方がガス代が安いことが分かりました。お湯をためつつ体を洗うために5分程度シャワーを使用するとガス代は1回当たり約124円です。一方、シャワーのみなら20分程度出しっぱなしにしても1回当たり約115円でした。
しかし、健康面を考えると週に数回でも良いので湯船につかることをおすすめします。その場合は次のような方法でガス代を節約できます。
・給湯温度を1度下げる
・節水シャワーヘッドを利用する
・湯船にためるお湯は150リットル程度にする
負担にならない程度に、ガス代の節約に取り組んでみてください。
出典
東京ガス ガス料金表 一般契約料(2024年3月検針分)
執筆者:古澤綾
FP2級